甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

8月26日 キングオブコント準決勝

2011-08-31 23:10:00 | ライブ感想♪
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(2014/10/11 追記)
こちらは2011年の感想となっております。
検索で2014年の準決勝感想を読みに来られた方は、こちらのリンクへお願いいたします。
***




キングオブコント準決勝に行ってまいりました。
賞レースの準決勝に行くのは初めて。
芸人さんたちの本気がぶつかり合う、とても濃い3時間でした。
各コンビの簡単な感想、その次に全体の簡単な感想、
最後に私の一番好きなコンビへの感想という順番で書いていきます。




・大黒天:タブー
 トップでつらかったと思いますが、でもしっかりとウケていました。

・ドレッドノート:電車の譲り合い
 とってもいいバカバカしさ。こういうの結構好き。

・ブロードキャスト:幸せゲーム
 一つひとつが独立してしまっているので、全体としてのストーリーがなくて物足りなく感じちゃうなぁ

・ライス:バナナ
 もう、なんで…なんで4番なんだぁ…!
 詳しくは、一番最後に書くことにします…。

・ピカテントロプス:宝くじ
 すごく不気味。世にも奇妙な物語みたい。

・ソーセージ:付き添い
 ちょっと淡々としすぎちゃってたかなぁ。
 もうひと押しほしかったかも。

・パンサー:学食にて
 うーん…ウケていなかったわけではないのですが、結構あっさりと終わってしまった感じがしました。
 時間が迫っていて、後半バタバタしちゃっていてあまりオチが効いていなかったりも。
 あと、中盤のくだりは、待ち受けを見るのではなく着メロを鳴らす方でした。「ねぇど~して~♪」
 私の好みとしては、着メロだとけっこう間延びしてしまう気がするので、待ち受けにした方がよかったんじゃないかと思ってしまいます。

・THE GEESE:大人の階段
 もうこれは…これだけ別記事にして書いてしまおうかと思うくらい、言いたいことや思うところがたくさんありました。
 本当にすごすぎる。
 独特の世界観と表現力の中に、突如入り込んでくる変化球の下ネタ(笑)
 そして、ネタとして楽しむのと他に、私は勝手に色々と思ってしまいました。
 尾関くんが言った、「じゃあ君はずっとそこにいればいいよ」って言葉、まるで自分に言われているような気がして。
 私も、あの高佐くんと同じだ。
 怖いよと理由をつけて、大人の階段を登れない一人だ。
 このままじゃ置いていかれちゃうことは、わかっているのに。
 いつまでもここにいるわけにはいかないのに。
 一つひとつのセリフが、今の私には痛すぎた。
 このネタすごい!という感動と、今の自分にぐさぐさくるセリフと、そして妙に味わい深いオチが相まって、ネタ終わり少し泣いてしまいました。
 今回のKOC、本当に面白い人達が選ばれた結果で、とてもとても嬉しいし楽しみなのですが、
 唯一不満があるとすればここです。
 ネタ終わり、確実に行ったと思ったのに。
 なぜ、こんな素晴らしい人達を落としてしまったんだ…!
 ぜひもっと多くの方に見ていただきたかったな。

・アルコ&ピース:機種変更
 平子さんの熱演が光る光る。
 平子さんがウケすぎてて、酒井さんのセリフが聞こえなかったところがあるのがもったいないくらい。
 照明と音響をフルに使い、壮大な世界を表現(笑)

・シャカ;オヤジアイドル
 面白かったけど、ちょっと引いてしまったところもあり…(笑)

・アイロンヘッド:スーパードクター
 いいバカバカしさ。楽しいなぁ。
 途中で地図が出てくるところがとっても好き。

・ケチン・ダ・コチン:お経
 本当にいい曲で、歌ってしまいそうになる(笑)

・ジューシーズ:あだ名
 前半なかなか波に乗れず、ずーっと低空飛行が続く。
 これ結構厳しいかなぁと思ったのですが、最後にすごい勢いで巻き返し、爆笑の渦に巻き込んでいました。
 ジューシーズの魅力って、まさにこれだなぁと思ったりします。
 ちょっとあれっ?と思うところがあっても、最後に全部笑いに変える、圧倒的な勢いとハートの強さがある。

・ななめ45°:新幹線
 オンバトのチャンピオン大会でやっていたネタ。
 これ、何気に下池さんすごいなぁなんて思います。自分は目をつぶった状態で、動きをつけていかなきゃいけないわけだからね。

・銀シャリ:銀行強盗
 くだらないなー(笑)

・ニブンノゴ!:コンビニ強盗
 すごくウケていた。
 けれどこういうネタが抜けないということは、審査員の方は、やっぱりストーリー性とか、ネタ全体としての一貫性を見ているのかもしれないなと思ったりしました。

・ジャルジャル:二者面談
 すごいよなぁ、なんでこんなバカバカしい一つのテーマで押し切れるんだろう(笑)
 個人的にはあまりジャルジャルが好きではないのですが、そんな私でも笑ってしまったのだから絶対に行くだろうなと思っていました。だから結果は意外だったかも。

・ジャングルポケット:上司と部下
 客観的に見て、ばちーん勢の中で、一番決勝に近かったのはここかなと思いました。
 斎藤さん太田さんの熱演と、武山さんのとぼけた感じのギャップが好き。

・学天即:教習所
 設定とかはそんなに目新しくないのですが、二人とも演技がうまくてびっくり。
 特にツッコミのかた。
 ツッコミのセリフってよく、「何言ってんだよお前」とか「いいかげんにしろよお前」と、最後に「お前」を連発してしまう人が多くて、
 そういうのを聞いているとなんだか私はいーっとなってしまうのですが、このコンビにはそれが全然なかったので、すごく聞きやすかったです。
 ちょっと他のネタも見てみたいなぁ。

・フラミンゴ:バンドやめたい
 最初に空気がつかめないとなかなか難しいなぁということを実感。

・オテンキ:旅行代理店
 全てのボケが上滑りしちゃってる感じでした。
 なんだかこのネタを見ながら、テレビと舞台の違いを実感しちゃいました。
 この準決勝の前に、パワフルフェイスのネタ祭りで同じネタをやっていたところを見たのですが、その時はまあまあ面白いなと思っていたんです。
 でも、準決勝という場で見ると明らかに物足りなかった。
 多分、テレビは気軽にフラットな感じで見れるけれども、舞台、しかも準決勝の場となると「みんなどんなネタ見せてくれるの!」とこちらも構えてしまっている。
 そういう、がっつり入り込んで見たい場合では、やっぱり違うんだろうなぁと。
 あと、GOくんが盛大に噛んでいました。
 なぜ噛むのだ。一番セリフ少ないのに。
 もうそれも含めて逆に面白い。

・プラン9:誘拐
 これ、確かもともとはもっと長いネタですよね?
 もともとあったものを短くしたというのが感じられてしまって、このネタだけで完結していない雰囲気になってしまったような。

・がっつきたいか:狼少年
 口調推し?

・かまいたち:放課後の教室
 今回、私が一番わらったのはここです(笑)
 もうおっかしかったー!笑いすぎて苦しくなりました。
 一度オンバトで見ましたが、それでもこんなに面白いのかと。
 バカすぎる(笑)

・さらば青春の光:ファミレス
 やっぱり勝負ネタはこれかあ。
 個人的に一番好きなフレーズは、東口さんの「何が初代や!」というツッコミ。
 一番好きなボケは「前掛け取られたー」。

◎鬼ヶ島:マリオネット
 とんでもない爆発力。
 会場全体が味方となっているのをすごく感じました。
 終わった後、しばらくざわざわがおさまらなかった。確実に抜けたと思いました。

・ロッチ:乳首川次郎
 鬼ヶ島と比べてしまうと、どうしてもパワーダウンしてしまった感が否めない…まぁ、怪物とまともに比べてしまうのはどうかというのもありますが(笑)
 あと、特に後半でたたみかけていた印象もなく、ずっと一辺倒で終わってしまった感じ。

・グランジ:グリコ
 鬼ヶ島ともう少し順番が離れていた方がよかったかもしれない…。
 ただ、こんな大舞台でも、全くブレずにキャラを貫いている大さんに感動。
 だってどう見ても五明さんの方がおかしいのに、大さんの印象ばっかり残ってるんだもん。
 それで、ザ・モンスターってなに(笑)

・天竺鼠:相談所
 意味なんて求める方がおかしいよ、と言われているかのよう

・スリムクラブ:公園
 すごくウケてはいるんだけど、いまいち爆発しきらないような。
 漫才の方が向いているのかもしれないね。
 実際に小道具を出してくるより、こちらの想像に全部任せちゃう感じの方が。

・我が家:取り立て
 なんか物足りないなぁ。

・ラバーガール:忍者居酒屋
 前の二組が爆発しきらない中で、ものすごいウケていました。空気を持って行ってた。
 キャラと素を行き来する、細かいフレーズ一つひとつすごい楽しい。

・GAG少年楽団:恋愛相談
 なぜこんな下世話なネタを準決勝でやるのだ。
 どう考えても決勝じゃできないでしょ!(笑)
 ただ、すっごい面白かったです(笑)

◎2700:キリンスマッシュ
 このネタ、なに!?
 いつの間にこんなネタ作ってたの!?(笑)
 全くもって不条理だし、意味がわからないし、それでもこんなに爆笑を持って行くなんてすごすぎる。
 八十島さんは頭がおかしいんじゃないでしょうか(誉めています)
 なんかもう、未来のコントの形を見た気がします。
 タイムマシンがあって、それに乗って10年先に行ってみたら、そこで遭遇したコントって感じ。
 こんなの今の時代で、よく作ったし、観客側もよく受け入れたよね、自分も含め(笑)

・ザブングル:告白
 面白かったです。
 テレビに出つつも、こうやってネタをいい状態で仕上げて来れる人って好感を覚えます。

・エレキコミック:クリーニング屋
 出だしでやついさんが、
 「KOC、キングオブクリーニング8位です!!」(笑)

◎TKO:裏口入学
 面白かったけれど、他のコンビと比べてしまうと、ちょっとうん?って思ってしまうところも正直あり。
 ただ後半の怒涛のフレーズ推しは好きでした。


ということで、この日の全37組が終了。
決勝進出者はもう各所で報道されている通り。
私が見た2日目から受かったのは、鬼ヶ島、2700、TKOでした。
この8組の名前を見ていて、本当にすごいなぁと思いました。
ネームバリューなんて関係ない。
正真正銘、その日にウケたかどうかだ。
特に鬼ヶ島の勢いは凄かった。
有名な芸人さんたち差し置いて、自分達が一番ウケた時の気持ちよさったらないだろうなぁ。
賞レースって、すごくシビアな世界。
でもそれと同時に、すごく夢のある世界だなということを、改めて感じました。
今年のKOCは今までよりもさらに、それが感じられるメンバーでした。
コントだからこそ輝くメンバー、コントのよさを発揮してくれるメンバーばかり。
決勝が本当に楽しみです。




では、最後に改めて……
準決勝では出番が事前に公表されていないので、実際に始まってから、MCのあべちゃんの紹介で初めて知ることになりました。
あべちゃんは、特に客席の空気が重いのをわかってくれていて、始まる前に「みんな緊張してる?どうする?これからみんなで赤坂サカス行く?」なんて言って(笑)、空気をほぐそうと頑張ってくれていました。
しかしそれでも、やっぱり見る側も緊張してしまっているのがすごくわかった。自分自身もそうでしたし。
なので、これ初めのブロックの人達はキツいだろうなぁと思ってしまいました。
そうしたら、その後に紹介された初めのブロックに、ライスの名前がありました……。

なんで、なんでどうして、こんなに早い出番なんだって思ってしまいました。
こんな始めの方のブロックじゃ、笑い取れないんじゃないかって。
でも、いざネタが始まってみると。
すごく盛り上がりました。
キメなければいけないところちゃんときまっていて、拍手も来ていました。
4番目で、まだ客席もしっかり温まっていない状況だけど、でもここまで出来たんだ。
ネタの最後、「え~、以上でネタの方終了となりますが、舞台上の清掃のためしばらくお待ちください――」と言っていた関町さんも、
そしてその言葉で、バッグを広げながらひょこひょこ出てきた田所さんも、
キラキラした、眩しいくらいの笑顔でした。
例えはたから見て不利な状況でも、やりきったんだなぁっていうのがわかって。
暗転したあと、一気に力が抜けて、ちょっと泣きそうになってしまいました。
正直、もう少し出番が後の方だったらどうだったんだろうと、ずっと考えてしまいます。
それだったら、本当に決勝も夢ではなかったんじゃないかって。
でも、この出番だったからこそ感じられたこともあった気がする。
こんな大きな舞台で輝いているライスを見れたことが、本当に嬉しかった。
とても、とても誇らしかったです。
好きになってよかった。
ファンでいてよかった。

私は、賞レースに出ていない芸人さんのことを、逃げていると言うつもりはありません。
出ないという選択をしたからって、逃げているわけではないと思う。
賞レースじゃなくたって、お笑いの場はいつだって勝負だと思うから。
一つひとつの舞台は、前回はウケていても今回ウケるかどうかわからないものだから。
でもその中で、やはり賞レースが一番、ハイリスクハイリターンな場であることは間違いないと思います。
実は今回、正直なことを言わせて頂くと、ライスにはもうエントリーしないでもらいたいと思っていた時期が少しありました。
例え栄光を手にする可能性があったとしても、去年みたいにあんなにつらい思いをしてしまう可能性もあるのなら、もう出なくてもいいよ、今のままでも十分だよって。
けれど、ご本人たちはその道を選ばなかった。
彼らが決勝進出者のみなさんを見て、羨ましいと、味わいたいと思うなら、
また会いに来ると言ってくれたなら。
こちらはもう応援するしかないね。

私は今回、なかなか予選を見に行けなくて、やっと行けたのが準決勝だけでした。
その舞台は限りなく大きく、そして広くて、まるで雰囲気に飲まれてしまいそうでした。
そんな中で堂々とやりきったお二人は、とっても輝いていたと思います。
今までは3回戦で、って言っていたけど、もういいよね。
来年も、準決勝で会いましょう。










――「楽しければそれでいい」と考えた時期は、なかったんでしょうか。チュートリアルは2002年から2004年まで、ことM-1に関しては厳しい時期があった。M-1に出ないという選択肢は、なかったんですか?
徳井 あったな?
福田 あった。2004年。ちょっと投げやりになってもうて、漫才じゃ他のコンビに勝てない、もうM-1に出るのやめようかって。
――なぜ、出続けたのでしょう?
徳井 「M-1に出ない」=「逃げてる」というのが自分らのなかでどうしてもあったから。
    あそこで逃げていたら、一生、競うことから逃げていたと思います。

                                           (マンスリーよしもと 2007年2月号より)
 



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