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速報・ブルキナファソで外国人誘拐事件発生

2015-04-06 07:30:20 | アフリカ情勢
現地時間の4日、ブルキナファソ北部のマンガン鉱山探査現場で、鉱山会社の外国人関係者が誘拐される事件が発生した。

Enlèvement d’un Occidental au Burkina Faso: la traque s’organise(フランス国際ラジオ放送(RFI))


記事による事件概要を見てみよう。

事件は現地時間4日、白昼の10時半ころ、ブルキナファソ最北部、マリ、ニジェール国境に近いタンバオ付近で発生。憲兵隊による警護を擁する車列での移動中、実行犯5名程度が襲撃。誘拐されたのは、車列中ただ一人の外国人だったルーマニア人で、英国系鉱山会社'Pan African Minerals'社の安全対策コンサルタント。護衛の憲兵隊と交戦となり、憲兵隊員や運転手も負傷した。

人質と誘拐犯の行方はまだ分かっていない。これまでのところ、犯行声明は出されていないが、事件は周到に用意されたものとみられている。

ブルキナファソ当局は直ちに対策、追跡本部を設置。治安維持に必要な措置をとりっだとして、国民に冷静を呼びかけている。また関係国は捜査と国境強化のための連絡調整をを新たにしている。



人質や誘拐がかつて繰り返されてきたサヘル地域。その事件の舞台は主にニジェール、マリの北部などであった。

今回の事件現場はブルキナファソ領内、最北部、タンバオ。国境を越えれば、この手の事件が警戒されるニジェールのディラベリ、またマリの北部勢力の要衝拠点、ガオを控える。この1月には襲撃事件も発生し、関係者が一時避難した。そういうことで、この地域はそもそも外国人コミュニティも渡航を見合わせてきた場所だ。

そうはいってもブルキナファソ領内では今回、初めての人質誘拐事件。政変に揺れたブルキナファソ、当局にとってはショックな出来事である。


事件が発生したタンバオはブルキナファソ最後の秘宝と言われる高品位のマンガンを擁する鉱山がある。マンガンは電池や合金に使われるほか、製鉄の際に主に必要とされる。

ブルキナファソのマンガンは、その埋蔵量と品位から国際的な鉱山関係者がこれまでも高い関心を寄せてきた。だが、いまもまだ採掘は行われていない。インフラ、特に鉄道インフラの不在が開発を遅らせてきたからだ。ブレーズ・コンパオレ前政権も、この最後の秘宝を出し惜しんだ。魅力をチラつかせ、譲歩を引き出そうと使ってきた。特に鉄道線建設、首都ワガドゥグからカヤまでの既存線リハビリ(※現況、休止線)、そこから先、ドリまでの建設が常に交換条件だった。今回もその例に漏れない。


昨年10月の政権交代劇、その余韻。そして今年10月までの国民和解と民主化プロセスに揺れるブルキナファソ。今回の事件はある程度、想定リスクの範囲内のものであるが、今後この国がテロリストの新たなターゲットとならないために、この移行プロセスを着実に進め、またその間も力の真空を作らないことがキーとなる。暫定政権への新たな課題である。

(おわり)

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