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アンゴラとコンゴ民主共和国の微妙な関係(1)〜大量のコンゴ難民が強制帰還

2018-10-30 07:30:00 | アフリカ情勢
アンゴラとコンゴ民主共和国。二つの隣り合ったアフリカの大国には、長く深い関係と、そしてしがらみがある。

10月に入り、アンゴラから大量の難民 ー その大多数がコンゴ民主共和国からの避難民だが ー が、アンゴラを追われ、コンゴに「強制送還」される事態が発生してきた。3万人、5万人・・・その数字は日に日に拡大し、20日には累計38万人にまでのぼった。

(アンゴラからの強制送還の様子を伝えるフランス国際ラジオ放送(RFI)ウェブサイト)


舞台の現場は、両国国境を海岸線からずっと内陸に進めていった先、アンゴラ領のドゥンド(Dundo)という町の付近。コンゴ側ではカサイと呼ばれる地方だ。

(事件の現場はこちら)


アンゴラ政府は「ほとんどの移民は自主的に帰還をしている。」と声明。対するコンゴ政府は「アンゴラは長く兄弟関係でやってきた隣国。その経緯を差し置いて、このような強制帰還を強行することは、両国関係に悖る。極めて遺憾。」と強く反発した。いったい、かの地で何が起きているのか。


アンゴラ政府は、今月初め頃から「透明化」作戦(Opération "Transparence")を展開している。というのもこの地域、長くダイアモンドの埋蔵が確認されてきた。しかしこれまで、許可に基づかない、手掘りの採掘が無秩序に続けられてきた。そこに従事する多くの者がコンゴからの違法移民だ。中には、10年以上にわたってアンゴラ領内で違法採掘を行なっていた移民もいる。

アンゴラ政府は、ルレンソ政権の新政策もと、この違法採掘と、不法移民の問題に直接メスを入れ、ダイヤモンド採掘の「正常化」と「産業化」を進めたい意向。これが「透明化作戦」の意図だ。作戦は、大統領警護隊を指揮するペドロ・セバスチャン国務大臣が陣頭に立つ。同地域では時価数億円相当のダイヤモンド塊が発見されたあと。アンゴラ当局によれば231ヶ所の違法採掘サイトがすでに閉鎖され、59ヶ所では武器も発見されたという。

アンゴラ政府は「この作戦は移民への敵対心(xénophobie)から行なっている措置ではない。強制的な方法は取っていない。」と説明する。しかし国境を越えて帰還してきた移民たちは「暴力により追い出された。」と証言する。コンゴ側国境では、行き場を失った「帰還移民」が殺到。老人、子供、女性なども多く含まれ、収容施設、衛生状況、食糧、保護など、人道危機的状況が発生している。人道機関が、急遽支援を展開している。

事態はさらに複雑だ。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、「これら避難民の中にはアンゴラ側において庇護されるべき正当な難民も含まれる。」と警告した。というのもつい昨年、コンゴ側のカサイ地方では暴力的衝突が相次いできた。そして約35,000人の「難民」がアンゴラ側に難民として逃れているのだ。かれらの中には、現状、コンゴ国籍を証明するものも、難民のステイタスを証明するものもない状況に置かれている人々が含まれている。文字どおり行き場がない。

アンゴラの首都、ルアンダにある国際移住機関(OIM)によれば、「アンゴラ当局は難民について送還の措置を取ることはもともと考えておらず、再度アンゴラ側での受け入れを行う用意がある。」とのべている。しかしこのような状況で、現場では、難民と移民の区別は非常に難しい。


アンゴラとコンゴ(民)。冒頭で述べたように、深く、長い関係がある。ルレンソ政権にあって、その関係が若干動き出したように見える。今回のコンゴ移民の「強制送還」作戦は、そのひとつの現われといえるのだろうか。


そういった中、また新たなコンゴとアンゴラの関係を物語るニュースが報じられた。

(つづく)


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