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新潟市の住宅設計事務所ネイティブディメンションズ=狭小住宅や小さい家、構造計算、高気密高断熱が好きな建築士のブログ

【ministock-04】設計者の癖-建築家の小さな自邸-

2019-05-06 13:32:48 | ministock-04
ながーいGW、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

私は昨晩、寝る寸前にミニストック-04(つまり自邸)の構造計算を始めてしまいました。
慣れ親しんだプランということもあり、入力作業も含めて2時間程度でとりあえず計算書からNGを消しました。

今日はそこから「いかに構造を美しくするか」をテーマに修正を加えて無事終了。

振り返ると私は社会人になった24年前から毎年「自邸」を設計してました。
毎年かならず1プラン。

この作業のおかげで、現時点での自分の理想を知ることもできました。
逆を言えば、自分の成長を知ることをできるというか。

その「自邸」の設計に終止符を打ったのが10年前。
つまりミニストックが誕生したとき。

そこから10年間、私の理想は変わっていません。
成長してないわけじゃないと思います。
成長から熟成に入ったという感覚です。

よって、今までもこれからも皆様には熟成したプランをご提案していると自負しています。
自らの理想を変えない設計事務所のメリットと思ってください。

小さい家以外のプランが作れないわけじゃないですが、「これが理想じゃない」って、なんか自分にウソをついているような感覚が気持ち悪いんです。

これは設計者によって持ってる感覚が違います。
つねに「新しいこと」「今までと違うこと」にチャレンジする設計者もいます。
どれが正しいとかじゃなくて、皆さんには感性が合う設計者と出会っていただきたいなと思います。

じゃぁ、私はどんな感性の持ち主なのか。

今日は「構造編」といった感じで。
ネイティブディメンションズの基本スタイルは耐震等級2以上

ミニストック-04も耐震等級2です。

熊本地震以降、耐震等級3が必須と言われていますが、ミニストック-04を耐震等級2とした理由は?

まず、新潟県は多雪地域。
積雪を考慮して構造計算をしているので、新潟以南の県と比べると雪を考慮した設計は通常の耐震設計よりも強くなります。
実際にミニストック-04も関東などの雪の降らない地域で設計すると余裕をもって耐震等級3になります。

「雪を載せない耐震等級3の住まい」よりも「雪を載せる耐震等級2の住まい」の方が丈夫ということです。

と言っても、世の中雪を載せた状態でも耐震等級3をクリアする建物はたくさんあります。

ミニストック-04も耐震等級3にすることは可能ですが、私がこだわるのはバランス。

建物がねじれないように設計するのが「私の癖
表はミニストックの偏心率です。
建物の強さがどの程度偏っているかを示した計算結果で、建築基準法では0.3以下にすることが求められています。
それに対してミニストック-04はどの方向も0.1以下。
0.3どころの話じゃありません。

このことについて先日、構造の先生に聞いてきました。
そしたら、「同じ事を考えたことがあって、仲間内で話した時、規定値内で強くする方がいいんじゃないかった結論になった(偏心率0.3以内であれば耐震等級3にした方がいい)」とのことでしたので、私のしていることは少し違うようです。

でも、頭が固いのか、ぶれない建物に魅力を感じちゃうんです。
雪がなければ耐震等級3なんだから、その上でバランスよければ、美しい構造になるという思想です。

軒の出1.2mの屋根は、美しさだけでなく建物の耐久性も上げてくれます。

単純な基礎は、床下エアコンの空調効率を上げてくれますし、コストダウンにもつながります。
これらも含めてなんですけど、

強さとバランスの割合が5.1:4.9が一般的なところ、私の場合4.9:5.1が美しいと考えているみたいな感じでしょうか。
構造を意匠としてそのまま現しているからというのもあると思います。

っていうか、「いつも間取りよりも骨組みを先に紹介するっていう」性格が結局目立ってるような気がしなくもないゴールデンウィーク最終日でした。

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