ああまた違う次元に行ったなあ、と。
本当に予想できない世界を作り出して連れてってくれるなあと。
ラストに流れた「Ranunculus」のPVを見ながら改めてライブを振り返った時に、PVそのものの芸術性を見てそう感じたし、
それまでのライブが壮大な予告編だったという事に気付かされる、過去と今と未来を繋ぐものになっとるんやなあと思いました。
DIR EN GREYの夏のツアー「TOUR18 WEARING HUMAN SKIN」は福岡と名古屋2daysで計3公演参加してきました。
1つのツアーで大体1本、多くても2本ですが、今回はスケジュール的にも恵まれて生まれて初めて3本行くことが出来ました。
細かな説明はもう良いだろ。
【8/28 福岡市民会館】
SE
1.詩踏み
2.Ash
3.蜷局
4.腐海
5.Phenomenon
6.Devote My Life
7.軽蔑と始まり
8.輪郭
9.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.Ranunculus
11.人間を被る
12.The inferno
13.THE III D EMPIRE
14.Beautiful Dirt
ENCOLE
15.理由
16.Values of Madness
17.THE FATAL BELIEVER
18.Revelation of mankind
19.羅刹国
【9/14 Zepp Nagoya DAY1】
SE
1.詩踏み
2.Ash
3.蜷局
4.腐海
5.輪郭
6.Devote My Life
7.軽蔑と始まり
8.Phenomenon
9.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.Ranunculus
11.人間を被る
12.THE FATAL BELIEVER
13.THE III D EMPIRE
14.Beautiful Dirt
ENCOLE
15.理由
16.Values of Madness
17.鱗
18.Revelation of mankind
19.羅刹国
【 9/15 Zepp Nagoya DAY2】
SE
1.詩踏み
2.咀嚼
3.蜷局
4.腐海
5.理由
6.Devote My Life
7.軽蔑と始まり
8.輪郭
9.THE BLOSSOMING BEELZEBUB
10.Ranunculus
11.人間を被る
12.Values of Madness
13.Ash
14.Revalation of mankind
ENCOLE
15.鼓動
16.The inferno
17.THE III D EMPIRE
18.Beautiful Dirt
19.羅刹国
ENCOLE2
20.Sustain the untruth
ツアータイトルは直訳すると「人間を被る」ですが、これ以外につけれるタイトルが無かったんだろうと思います。
元々このツアーは10th ALBUM「The Insulated World」リリースに伴うアルバムツアーだったのですが、アルバム制作が当初のスケジュールより遅れて、ツアーの合間に出す形になったので、プチ・アルバムショーケースなツアーになったんだそうです。何時もの如く彼らのライブに行くときには事前情報を仕入まず、予備知識0で行くので、アー写以外の彼らを知りません。でもあのアーティスト写真は結構衝撃でしたね。今まで黒ばっかりだった人達が白を基調にしていて、京に至っては上から下まで真っ白で狂った、でもどこか神々しい仏のようなビジュアルでした。メイクをしているバンドでフロントマンが坊主にメイクという成り立ちで違和感ないのって彼ぐらいじゃないですかね。どうでも良いことですけど、違和感がないって思う所に、バンドの芯のブレなさみたいなものを再確認させられるんです。
そんなことを思いながら1本目の福岡から。実は前日にタワレコであったニューアルバムの特典会に参加したのですが、Toshiyaが来ていて、専用のポストカードにサインをその場で買いて渡すという流れでした。数秒くらいしか話してないんですけど「ありがとね」と笑顔で返してもらいました。夢の人が目の前にいるので緊張が凄まじかったけれど。
そんな余興の後での福岡市民会館。開花心眼以来という事でした。ソールドアウトではなかったし、最後尾6~7列目位は空席でしたけど、Zepp Fukuokaが今年の12月に再開するので、これからはもうそこでライブをしていくだろうから、福岡でホールというのも最期だろうと思いながら、その場にいる事自体を楽しみながら過ごしました。
2~3本目のZepp Nagoyaに関しては、何故名古屋にしたのかというと、日程が合ってたからというのと、あとこの会場そのものに行ってみたかったという気持ちが強かったからですね。名古屋は10年ぶりだったのですが、飛行機で行ってきました。名古屋駅もかなり変わっていたし、2日間とも生憎の雨だったので、殆どホテルから出ずに過ごしました。名古屋はラーメンと味噌カツを食べたこと以外、観光もしてないですね。だから「久しぶり」感は全くありませんでした。Zepp Nagoyaは名古屋駅から15分位歩いたところにある大学やらアミューズメント施設が併設されているエリアの一角にあって、目の前に大学があるんで面白かったですよ。黒い集団が道路をを挟んだ向こうに列をなしているのはどう見えるんだろうかとか思うし(笑)
DIRのライブは基本的に映像演出を用いるのですが、今回のツアーは福岡だと10列目位で間近で見れたんですが、ホール公演だと純粋なライブというより、総合芸術に近い感触だったし、逆にスタンディングは、1日目は600番台でやた後方で見ていたんですけど、全体的に生々しくライブの側面が出てました。こうも変わるのかと思いました。特に名古屋は飢えているのかツアーファイナル地だったからか分からないんですけど、なんか東京や福岡では見れない独特な熱気や盛り上がり方がありました。だからか、京も見ていて名古屋の方が煽ってたしノッているような印象を受けました。
衣装は最新のアー写で、京は名古屋初日以外はヘッドギアのようなものを付けていたんですけど、2曲目位で脱ぎ捨ててました。福岡の時は髪が生えてて金髪でしたけど、名古屋では剃り直してました。衣装も福岡は黒スーツに白シャツ、名古屋は1日目がお坊さんのような黒服、2日目がルナフェス2018のような衣装でした。
薫も黒と銀のツートンだったのが黒と紫のツートンに変わっていて、基本アー写衣装。名古屋2日目だけ黒のロングジャケット。Dieは毎公演アー写。Toshiyaは福岡と名古屋2日目が黒のジャケ+パンツ、名古屋1日目はアー写のエスニックな和柄衣装。Shinyaは白かった。
今回は共通して「詩踏み」で始まり、選曲自体も曲順の違いはあれどほぼ統一した内容だったので、如実にその違いを楽しめました。福岡と名古屋1日目がほぼ同じ曲順で、2日目がガラッと変わってたんで、まあ曲順が変わると曲やライブの印象も変わるんで、その違いを楽しみました。でも、この3本だと、名古屋2日目が一番熱かったです。感触として。
内容的には前ツアーの「真世界」の拡張版というか、共通なものを取り入れつつ、このツアーのために用意した曲もあるって感じです。選曲も「蜷局」「THE BLOSSOMING BEELZBUB」等のあんまりやらない曲が入っていたし、「ARCHE」の曲が多かったわけです。が、面白いと思ったのは、「真世界」の時には新曲扱いだったベストアルバムの再録曲や、その時からやっていた新曲「Ranunculus」「Values of Madness」なども盛り込まれていたので、再録曲は元より、この2曲の新曲さえ定番曲位の感じで聞けたことですかね。だから今回初披露された「Devote My Life」「軽蔑と始まり」という新曲を純然に新曲として楽しめる余地がありました。「軽蔑と始まり」はmode of DSSの時に演奏された新曲ですが、骨格そのものやサビのメロは変わらず、よりアレンジが明確になった印象でした。
未発表曲とベストアルバムの再録曲、さらに「理由」の再録ヴァージョンも含めると、満遍なくいろんな年代の曲をやっているにも関わらず、それが過去を懐かしむものではなく、「真世界」の先にある「未来」の姿としか感じなかった所に、このツアーの価値があったし、アルバムは発売されていないし、薫は「まだ何も始まってない」と言っていたけど、心境的にはもうこのツアー自体が「The Insulated World」の一環だったようにと思います。丁度10年前に行われた「TOUR08 THE ROSE TRIMS AGAIN」に似ているというか。
後、「人間を被る」という曲がどんどん印象が変わってきていて、なんかこれからのライブで当面外せない曲になっていきそうな気がしたし、全体的に激しい側面が「真世界」よりも多かった内容の中で、「Ranunculus」という曲のメッセージ性や普遍性がより強く感じられて、このツアーを象徴するものになったんやないかな、と思いました。
名古屋2日目はアンコールラストの後、その「Ranunculus」の映像が流れて終わりな所を、ダブルアンコールで「今日だけは帰らずに待っといてやったぞ」の京のMCの後に「Sustain the untruth」の大合唱。さらに、「TOU19 The Insulated World」の告知およびツアーの全日程が発表され、ツアーラストらしい終演の景色がありました。たぶん、今年のツアーはこれで終わりなのかな?とも思いました。
この名古屋2日目は僕は最前で見ました。貴重な夜を最前で見れて幸福でした。まあ肋骨が半端なく痛かったけどね(笑)ありがとう。
半年ってちょっと待ちくたびれるけど、楽しみに明日を生きよう、そう思います。