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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

「ministock」の弱点-新潟の狭小住宅、自然素材、高気密高断熱、高耐震-

2021-03-01 20:12:09 | ministock-狭小住宅・小さい家-
ちょうど10年前に「ministock」の反対-新潟の狭小住宅、自然素材、高気密高断熱、高耐震-という記事で、ミニストックの弱点を紹介しました。

記事の概要は、省令準耐火構造に対応していないんです。対応していない理由は、私が日本人だからです。という内容の記事でした。
詳しくはオレンジ色の文字の部分をクリック(タップ)するとリンクの記事に飛ぶことができます。

そして、今日は10年ぶりにもう一つの弱点をご紹介します。
10年間隠していたわけではなくて、ちょいちょい記事にしています。

一番古いカミングアウトはいつか分かりませんが、すぐに思い出せるのはこの記事。

平気で弱点をさらす設計事務所です。

ミニストックの最大の特徴は、スーパーな高断熱住宅に比べると断熱仕様は低いけど、建物を小さくすることで冷暖房容積を小さくして(正確には換気容積を小さくして)スーパーな高断熱住宅並みの冷暖房費にしちゃってることです。

ただし、補えないことが一つだけあって、それは表面温度が上げられないこと。

表面温度の違いが皆さんの生活にどのように悪さをするのかというと、実は結構直接的な悪さで、肌で感じる体感温度に差が出てしまいます。

詳しくは↓の記事でご確認ください。
(室温+表面温度)÷2=体感温度
と思ったら、タイトルで結論を言ってるだけで、大して中身のない記事でした。
読まなくてもいいです。

改めて解説すると、体感温度って空気中の温度ばかりじゃなくて、壁や床、天井の表面温度も影響していて、上の式のように算出されるんです。

つまり、室温と表面温度の平均値なので、断熱性能が低くて表面温度が下がれば下がるほど、室温とは裏腹に体感温度が低くなるわけです。

これを実際に計算で示してみると、
30年前頃(バブルな頃の住宅)の住宅は、壁に性能の悪いグラスウールが6cm入っていれば省エネ基準に適合していました。

条件として、例えば外の気温が0℃、室温が22℃とします。
その時の壁の表面温度は20.14℃になります。

体感温度は平均値ですので、(22+20.14)÷2=21.07℃
(ただし、ほんとにムラなく室温が22℃になるかは不明です)

ミニストックの場合は、壁に超性能のいいフェノールフォームを6cm張っています。

上と同じ条件で表面温度を計算すると、
その時の表面温度は21.13℃になります。

つまり、体感温度は(22+21.13)÷2=21.57℃

最後にスーパーな断熱仕様の場合は、超性能のいいフェノールフォーム10cmに超性能のいいグラスウールを12cm使っていると仮定すると、

同様に計算した場合、表面温度は21.71℃になります。

つまり、体感温度は(22+21.71)÷2=21.86℃

という結果になりました。

一応差が出ちゃうという事実ではあるので、弱点としてお伝えしておきます。

それでは室温が高いのに底冷えする感じがあるのはなぜなんでしょう。

アイツしかいません。

30年前頃(バブルな頃の住宅)の住宅は、窓に性能の悪いペアガラスを使っていれば省エネ基準に適合していました。

上と同じ条件で表面温度を計算すると、
その時の表面温度は13.66℃になります。

つまり、体感温度は(22+13.66)÷2=17.83

こいつです。
そして、建物全体の熱損失も大きいために、お部屋の床と天井で温度ムラが発生して、底冷え感が増すっていうダブルアタックが底冷えの原因です。

もっと古いお住まいだと単板ガラスになりますが、
なんと表面温度は7.76℃になります。

つまり、体感温度は(22+7.76)÷2=14.88
もう、いくらファンヒーターガンガン炊いても暖かくはなりません。

ちなみに今時はLOW-Eのトリプルガラスが普及し始めていますが、
こちらで計算すると表面温度は19.91℃になります。

つまり、体感温度は(22+19.91)÷2=20.96
ここで気が付いちゃう人は気が付いちゃう。
トリプルガラスといえども、性能の悪いグラスウールよりも性能が悪いということ。

さらに、
準防火地域では高性能のペアガラスを使っています。
こちらは表面温度は18.82℃になります。

つまり、体感温度は(22+18.82)÷2=20.41

個人的な印象として、ここがギリギリのラインでしょうか。

もっと温度差が大きい日もあれば、風が吹けばもっと温度差が広がるので、この計算以下の体感温度になることは普通に考えられます。その辺りも含めて弱点であることをお伝えしておきますし、より高性能にしておくことは将来の備えにもなるということを付け加えておきます。

それらを踏まえたまとめとして、
ミニストックは小さいことを最大限利用して、バランスの良い住まいだなぁと改めて自画自賛しちゃうということと、
建物全体の性能が良かったとしても、部分部分で何を使っているかで不快に感じる場所も出てくるので、設計時には気を配らないといけない。
というところでしょうか。

単なる表面的な数値では推し量れないので、建築士の責任はより大きくなりますね。

おまけ
今日のハート君

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