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次のターゲットはブッシュ元米大統領〜国際刑事裁判所をめぐる動き

2016-11-16 07:30:58 | アフリカ情勢
アフリカ諸国から多くの批判にさらされ、脱退に向けた動きが相次ぐ国際刑事司法裁判所。なぜアフリカ人ばかりが訴追され、公判を受けるのか?先日、そんな動きをご紹介した。

国際刑事裁判所、アフリカ諸国の脱退ドミノ?〜アフリカの犯罪をアフリカで裁けるか?(7)

そんな中、今年の5月、6月頃からちらほらと報じられているのがこちらの問題。先日、当地コートジボワール地元紙もこの記事をキャリーした。

バグボの後は〜国際刑事裁判所、ブッシュ訴追か(ivoirematin.com)

バグボとは当国の元大統領ローラン・バグボ氏。現在国際刑事裁判所で公判中の身。その次のターゲットは元米大統領、ジョージ・ブッシュだ、というのが記事の内容。

記事は国際刑事裁判所のファトゥ・ベンソーダ判事の発言として伝えている。2003〜2004年、ブッシュ政権下の米軍及び米国情報局(CIA)がアフガニスタンにおいて戦争に対する罪、人道に対する罪に値する行為を働いたとして、ブッシュ元大統領を訴追する意向である、というものだ。特に米当局が行なった捕虜に対する拷問、水攻めによる尋問などが罪状に当たるほか、タリバン、アフガニスタン政府当局も訴追の対象となることが示唆されている。

「(この容疑には)信頼に足る証拠があり、一度判事が要請すれば、捜査が始まることになる」とある。その根拠となるのが年次報告書。予備的捜査の結果によれば、少なくとも米軍により61人、CIAにより少なくとも27人の捕虜が拷問や残忍な扱いを受け、人間の尊厳を傷つけられたという。

報告書では、「米当局は機密情報を入手するために、政治的意図によってかかる非人道行為を適用した」とされ、中でも水攻めによる尋問の残虐性を指摘している。水攻めは9.11後の「テロとの戦い」において、ブッシュ政権が「改善された尋問手段」として援用されてきたとされる。米政府は身体を損傷しない限りは拷問には当たらず、ジュネーヴ条約に違反しないとの立場にあった。その後、オバマ大統領はこれを全面的に禁止した。


国際刑事裁判所のあり方をめぐるアフリカ諸国の昨今の激しい反発に鑑みると、あまりにタイムリーだ。ちなみにアメリカはローマ議定書の締約国であるが、批准をしていない。他方このような蛮行はポーランド、ルーマニア、リトアニアなど国際刑事裁判所の設立に関するローマ議定書批准国でも行われた、とされている。果たして米国を訴追できるのか?

時折しも米大統領選挙で、ブッシュに次ぐ共和党政権となるトランプ氏が当選を果たしたタイミング。同氏は選挙キャンペーンの中で「正義のために妥当な手法だ」と述べたと聞く。顛末はいかに?

(おわり)

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