ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

ブルキナファソ、クーデター策動を阻止〜くすぶるコンパオレ派

2016-10-23 07:30:02 | アフリカ情勢
最近の動向から再びなにやら異変が起きそうな様子が気になってきたブルキナファソ。ンボテブログでも取り上げたいと思いながら、時間ばかりが経過してしまったところ、目にした記事が、クーデター策略阻止のニュース。当地21日夕刻に飛び込んできたニュースだ。

(コシアム宮が近いワガ2000地区)


複数ソースによれば、事件の経緯はこんなところだ。

21日、シモン・コンパオレ内務大臣は会見で、約30人のブルキナファソ元国軍下士官及び兵員が、10月8日、クリスチャン・カボレ政権の転覆の企てを策動していた、と発表した。

主導はガスタン・クリバリー准尉、カリーファ・ゼブロ曹長、イッサカ・イェレム一等兵(いずれも除隊当時)。下士官らは全員がブレーズ・コンパオレ前大統領の警護隊(Régiment de sécurité présidentielle: RSP)元所属で、標的は憲兵隊駐屯地、拘置所、武器庫。最終的にコシアム宮、つまり大統領官邸を襲撃し、政権を奪取する計画にあったという。クリバリー准尉は逃走している。

策略は8日夜、ワガドゥグ南方に位置するナズィノン橋のチェックポイントで、憲兵隊が不審な動きをする4名を発見。事情聴取のためガーナ国境に近いポ(Pô)に移送中、憲兵隊の武器を奪取しようとする行動に出た。もみ合いの中、不審者2名が死亡、憲兵隊も腹部を被弾し、のち死亡した。

内務大臣の発表では、クーデターの策略につながる情報には触れられていないが、元下士官らには企てが失敗した場合、すべての駐屯地の兵士が武器を取り、騒乱を起こすべしとの「プランB」があった、と述べている。

この策略に関わったとされる10名の兵士がワガドゥグの軍事検察局に送検、20数名が拘置。トータルで42名が事情聴取を受け、うち10名は文民だった。首謀のクリバリー准尉は騒乱罪、国家反逆剤などの咎で一斉捜索がかけられている。

クリバリー准尉は、コンパオレ大統領が「国民革命」でポストを追われた当時の2014年10月31日に、軍を去っている。カラシニコフ小銃と弾倉を所持していた。



ブルキナファソでは昨年9月17日にもクーデターを策略し、未遂に終わった。首謀はジルベール・ディエンデレ将官、これもまた元RSP警護隊長だった。企ては世論の前に失敗した。

そしてこの時は元外務大臣バソレ氏と、コートジボワールの現国民議会議長、ギョーム・ソロのただならぬつながりが取りだたされた。

コートジボワールとブルキナファソの不穏な関係~ソロとジダ
第一話
第二話

今回、内務大臣が標的とされた施設としてあげているひとつに拘置所がある。ここには昨年と2015年9月のクーデター未遂犯の同志たちが拘留されている。その解放もひとつの襲撃目標だったと報じられている。


今回の事件の真相については深くは語られていない。今までの情報だけでは、真偽のほどについてもまだよくわからない。

しかし間違えないことは、旧コンパオレ派、特にRSPが未だに何らかの策略を起こす可能性があったと当局が警戒していること。そしてブルキナファソのアキレス腱であり、最大のリスクであった政軍関係についても、今なお影を落としているということだ。

この辺の話はわがコートジボワールの歴史と政局にも関係する。また改めて述べてみたい。


いずれにせよ穏やかでない話は続く。サヘル地域がガタつくことはテロ勢力伸張のトレンドとの関係でも好ましくない。最後はブルキナファソの国名が指す意味内容のとおり、「高潔な人々の国」であることを祈らざるにはいられない。

(おわり)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。