ぶらぶら★アフリック

アフリカ・プロモーター、ンボテ★飯村がお送りする100%アフリカ仏族ぶらぶらトーク!

コンゴ民主共和国、こんどは選挙管理委員会で火事・・・大統領選挙目前の惨事は事故か?謀略か?

2018-12-14 09:30:00 | アフリカ情勢
12月13日未明、コンゴ民主共和国の首都キンシャサ中心部に位置する選挙管理委員会から出火。中央倉庫を消失する火事が発生した。火災は数時間にわたって延焼を続け、明け方に鎮火。しかし厚い層の煙が現場を包み続けていた。

(RFIソニア・ロレイ記者ツイッターより)


この倉庫には、10日後に迫った大統領選挙のための資機材が保管されていた。その中には疑惑の「マシナボテ」、8000台の自動投票機をはじめ、機械を動かす太陽光発電セット、バッテリー、それに投票箱などが含まれる。

スタジアムに響く「マシナボテ〜!」・・・コンゴ大統領選挙を理解するキーワード

アンリ・モヴァ内務大臣は一夜明けて現場を視察、「(選挙実施を目前に)極めて大きな損害が確認された。」と述べた。全24コミューンのうち、19コミューン分の資機材が灰と化したという。そして「2時半から2時50分頃にかけて、2ヶ所で同時に出火を確認しており、放火の可能性が高い。」とも述べている。


この火災、一体どうして発生したのだろうか。

選挙管理委員会がある位置は、キンシャサ市中心部のゴンベ地区。目抜き通りである「6月30日通り」からほど近い、街のど真ん中に位置する。選挙管理委員会は、厳重な警備アセットになっていたことは間違えない。ココロ駐屯地、軍補給所と隣接。国営テレビ局(RTNC)、大統領警護隊本部にもほど近く、なにより火災即応警官隊からも100メートルほどしか離れていない。そう簡単に夜間、人が近づける場所ではない。なぜそんな「一等地」に位置する選挙管理委員会で出火し、そして延々と延焼を続けたのか。外部から眺めていても、あまりに不自然なことが多い。

与党コンゴ共同戦線(Front commun pour le Congo:FCC)は、「選挙妨害のための計画的犯行」と、野党統一会派「ラムカ(Lamuka)」のマルタン・ファユル候補を名指しで批判した。同候補は、選挙における自動投票機の使用を認めない強硬な姿勢を示してきた。

対する野党は、与党の謀略と批判する。野党統一会派ラムカのジャン・ピエール・ベンバ元副大統領は、中立で公正な捜査を要求するとともに、「国家警察、大統領警護隊の厳重な監視があったにもかかわらず、なぜこのような火災が起きたのか。もし外部からの仕業なら、なぜなんら抵抗も示されなかったのか。」と疑問を呈する。モイーズ・カツンビ元カタンガ州知事は「主要軍施設から目と鼻の先で、いったいこんな火事が発生するだろうか。・・・与党はファユル候補の人気が日に日に高まっていることに恐怖を感じている。つまるところ、カビラ(現大統領)は選挙をやりたくないのだ。」と糾弾。

他方、野党統一会派離脱派のフェリックス・チセケディ議員は、「与党と、《もう一つの野党》の仕業」と批判。「国連ミッション(MONUSCO)のロジスティク支援を拒み続けて、この有様。自動投票機があろうとなかろうと、われわれは選挙の実施を当局に迫っていく。選挙ができない、サボタージュの言い訳を与えてはいけない。」


他方の当局は、選挙を予定通り実施する姿勢を強調。内務大臣は「独立選挙管理委員会(CENI)に緊急対策本部を設置。期日どおりの選挙実施に大勢影響はない。」と述べている。試算によれば、今次選挙で105,257台の自動投票機が韓国のメーカーより調達された。投票所総数は75,781台 、すでに9割以上の地域で自動投票機の展開を終えている。予備機が 8,476台、その多くがすでに地方に展開しているが、「キンシャサに緊急にかき集めれば、なんとか凌げる。」のだという。

(Jeune Afrique誌ウェブサイトより)


そんな中、SNSでも様々な情報が流れている。その中でも注目されるのは、この火災がすでに予告されていた、とするもの。12月6日発のあるSNSメッセージで「政府、独立選挙管理委員会は、選挙直前に、独立選挙管理委員会で火災を発生させる計画にある。」とする書き込みがすでになされていたというのだ。ツイートのスクリーンショットとともに、そんな「怪」情報も出回っている。


真偽のほどはわからない。しかし選挙直前の独立選挙管理委員会、しかも最も重要な機材の保管されている中央倉庫でみすみす火災が発生し、様々な軍事的要衝が隣接しているにもかかわらず、延々と延焼を続けたことは、いかにも不自然と考えざるを得ない。現政権謀略説に分があるように思えてしまう。

こちらの記事で以前にも書いたとおり、なんでもありのコンゴの選挙。いよいよシナリオも最終段階といったところ。果たして選挙実施まで、たどり着けるのであろうか。

(つづく)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。