中国Pav. の前編「竹簡の書と二十四節気」 ~大阪関西万博 75
中国パビリオンの外壁は、中国の伝統的な書道の巻物を広げた形をモチーフにしている。
金文・篆書・隷書・行書・楷書という五つの書体で刻まれた119首の漢詩だという。
また、館内で印象的なのは春夏秋冬・二十四節気の変化を映し出されていることだ。
工芸美術の巨匠である94歳の常沙娜さんの作品。
中国の文化と歴史の奥行の深さに圧倒された。
中国Pav. の前編「竹簡の書と二十四節気」 ~大阪関西万博 75
中国パビリオンの外壁は、中国の伝統的な書道の巻物を広げた形をモチーフにしている。
金文・篆書・隷書・行書・楷書という五つの書体で刻まれた119首の漢詩だという。
また、館内で印象的なのは春夏秋冬・二十四節気の変化を映し出されていることだ。
工芸美術の巨匠である94歳の常沙娜さんの作品。
中国の文化と歴史の奥行の深さに圧倒された。
アフリカのいのち輝く・タンザニア/ エチオピア / ジブチ/ モーリタニア / ベナン / ザンビア / ジンバブエ ~大阪関西万博 74
<タンザニア>
タンザニアは広大な大自然で知られる東アフリカの国である。「ビッグ 5」と呼ばれるゾウ、ライオン、ヒョウ、バッファロー、サイが生息するサファリのメッカとして知られるセレンゲティ国立公園や、アフリカ最高峰を擁するキリマンジャロ国立公園などがある。
<エチオピア>
エチオピアは「アフリカの角」に位置する大地溝帯が走る起伏の激しい内陸国。
300 万年以上もさかのぼる遺跡があり、古代文明が栄えた場所であり、アフリカ最古の独立国である。
国土は日本の3倍ほどで人口は約1億1,700万人。
主要産業であるコーヒーの栽培はアビシニア(エチオピア)高原と呼ばれる高地で盛んに行われており、冷涼な気候と標高2,000mを超える高地、雨量の多さなど、コーヒー栽培に適した環境が整っている。
<ジブチ>
エチオピアの北部にちょこんとくっ付いたような小さな国ジブチ。
アフリカ大陸でもっとも海抜の低い海面下155mに位置するアッサル塩湖の塩分濃度は死海よりも濃いと言われている。
また首都ジブチの対岸にある第3の都市タジュラは、歴史ある港町として知られて、白い家並みが情緒あふれる風景を生み出している。
<モーリタニア>
アフリカ大陸の西側に位置し、国土面積は日本の約3倍。
全土がサハラ砂漠に位置するため、国土の90%以上が砂漠という国で、南部のセネガルとの国境に流れるセネガル川や、砂漠の中に点在するオアシスがわずかに乾燥を免れた地域となっている。
古の「隊商都市」は世界遺産にも指定されている。
サハラ砂漠の砂に触れる。
<ベナン>
ベナンはアフリカ大陸西部に位置し、ギニア湾に面する小さな国。
17世紀頃ダホメ王国があり、ヨーロッパとの奴隷貿易で繁栄した。
海岸に砂州やラグーンが発達しており、この国最大の都市コトヌーは港湾都市として成長し、多くの行政機関もある。
コトヌーの北にあるガンビエは、潟湖のノコウエ湖に広がる水上都市で、約4万人が暮らしています。
学校などもあるアフリカ最大の水上都市で、「アフリカのヴェネツィア」と呼ばれており、奴隷貿易が盛んだった頃、奴隷狩りから逃れるために作られた。
<ザンビア>
ザンビアはアフリカ南部にある陸地に囲まれた国岩だらけの地形と多様な野生生物、多数の国立公園やサファリ区域があることで知られる。
ジンバブエの国境沿いには、「雷鳴の轟く煙」と呼ばれ「世界三大瀑布(ばくふ)」の一つである「ヴィクトリアの滝」がある。
日本の約2倍の国土を持つザンビア国内には約20の国立公園があり、BIG 5と呼ばれるライオン、ゾウ、サイ、バッファロー、ヒョウのほか、キリン、インパラ、カバなど様々な動物を見ることができる。
<ジンバブエ>
アフリカ南部に位置する陸地に囲まれた国、ジンバブエは壮大な風景と多様な野生生物で知られる。
野生生物の多くは、国立公園や保護区、サファリ区域に生息している。
ザンベジ川には、108 m の高さから幅の狭いバトカ峡谷にすさまじい音をたてて流れ落ちる大瀑布、ヴィクトリアの滝がある。
ヴィクトリアの滝をAR体験。
「幸福の王国」ブータンの「しあわせって何だっけ」 ~大阪関西万博 73
ブータン王国は、ヒマラヤ山脈の東側に位置し、北は中国、南はインドと国境を接する、面積は九州とほぼ同じほど、人口およそ80万人の小さな国だ。
私はブータンというと昔、CMで明石家さんまが歌っていた「しあわせって何だっけ」を思い出す。
ブータンはGNH(Gross National Happiness)=国民総幸福という指標を提唱し、国民が幸せと感じる度合い、幸福度を重視するユニークな国づくりを進めているからだ。
行き急いだ経済成長を見直し伝統的な社会や文化、環境などに配慮しながら、「国民の幸せ」の実現を目指すという考え方だ。
国民の海外流出が高いブータンの幸福度が世界的に抜きんでて高いわけではない。
ただ、「中道の教え」に基づく仏教信仰をもとに、国民想いで人気者の国王がいて、医療費や教育が無償で平等に提供され、衣食住が保障された社会を目指しているという。
私たちに物資的な豊かさだけが「幸せのかたちではない」と教えてくれている。
コモンズDにブータンのブースがある。
日本人とよく似た顔立ち。どこかで繋がっているのだろうか。
Shopに見入る。
セルビア Pav. の「浮遊する森(Floating Forest)」と遊びの社会」 ~大阪関西万博 72
セルビア・パビリオンは首都ベオグラード中心街に面し、ドナウ川に浮かぶ小島「浮遊する森(Floating Forest)」に着想を得ているという。
テーマは「Society of Play(遊びの社会)」。
館内には大人も子どもも楽しめる遊びの展示が並ぶ。
特に壁に設けられた装置にビー玉を投入すると最初は仕掛けに沿って動き、途中からデジタル処理された映像上で動くビー玉を追いかけるのは楽しい。
ビー玉の動きに応じてセルビアの科学者やスポーツ選手なども現れ、遊びながらセルビアについて学ぶことができる。
2027年開催の認定博、ベオグラード万博もアピールしている。
マスコットの子どもが何故か、怖い。
最初のころは「みゃくみゃく」も怖かったから、そういうものかもしれない。
アルジェリア Pav. の悠久の歴史と光輝の "大陸″ ~大阪関西万博 71
240万年前の石器セレクションから、展示がスタートするパビリオンも稀だろう。
アルジェリアはアフリカ大陸でもっとも広い国土と、先住民族ベルベル人に始まる3000年以上の歴史を誇る。
「アルジェリアは国ではなく、大陸です」・・・EXITに誇らしげに記された言葉に、すべてが込められている。
そして、ファザードには「アルジェリアの光輝」と掲げられている。
7つの世界遺産や全土の8割以上を占める広大なサハラ砂漠から地中海沿岸や山岳地帯までの美しい景観、銀とサンゴをあしらった古代宝飾品など、まさに光り輝いている。
実は55年前の1970万博におけるアルジェリア館を朧気ながら憶えている。
今回と同じような白を基調にした、よく似た箱型のパビリオンだった。
アフリカ大陸というのにお洒落でリゾート感一杯の地中海の風を感じたのも今回と同じだった。
ガス Pav. 「おばけワンダーランド」の「化けろ、未来!」 ~大阪関西万博 70
ガスパビリオンのコンセプトは、「化けろ、未来!」。
私たち一人ひとりが意識や行動を変える(化ける)ことにより、カーボンニュートラル社会が実現できると説く。
また、未来の新たなエネルギーなども紹介する。
入場者はXRゴーグルをつけた途端、自身がおばけになる。
写真で見ると素のままの人だが、ゴーグルを通すと、おばけに変身しているのだ。
このVR体験では、「欲張りおばけ・シーオーツ」をみんなでやっつけるというストーリー仕立てになっていて、手から光線が出たり、床が抜けたような没入型映像があったりする。
ガスが燃えて⽣まれたCO2が、e-methane(e-メタン)という新しいエネルギーに「化けて」まためぐる循環型の社会の実現を現わしている。
⼈が化けるのは、⾃分の欲望のためではなく、⼤切な⼈のため、そして、地球のため。
ブラジル Pav. の「我々の存在の真意とは。」輪廻・転生の物語 ~大阪関西万博 69
パビリオン正面に掲げられた深淵なる、この問いかけに、どこの宗教団体かと思ってしまった。
リオのカーニバル、サンバのリズム、陽気なダンス、灼熱ビーチのコパカバーナ・・・ブラジルのイメージはどれも典型的なラテンを思い出させるものばかり。
まさか、こんな哲学的な問いを発せられるとは、それこそ、プロデューサーの真意とは?と問いたいところだ。
2025年は日本とブラジルの国交樹立130年を記念する年。
1908年に最初の移民船「笠戸丸」がサンパウロ州に到着し、約25万人の日本人が渡航した。
我等のアントニオ猪木も中学生のころ、家族とともに移民した。
現在はその子孫ら200万人以上の日系人が暮らす最大の日系人コミュニティを擁する国だ。
エントランスに入ると1メートルから4メートルの高さの白い透けた彫刻が呼吸するように膨張と収縮を繰り返す。
人間や動物、天井からつり下がるような植物のオブジェが密集する不思議なアート空間である。
木やポリ袋をリサイクルした空間芸術は、自然との共存、環境と人間の関わりがテーマだという。
館内の展示は生命の多様性、死と再生の物語を紡ぎ出していた。
解釈は人それぞれだろう。 私はいのちの輪廻・転生を感じていた。
東南アジアの海洋国・ パプアニューギニア / 東ティモール / ブルネイ ~大阪関西万博 68
<パプアニューギニア> (コモンズA)
パプアニューギニアは、オーストラリアの北に位置し、最後の秘境といわれるニューギニア島の東半分と600の島からなる。
1975年にオーストラリアの委託統治から独立した。
総面積は日本の約1.25倍、人口は約860万人でパプア人やニューギニア人、高地族を中心に多くの部族で構成されている。
<東ティモール> EAST TIMOR (コモンズB)
東ティモールはインドネシアの南東に位置し、ティモール島の半分を領地とし、海洋生物が群がるサンゴ礁に囲まれており、面積は岩手県とほぼ同じで人口は約130万人。
国土の大部分は山地であるが赤道近くのため、1年を通じて暑い気候だが、山地に行くと厚手の服を着ていなければ寒いほどの場所もある。
ポルトガルの植民地やインドネシアの支配を経て、2002年に独立を果たした若い国である。
コーヒーを試飲させていただいた。香りがとてもいい。
<ブルネイ> (コモンズF)
正式名はブルネイ・ダルサラーム国。
ボルネオ島の北西海岸に位置し、人口は約42万人、マレーシアに囲まれる小さな国で面積は三重県ほど。
1984年にイギリスの保護領を離れ、完全独立した。
原油や天然ガスなど天然資源に恵まれ、国民の生活水準が高く、社会福祉も充実している裕福な国。
厳格なイスラム教の国であり、東南アジアで唯一、国王が首相も兼ねる絶対君主制の国である。
ヨルダン Pav. の「時空の王国」と「ワディラム砂漠の赤い砂」 ~大阪関西万博 67
ヨルダン・パビリオンは「スターウォーズ」や「アラビアのローレンス」などの映画の舞台にもなり、世界遺産にも登録されているという「ワディラム砂漠の赤い砂」の砂体験ができるとあって屈指の人気パビリオンである。
いつも、長蛇の列で2時間半待ちは当たり前であったが、最近、予約制になったようだ。
まず、最初の部屋の「時空の王国」。
ヨルダンの砂の壁に四角い穴があり、都市の映像が現在から古代に遡って映し出されている。
また、反対側の壁にはタペストリー(織物風の展示)がある。
縦糸は、太いロープを幅広の間隔で張っていて、横糸は青から濃紺の毛糸が時空の流れを表している。
そして、タペストリーの下には鉄琴らしきものが置かれている。
実はヨルダンの火打石らしい。
さて、メインのワディラム砂漠の赤い砂があるホールへ。
ヨルダンから船で運ばれてきたが、着いた時には22トンに減っていたという。
どれほどの量だったか知らないが、大変な作業だったろう。
さらさらっとした砂漠?に素足で入っていく。
天井は深い夜空になっており、すっかり、スターウォーズの気分。
流された映像のテーマは「未来を紡ぐ」。
「我々は1万4千年前からパンを焼き、糸を紡ぎ、山を切り開き、長い道のりを歩んできた…」
「母が織りなしてきた織物は擦り切れながらも、忘れられることはない」
動画★★★
サンドアート作りの実演。
ルーマニア Pav. の魔法使いの「魔法の箱」 ~大阪関西万博 66
ルーマニア・パビリオンは、奇をてらった建物ではなく素朴な四角形の箱のような木造建築である。
中世に魔女がいたという伝説を想起させる「魔法の箱」にはルーマニアの様々な文化が詰まっている。
館内のさまざまな場所にホログラムのペリカン「ハル」が現れ、めくるめくルーマニアの旅へといざなう。
派手さや最新技術を前面に出すのではなく、自然と文化、音楽が調和した空間、食の体験により、静かに過ごすことができる万博会場のオアシスのような空間を提供する。
カナダ Pav. の 後編「夢幻の無限列車」 ~大阪関西万博 65
氷河にタブレットをかざすと映し出されるカナダの壮大な大自然に来場者は夢中になる。
特に山塊に映し出される山岳鉄道には目を見張る。
鉄道はどこまでも終わることなく、何度も現れては延々と続いていく。まさに「夢幻の無限列車」 である。
続いて、宇宙遊泳を幻視する。
タブレットをかざすと・・・・
EXITには写真スポットコーナーがある。
アテンダントさん、ありがとうございます。
カナダ・パビリオンのデザインは長く厳しい冬の終わりに、川の氷が割れて動き出す「水路氷結(Ice breakup)」という、自然現象がモチーフである。
私も一度だけ行ったことがあるが、カナダの大自然に、また触れたくなった。
カナダ Pav. の 前編「氷河のなかのイリュージョン」 ~大阪関西万博 64
カナダパビリオンのコンセプトは冬が春に変わるときの自然現象にみる『再生(Regeneration)』。
エントランスで渡されたタブレットを天井を流れる川に向けると・・・なんと、サーモンが悠然と泳いでいる。
そして、白一色、氷に閉ざされた氷河の世界へと向かう。
タブレットを向けた途端、摩訶不思議!イリュージョンが展開する。
春の訪れと共に凍っていた川の水が溶ける風景をイメージしているようだ。
モーリシャス、コモロ、マダガスカル 「南洋の楽園」 ~大阪関西万博 63
<モーリシャス>(コモンズA)
モーリシャスはインド洋に浮かぶ東京都とほぼ同面積の島国。
かつてはインド商人の貿易中継地になっていたため、インド系住民が過半数を占める。
主要産業のひとつが観光で、ヨーロッパ人憧れの高級リゾートとなっている。
<コモロ>(コモンズA)
コモロは、アフリカ大陸東の沖合、マダガスカル島の北に位置し、モザンビーク海峡北部の4島から成る。
1975年、フランス領から独立。東京都とほぼ同じ面積である。
<マダガスカル>(コモンズD)
マダガスカルはアフリカ大陸の南東、約400㎞のインド洋上に浮かぶ日本の約1.6倍の面積をもつ島国で、数千種類もの動物が生息している。
かつては大陸と陸続きだったが、やがて大陸と分裂し孤島となった為、固有の動植物が残され進化した。
〝星の王子さま”に登場するユニークな形のバオバブの巨木や固有種のワオキツネザル、ホウシャガメ、パンサーカメレオンなど多様である。
なかでも、インドリなど、奇妙な動物に出会うこともできる。
インドリ(体長60〜70cmの大型のキツネザルの仲間)
ホウシャガメ
未来の都市 Pav. の「Society 5.0が目指す未来」 ~大阪関西万博 62
「未来の都市」パビリオンは、博覧会協会と12者の企業・団体が共同出展している。
Society 5.0・目指す未来の都市=経済発展と社会課題の解決を両立する、「幸せの都市へ」がテーマだ。
エントランスでは、地球の誕生から、AIやIoTといった先端技術を活用する「Society 5.0」による幸せな社会へと向かう歴史を、タイムラプスで描いている。
ゴーギャンが夢見た幸せの島はどこにあるのか。
120人が一度に入場できるシアター型の「Mirai Theater(ミライシアター)」では、端末を操作してナビゲーターと一緒に未来の課題に挑戦する。
出展企業による未来社会への提案が続く。
次世代モビリティの紹介。
利用者は出発地に迎えに来たキャビンに乗り込むだけ。
キャビンが各モビリティを自動で乗り継ぎ、目的地までたどり着けるという、未来の公共交通システム「ALICE SYSTEM(アリスシステム)」。
四足歩行ロボット。乗りこなすのも大変そう。
農業ロボットも更に進化。
長さ約4m、高さ約3mの「ウインドハンター」の模型に向かって、来場者がうちわで風を起こすとシミュレーション航海がスタート。
その風を使って、帆が回転したり、縮小したりして航行する。
ポルトガル Pav. の「海、青の対話」 ~大阪関西万博 61
ポルトガルは日本と同じように海の国であり、大航海時代にはカラベル船を始めとする美しい帆船で世界の海を巡った。
ポルトガル・パビリオンの設計者の隈研吾氏は「海という存在自体が感じられる海のパビリオン」を念頭に大航海時代の帆船の重要な道具のひとつであったロープを用いて、海という自然自体を身体感覚として実感できることを考えた。
ロープの間を吹き抜ける風とそのロープによって透過と反射を繰り返す光により、動き続け、振動し続ける。
隈研吾氏は「シグネチャーパビリオン EARTH MART」「マレーシア」「カタール」も設計している。
1543年、ポルトガル人が鹿児島県の種子島に漂着して以来、両国の歴史的な交流が始まった。
ポルトガルとの交流の跡は日本語に残っている。
たとえばパン(pão)、タバコ(tabaco)、カステラ(pão-de-ló)、「金平糖」(confeito)といった言葉もポルトガル語がルーツである。
地球上の生命の約8割が棲む海洋は、その生態系の6割が損なわれており、早急な対策が必要とされている。
持続可能な海洋資源の管理の必要性を訴えかける。