奈良豆比古神社の翁舞 ② ~能の源流
町内の翁講・翁舞保存会の 人々によって奉納される伝統芸能である奈良豆比古(ならずひこ)神社の翁舞。
奈良時代に春日王の病気平癒のため、祈願の舞を 奉納したのが始まりとされ、 能楽の起源ともいわれる由緒ある祭りだ。
私自身、杭全神社の御田植神事保存会の一員として、この厳かな舞に数々の共通性を感じた。
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ラストは三番叟の舞である。
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<資料>
国指定文化財等データベースより、抜粋
この翁舞は、現在の能楽と同様に、千歳、翁、三番叟の構成であるが、千歳の舞の後に、一人の翁の舞があり、その後、翁の両側に、脇の翁が並び立つ三人の翁の舞になり、三人の翁が退場して、三番叟の舞になって終わる。
この三人の翁舞については、近世、奈良の興福寺や春日社の神仏事の「翁」には、奈良を本拠にした宝生【ほうしょう】、金春【こんぱる】、金剛【こんごう】の三座が立ち合う形をとり、三人の翁が登場していたことから、その影響を受けたものと考えられる。
このように奈良豆比古神社の翁舞は、三人の翁が登場するもので、芸能の変遷の過程を示し、地域的特色も顕著である。