DIR EN GREYの尼崎の余韻が冷めやらぬ2日後の11/20に今度はモーサムのライブでUTEROに行ってきました。
モーサム自体は最後に見たのが2015年の『Ride into HEAVEN』ツアーだったので、実に7年も待たされる事になりました。
当時、7年も待たされるなんて福岡のファンの誰もが思っていなかったと思います。僕もその1人です。
あの年はアルバムが2枚出たからツアーを2回やって、4か月ぐらいのスパンの後に7年経っていたという。
2016年に単発のライブを東京でやって以来、2017年に結成20年を迎えたにもかかわらず大きな変化もなく、2018年ごろからはイベント等で東名阪を廻る事はあっても新譜の発表もなく、それぞれメンバーの個々の活動に邁進していってました。ももさんはソロで福岡に何度も来てくれていますが、モーサムとしては東京もしくは関西しかやっておらず、このまま永久に見れる機会が無いのかと思っていた矢先のUTEROでした。特にバンド側からこのライブに関するアナウンスは無く、7年ぶりに開催することになった経緯も全く分からないまま。普通にチケットが一般発売されましたが、僕が買った時点ですでに整番は131番で、変わらず根強いファンがいることを認識させられたものです。正直7年ぶりにするという事自体が結構な事件なので、深く意味を考えず。そもそも、本当にあの3人が来るのかというドキドキ感だけでした。
あとは個人的なことですがモーサムを聞くきっかけになったのが10年ほど前付き合っていた彼女の影響で。彼女がモーサムの大ファンで、当時ガレージロックにそこまで興味の無かった自分ですが、ライブにも行ったし、音源を聞き進めてる内に好きになってしまった感じです。本格的にライブに通うようになったそれこそ2015年頃にはもう別れていたんですが、モーサムになるとその時の事を瞬間的に思い出してしまうんです。ほろ苦い記憶も込みこみで。だから、他のバンドを見に行くというのとはちょっと違う。あの頃の記憶を繰り返してしまう不思議な感覚になるんです。
そんな事を思いながら迎えた当日は雨が降りそうな曇り空。UTEROの前に珍しくできた長蛇の列に並びつつ様々な年齢層のいかつい感じのファンの方々を眺めながら入場するともうフロアは過去見たことが無い程の過密振り。チケットは当然ソールドアウト。余りの過密振りに普段何のアナウンスもしないこのUTEROのスタッフから2回も「一歩前へ」の注意がされたほどでした。
そして、予定時刻から10数分を過ぎて暗転。ステージには自然体な格好で3人が現れ、武井さんも特段奇をてらったような格好ではなく、黒インナーに黒ノースリと普通の格好。最後にももさんがギターを1音を鳴らせば、耳をつんざくような音が鳴り響き、今か今かとステージを凝視するオーディエンスから感嘆の声がもれました。そう1曲目は「未来は今」。
1.未来は今
2.HigH
3.GREEN & GOLD
4.ボルケーノラブ
5.idiot
6.FREEZE
7.RED GUITAR C'mon
8.クレイジーフォーユー
9.ロッキンルーラ
10.冷たいコード
11.ペチカ
12.マカロニ
13.凡人のロックンロール
14.You are Rock'n Roll
15.Have you ever seen the stars
16.WINDOW PAIN
17.We are lucky friends
18.hung song
ENCOLE:BIG-S
耳をつんざくようなギターのノイズと、ゴリゴリとボトムを支える重低音のベース、さらに一音一音がまるで爆竹のように重厚なドラムの連打と、7年経って丸くなるどころか、ガチガチにぶつかりあってお互いに主張しあうようなバチバチの超轟音、ギリギリの緊張感に裏打ちされたロックンロールの爆音。7年前よりさらにスケールアップしたように聞こえたその音にフロアはモーサムの演奏に酔いしれ体全体で音を刻み、7年分の溜まりに溜まったものを消化していくような快感を覚えているように見えました。3曲目でいきなり「GREEN&GOLD」が披露された時はフロアから驚きの声があがったし、「idiot」ではももさんの歌声が特にメロディアスに聞こえたし、「ロッキンルーラ」から「冷たいコード」に至ってはフロアも一斉に飛び跳ねるなど、ライブの中で爆音と轟音に支配されながらも思い思いの楽しみをしていました。
「久しぶりやね」と汗をぬぐいながらももさんから挨拶はあるも、特段7年たったからどうという話がある訳ではなく、ただいつもモーサムのスタイルで演奏メニューを進めていく3人。この日のセットリストはデビューアルバムから「SUPER NICE」までの、モーサムが打ち込みなどの要素を取り入れる前の3人時代に奏でていたガレージでロックな時代のアルバムから選曲されたものばかりというのが面白かったですね。この流れ、これが初めてじゃなくて、モーサムって勇さんがギターに転向して一時期サポートドラム入れて4人体制だったのに、ある時からまた3人体制に戻っていて、しかも去年も同じような初期の楽曲だけで構成されたツアーをやっていたんですよね。今の3人にとっては4人時代よりも、3人でがっつりやっていた頃の楽曲の方がしっくり来るというのがあるんでしょうかね。ただ、それは原点に戻った状態なのかもしれないですね。そんな事思いながら聞いていました。そんな初期の楽曲達が今の3人で演奏すると、圧倒的に技術力の差と思いますが、まるで違う楽曲に聞こえるんですよね。あとこれまで演奏されていなかった楽曲も多かったし。中盤の「ペチカ」「マカロニ」の流れも斬新だったし、一転して「凡人のロックンロール」からのメニューとファンが好きそうな曲も織り交ぜて披露してくれていました。特に終盤の「Have you ever seen the stars?」がよりドラマチックに色濃く聞こえたのは気のせいじゃないと思います。
「WINDOW PAIN」なんていう超初期の楽曲もさらっと披露しながら、ももさんが最期にこの福岡でライブをする事になった経緯を話してました。UTEROで働いていたバンドマンの知り合いがいて、その人が退職するって事で、最後に華を添えるという意味もあってモーサムでやるよと武井さんと勇さんに声を書けたらOKしてもらってライブが決まったけど、その感じの知り合いの人は本番までに退職していてしかもこの当日は所要で来れないという、一体何のために来たのかっていう話をしていて笑っていました。
「久しぶりなんで最後まで楽しんで帰ってね」というももさんの言葉の後、打ち込みの同期が入り、少しだけ趣が変わりダンサンブルな雰囲気になっていく中で「hang song」が披露されました。ここに来て空気を変えていくあたり、最後の最期まで攻めたセットリストになっていました。武井さんがトランペットを吹きならし、まさにパーティーな大盛り上がりの中で本編は終了しました。そして鳴りやまない拍手の中で再度登場した3人は、そのダンサンブルな空気のまま、さらに畳みかける様に「BIG-S」を演奏。エンドレスに終わることのない狂乱のような盛り上がりの中、最後の最期まで予測のつかない展開で、モーサムの7年越しのライブは終わりを終着に至りました。
振り返ると目の前で行われたライブの光景に全部持って行かれる程の余韻でした。過去の色んな事もひっくるめて決別する必要なんて無くて、セットでこれからもこういう事があったらそれをどこか思いながら生きて行くんだろうなと感じています。だからそういうほろ苦い事も、次いつ味わえるか分からないライブの事も含めて、自分の中の特別な一部だし、それはそれでいいのかなと思えた夜でした。最高でしたよ。ありがとうございました。
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