
琉球新報の芸能担当記者、伊佐さんは簡潔によくまとめていますね。
大城立裕、幸喜良秀コンビの実験劇場の舞台をこの間、ほとんど全部観劇してきた。また国立劇場おきなわの幸喜演出の舞台もそうだ。大湾さんの謙虚さは伝統芸能の畑ですくすく成長してきた芸能者が、優れた演出家の舞台に出演して、演じることの深みに触れてきたこと、多くの学びがあったことを素直に語っている所かもしれない。
「舞踊、歌劇、組踊の3つをこなす」そんな思いを込めた三瑠の名前である。実際歌劇では主役を演じてきた。伊良波晃、冴子きょうだいにきたえられてきた大湾さんだ。小歌劇から大作歌劇まで舞台に立ってきた。
芸達者な器用さが目につくが、それは金武良章さんの創作舞踊の継承をたくされるほどの力量。一人で雑踊りというのは、『花風』以外で格別な面白さを持たないと厳しいと言えるが、大湾さんの「いちゅび小」はとても味のある手足の動きで、目を引き付ける。
間の者も得意とする。写実的で一般庶民を代表する間の者だ。そこに品格を意識している。いつもどこかきらりとする芸を見せる大湾三瑠さん、金武、安座間流の型をしっかり見せてほしい。