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【悲報】250フラン硬貨は通じません(後編)〜集中講義「フランCFAのお話」番外編

2016-09-30 07:30:03 | ぶらぶらアフリカ論
西アフリカ仏族にとってあまりに身近で親密な通貨、フランセーファー(FCFA)。中でも日常取引で頻出する硬貨はとても大事。しかしそのうち250フラン通貨がコートジボワールでは通じなくなっているというではないかっ!・・というのが前回までのあらすじ。

まだの方はこちらをどうぞ↓
【悲報】250フラン硬貨は通じません(前編)〜集中講義「フランCFAのお話」番外編

(politikafrique.comより)


そうしたところ、先日、地元メディアに気になる記事が掲載されていた。

250フラン硬貨: アビジャンではもういらない!
Pièce de 250 F CFA : on n’en veut plus à Abidjan!

(politikafrique.com)

いわく。

250フラン硬貨は日常の商取引にとってとても便利な硬貨。にもかかわらず今、流通の危機にある。

以前、「すり減った」250フラン硬貨が恒常化し、いったいいくらの硬貨か読めないくらいのものもあった。人々は受け取りをためらった。しかし今では硬貨の状態に関わらず、理由なき受け取り拒否が恒常化しているという。一度手にしてしまうと、もう二度と天下の回りものにならない硬貨。

「一度手にしたら、もう誰も受け取ってくれないもん。」
「使えない250フランが手元に溜まっちゃったよ。」

9月19日、西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)、公式に声明を発表。「250フラン通貨は現在でも正式な通貨であり、西アフリカ通貨同盟加盟国の領域において有効である。日常取引において通常どおりし使用されるべきだ。」しかし事態は好転していない。(以下略)


さながら250フランを巡る国家規模のババ抜きである。確かに昔は頻繁に見かけた250フラン硬貨。今はなかなか回ってこない。そこでンボテはイボワリアンに捜査協力を求めた。「250フラン通貨、見つけたら500プランで買い取ります。」・・・一週間たった今、まだ250フラン通貨とはお会いできていない。

この話をすると、長くこの地域に関わっている方は思い出す、いつかみたデジャブ。・・・そう、2,500フラン紙幣である。

(2,500フラン紙幣、BCEAOウェブサイトより)



かつて存在したこの紙幣もも、いつしか人々が受け取りを拒否したことから、ついには廃止に追い込まれた。いや、新札発券とともに2,000フランと5,000フランに姿を変えた、との説明も。'25・・'で始まる額面なだけに、どうしても過去を重ねてみてしまう。250フランも消えゆく運命なのか。

2000円札しかり、通貨は信用の上に成り立つもの。ババ抜きが始まれば、ジョーカーは市場から駆逐される。

そんなふうに思っていたら、先の記事はこう結んでいた。

この話、250フラン通貨だけにとどまるのか。マーケットの関係者は、200フランや500フランも拒否する傾向があると指摘する。硬貨の金色の部分が剥離、薄化していることを嫌っているという。

お金は天下の回り物。回らなくなってしまったら、お金ではない。小銭であっても、通貨は信用で成り立っている。そのことを改めて教えてくれるコイン問題だ。

(おわり)

過去ログ「集中講義FCFAのお話」
第一話 14カ国の共通通貨
第二話 固定レートはネオ植民地主義?!
第三話 紛糾の財相サミット
第四話 新しい通貨は成立するか?
第五話 番外編 あなたの国のセーファー記号は?!
第六話 さらに番外編・中部CEMACセーファーのお国柄

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