PAC3って何ですか? アメリカ製の迎撃ミサイル”パトリオット”のことですか? 日本語にすれば「愛国者」ですか。いかにも日本の為政者が好きそうな言葉です。 何ですか?PAC3で北朝鮮の弾道ミサイルを撃ち落そうというのですか?金正日がいうように、もしかして本当に人工衛星かもしれない。3段構造になっているテポドンの写真が新聞に掲載されていましたが、これだけではミサイルか人工衛星打ち上げ用のロケットかは定かではないようです。でも実際は弾道ミサイルそのものを打ち落とすというのではなく、切り離された推進用のロケットか、打ち上げが予定どおりの軌道を飛ばずに、途中で爆発したりして本体が落下してくる来るような場合、落下物をそのまま落下させずに迎撃ミサイルで打ち落として、被害を少なくしようということのようです。 しかし、そんなことが実際に可能だと思いますか?自衛隊は本当に打ち落とせると信じているのでしょうか。 確かにアメリカは何度も実験を繰り返して、まぐれで?迎撃できたこともあったようです。かってのイランかイラクのスカッドミサイルのようなものなら十分打ち落とせるでしょうが、それよりもはるかに進んでいる?と思われる北朝鮮の弾道ミサイルを打ち落とせると信じているのでしょうか?個人的に物理的にそれを証明できるわけではないですが、素人の勘として、それはほとんど不可能だと思っています。ミサイル迎撃システムそれ自体が壮大なお金の無駄と思っています。金が余って使い道がないという国ならそういう実験に大金をつぎ込んでもいいでしょうが、今はどこの国でもそんな余裕はないはずです。ましてや順調に飛んでくるミサイルでさえその軌道を読んで打ち落とすことが難しいのに、どのように落ちてくるか分からない落下物を打ち落とせるのでしょうか? でも、そんなことはどうでもいいことです。問題はそれよりも、現在の日本のこれ幸いとでも言わんばかりの過激、かつ過剰な反応、対応です。自衛隊の移動や設備の設置にも多額のお金が必要でしょうし、まるで待ってましたとでも言わんばかりの自衛隊の”張り切りよう”に違和感を覚えます。今までの災害復旧要員としてではなく、その本来の目的のために、つまり軍事力を行使するために前面に出る機会を与えられ、喜び勇んでいるのでしょうか。そして、それをおかしい、やりすぎではないかと思わない風潮を感じるのですが、それでいいのでしょうか。ソマリア沖への海上自衛隊の派遣もそうですし、全ては既成事実先行で、まず軍事行動ありきみたいな政治の動き、何が何でも日本を専守防衛から、対外的に軍事行動ができるように、平和への箍(たが)やしがらみからの脱出を図ろうとしているようにしか考えられません。現状を非常に危惧します。日本だけではないですか、こんなにはしゃいでいるように感じるのは。まるで、今回の北朝鮮の行動を待ってましたといわんばかりの政府と自衛隊の行動は常軌を逸しているとしか思えません。
3月の16日でしたか、ソウルでのことです。ソウルタワーからの帰りに市内を走っているバスに乗ってみることにしました。南山から市内を回り、明洞に行ってみようと思っただけなのですが、乗ったバスは「南山2」の循環バス。乗客は我々二人だけ、乗り込む前にパンフレットを見せて、ここに行くかどうか身振り手振りで聞いてみたところ、何とか行ける様な感じだったので乗り込みました。運転手のおじさんはまったく日本語は分からないようでした。動き出してすぐに止まりました。
そのときけたたましいサイレンが、まるで空襲警報みたいなサイレンが鳴り響きました。しかも長いです。なかなか止まりません。その後サイレンは止まりましたが、バスは止まったままです。運転手は身振り手振りで何故止まっているのか説明してくれました。そのように思われました。彼のジェスチャーから我々が理解したことは「地下道かトンネルみたいなところで大きな事故があり、車3台の交通事故みたいなものがあり、かなり重大な事故のためソウル市内に注意を促し、サイレンを鳴らしたのかな」というものです。待つこと15分。またけたたましいサイレンが鳴って、今回はそう長くはなかった、バスはようやく動き出しました。
次の日現地ガイドの沈(シン)さんに、昨日のことを話したら、我々の理解は全く頓珍漢なものであることが分かりました。笑ってしまいました。皆さんは何だと思いますか。そうなのです、全国的に行われる避難訓練、防空訓練だというのです。北朝鮮が韓国に攻めてきたことを想定しているようです。そうなのです。韓国と北朝鮮は北緯38度線を挟んでいまだに戦争状態なのです。ですが、今はたまたま戦闘がないということ、休戦状態なのです。ずーと休戦状態が継続しているわけです。38度線が停戦ラインとなっているわけです。それで、以前は月に1回定期的に防空避難訓練を実施していたそうですが、それがマンネリ化してしまったため、いまでは不定期に、いつ実施されるか知らせずに訓練を実施するようになったということです。その意味ではとても貴重な体験をさせてもらったわけですが、訓練はあまりまじめには行われていないということです。確かにバスは止まりましたが、自家用車等は(ゆっくり?)走っていました。緊張感、緊迫感は感じられませんでした。
で、その運転手さんですが、市街地に入ってきて、バスも乗客で席は埋まっていたのですが、我々に向って運転しながら「次のバス停で降りて、道路を渡って左側に行け」というようなことをいうのです。大きな声で一生懸命教えてくれました、何とか分かって欲しいという気持ちがはっきりと伝わってきました。ありがたいことです。それで、教えられたバス停で降り、舗道を歩いて前に進みます。変な言い方ですね、舗道を前に歩いていると、後方から渋滞のためゆっくり動いているバスのクラクションが聞こえます。そうなのです、あの運転手がクラクションを鳴らしながら、そこを真直ぐ行って、次を左に曲がるんだというようなことを腕を使って教えてくれたのです。それはバスが我々を追い越すまで続きました。いやはやナント親切な運転手でしょう。天晴れです。それだけ我々が心配だったのでしょうか。ここまでしてもらって悪い気はしません。感謝感謝です。こういう素晴らしい観光親善を地で行った運転手もいたことを知ってもらいたいと思います。
その頃ですか、韓国では米韓合同の軍事演習が行われていました。それが北朝鮮を刺激していたことは確かです。だからこそ何が何でも北がいう「人工衛星」を打ち上げるんだと躍起になっていたのでしょう。
韓国よりも日本のほうがはるかに過剰な反応をしているとしか思われません。それが意識的になされているとしか考えられないのが嫌~なところです。