7/16はMERRYのLIVEに引き続き同じBe-1でDのライブに行ってきました。その名も「Wonderland Savior~太陽の歯車~」。
文字通りこの日は快晴で日差しも強く肌をジリジリと焼く暑さに耐えながら入場待ちをしていました。バンドの趣向によるんでしょうけど、会場のほぼ9割が女性で、男性は1割でした。しかもゴシックやお嬢様系の着飾った方々も多くいました。もっと言うとキャリーバッグ普通に持ってる方もいたので、多分連休を利用して遠征に来られているんでしょう。今回は開演時間も5時と早かったのでホテルに行かずにそのまま会場に直行したのかなとか思いながら並んでました。まあ、男性1割なので圧倒的孤独でしたね。10年くらい前からこの光景なのであまり気にはしていないんですが...。
SE
1.闇の国のアリス
2.Alice
3.絶望という名の魔女~She wept silently~
4.兎角國の蟹
5.秘密結社K倶楽部
6.Humanoid
7.弾丸
Drum Solo~Rhythm Session
8.Bumpy Road
9.Funny bunny!
10.Mad tea party
11.Dying messeage
12.Eveの系譜
13.Guardian
14.Woderland Savior
ENCOLE1
15.Night-ship"D"
16.黒薔薇の騎士
ENCOLE2
17.太陽を葬る日
ENCOLE3
18.HAPPY UNBIRTHDAY
事前にASAGI氏より予告されていましたが、今回のツアーも昨年から続く「アリス」コンセプトの一環で、「HAPPY UNBIRTHDAY」「MASTER KEY」と続く世界を描いています。Wonderland Savior=不思議の国の救世主というニュアンスでしょうか。今回のツアータイトルでもあり、秋に発売されるニューアルバムのタイトル、そしてそのアルバムからの表題曲もあるということでどれだけごり押ししてくるんだ...と。この言葉は文字通りアリスとその孫娘のことなんでしょうけど、「太陽の歯車」という言葉がよく意味が分かるようで分からんのですよ。そもそも「太陽」というのが何を指していて、その「歯車」が何なのか、それがアリス達なのか、それとも別の意味なのか、そこは分からないままです。まあ、アルバムを聞いたときに分かる...はず?
福岡でツアー初日って中々ないと思うし、僕もこのライブが所謂「ツアー初日」を経験した初めての日になりました。だからなのか、選曲も分からないしメンバーも心なしか初日ならではっていう独特の緊張感を伴っているように見えました。このコンセプトの始まりでもある「闇の国のアリス」から始まって、前回のツアーでは演奏されなかった「Alice」とコンセプトに沿った楽曲が披露されていきますが、世界初披露となった新曲が2曲ありました。
1曲が「秘密結社K倶楽部」。発表された時点で感じていたのはこんなタイトルつけられるのはASAGIさんだけだということです。しかもKって蟹で、倶楽部もcrabで蟹なんですよ。秘密結社蟹蟹で「今はカニた」という衝撃的な歌詞まで飛び出すというD史上最もギャグリールスレスレの絶妙な楽曲なんじゃないかと思います。曲調もなんか刺々しいというか、ハサミで突っかかられてるような感じがするし、世界観に忠実と言えば見事に表現されたと言う他無いです。MCで「曲作りって孤独なもので、俺神経質だから結構色々引きこもったり、考え込んだりするのよ」と孤独感に苛まれる心境を吐露していましたが、どんな境地で制作していたのかも若干気になったり...。
歌詞カードにはその「蟹」と「あの人物」が登場していたりで、アリスの世界をこれまで把握している人にはさらに楽しめる作りになっています。「蟹」ってどんな姿なんだろうと思っていたんですけど、今回から新たに「スチームパンク」って要素が加わっているので、それが良い感じに混ざり合って、僕はあの姿は好きですね。機械的な世界。
あとASAGIさんのマイクスタンドがパフパフくんが付いた心拍装置みたいな形に新設されていたり、ハンドマイクもスチームパンク的な機械が備えられたものになっていました。あれは重くないのかと思いつつ、そのマイクで余程やりたかったのか子供みたいに「ちかっぱー!」「好いとうけーん!」を笑顔でやっていました。HIDE-ZOUさんがMCで滑った時には何回パフをもらえるんでしょう。そんな姿を見てほしいと言っていたASAGIさんは「ツアーに来いって言う風に聞こえる?うん、言ってる」と笑顔で応えていました。
ライブも「Humanoid」という珍しい曲が演奏され、「弾丸」が組み込まれるなど煽っていく展開。メンバーが初日だからか載せていくぞ!って気合をいつも以上に感じました。HIROKIさんはドラムソロで何度も何度も煽っていたし、弦楽器隊のオイオイコーラスも「オイオイオイ!」と新しいものに変わっていました。その流れのまま「Bumpy Road」では民族大移動が起こり、「Funny bunny!」「Mad tea party」と畳みかけ、「未来ということで、未来に向けて...」の煽りからの初聴きとなった「Dying messeage」「Eveの系譜」と続き、「Guardian」で暴れ狂うオーディエンス。福岡は「Guardian」の演奏率高いですね。セットリストを見てもらえば分かると思うんですけど、バラードが無いという熱きセットリストでした。去年のメルヘンチックで世界観重視だったあの頃とまた全然違いました。より、生身でライブをしているという感じ。
本編の最後にはもう1つの新曲「Wonderland Savior」が演奏されました。実はこの曲の前にはASAGIさんがあることをして、それを我々もすることになりますが、そこから実はもう一つメモリアルな事があるんです。でも、それ言ってしまうとツアー序盤だし面白くないんで秘密に。けれども僕らが「それ」をしている時のメンバーの顔が忘れられなくて。孤独に作り込んでいる楽曲を人前で初めて披露して、それをみんながすぐに受け入れてくれることの喜びや感謝。そう言った気持ちが表情ににじみ出ているように見えました。で、こういう景色が見れるから、またあの人たちは孤独な作業をやり続けてきたんだろうし、やり続けていくんでしょうね。実際、あの時の光景こそがこのライブのすべてだったと思っています。そんな新曲はとにかく熱い。これに尽きるし、あのタイミングでの「HIDE-ZOU」のコーラスとか、次々と目まぐるしく変わっていく展開。そしてサビでの突き抜け感と言い、これまでにありそうでなかった曲でありながら、このアリスの世界を締めくくるための濃厚な楽曲になっています。歌詞の中で「空想科学の~」って何回か歌っていて、去年までのメルヘンチックな世界から、機械的な要素が加わって、もっと現実世界風にシフトしているのかな、とも。なんとなく、夢の力が作る不思議な世界が「光」だとしたら、「秘密結社K倶楽部」に出てくる蟹のように夢も見ず何の力もなく魔女の従者となっている世界が機械で表現していて、特にK倶楽部に出てくる蟹って、何処となく現実の僕らに対するメッセージにも受け取れますね。去年の「MASTER KEY」の時みたいに...しっかり自分の意思、持ってますか?っていう。伝えたいことを角度を変えているだけで。
メンバーも言ってましたが、今日は空調が切れているのかとにかく会場が熱くて、アンコールの最中扇いでる人が結構いました。しかし、そんな暑さに負けず黒薔薇の騎士」では熱いコール&レスポンスが続き、「太陽を葬る日」ではベッドバンギングの嵐が吹き荒れていました。最後の最後「HAPPY UNBIRTHDAY」に至るまで結果的に述べ3回に渡るアンコールを繰り広げた後、お馴染み「ちかっぱー!!」「好いとうけーん!!」のやり取りで終了しました。今回はアルバムの世界に繋がる前哨戦的なところだったと思っています。アルバムの世界が今まで発表されている曲だけでも壮大すぎて、どんなアルバムになるのか想像つかないし、楽しみです。
去年に引き続き、ちゃっかりドラムスティックをGETしたので、MASTER KEYの時と併せてドラムスティックもそろえることが出来ました。何時かの機会で使ってみようと計画中です。