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OSTRICH FEATHER BOA

お前の意見は求めん。

首振りDolls『MIDNIGHT COLORS~真夜中の極彩夢~』@KIETH FLACK

2018-06-25 23:06:56 | LIVE



開演時刻約10分前に入場したキースフラックは何とも言えない熱気が充満していました。
ステージを一心に見つめる人、同伴者と談笑する人、ソファースペースでシガレットする人、バーカウンターで談笑に耽る人、、各々がそれぞれ過ごしながらそれでも今か今かと開演を待ち望んでいる姿がその佇まいからはひしひしと何かあふれ出ているように見えました。

この日は小倉のバンド「首振りDolls」の初福岡ワンマン公演。
彼らを始めてみたライブハウスはこのキースフラックでしたが、あの時はDroogとスラットバンクスの3バンドの西日本ロックンロールサミットのイベントでした。あの時も集客は結構あったけれど、その3バンドそれぞれのファンがいたはずだし、決して彼らだけのファンがあの時全員いたわけではなかったはず。それなのに1年経った現在、明らかにあの頃よりも多くのファンでキースはほぼ満員で溢れかえっていました。彼らはこのワンマンツアーを東名阪でもやってるわけで、いつの間にそこまでの影響力を持つバンドになったんだと、その浸透力と急上昇している事実に嬉しい反面驚いています。
思えば愛読紙「MASSIVE」に彼らのインタビューが載っていたりと、時代が追い付いてきたんだなと。

開演予定から10分ほどして暗転。
ステージにはVJが映し出されこのツアー用に制作された某空想特撮ドラマ風のテロップでオイルアートをモチーフにした昭和の臭いがプンプンする映像で早くもバンドの「色」を出してきました。その後お馴染みのSEが流れるのですが、なんと何時ものステージ袖ではなくJBスタイルで客席からメンバー全員が入場するスタイルで登場。員アー写でした。naoは振袖をさすりさながら花魁のように現れ、香水を客席に何度もふりかけながら鉄と紫煙の香りがする会場に彩りを加えていき、一転してドラムをたたき込んで演奏開始。

SE
1.金輪罪
2.ピンクの実
3.蜃気楼
4.赤ヰ猫
5.被害妄想
6.籠の鳥
7.白糸
8.菊の変
9.鏡地獄
10.コールガール
11.野良犬のメロディ
12.ニセモノ
13.境界線
14.切花
15.wanted baby
16.夜の衝動
17.色子
18.煙突の街
19.浮氣夜
20.悪魔と踊れ
21.サンドノイズ
22.イージーライダー
23.ロックンロール
24.月明かりの街の中で

ENCORE1
1.タイムマシーン
2.アースマンのテーマ

ENCOLE2
1.どうしようもない恋の唄

これまでのライブで殆どオープニングを飾ってきたナンバー「金輪罪」で狂乱のロックンロールは幕を開けました。最前の客は髪を振り乱し暴れまくり、バンドは畳みかける様に煽りながら「ピンクの実」「蜃気楼」とインディーズ時代の楽曲を立て続けに演奏。「赤ヰ猫」「被害妄想」と次々に演奏していくのですが、この時点でメジャーアルバムからの曲を1曲もやっていないということに気づく。聞いたことが無い曲ばかりだけど、VJの映像が楽曲ごとにフィーチャーされて世界観を堪能するのに大きな役割を果たしていました。すでにライブの内容が自分の想定以上のものになっており、彼らの気合を感じずにいられませんでした。
続く「籠の鳥」「白糸」とミッドテンポな曲へ。今までやってこなかった曲を彼らは序盤から盛り込んでいっている。単にアルバムツアーというだけの名目ではなくそれ以上の大きな何かをこのツアーに残していくつもりなんだろうと思いました。
「菊の変」ではnaoがドラムセットから離れ、菊の束を手に会場を練り歩きながら歌い上げていきます。その姿はさながら大切な人に別れを告げる1人の女性でした。最後にその菊にかぶりつき、そのまま花弁を吹きかけるという悲哀と狂気を感じるパフォーマンスもありました。

「鏡地獄」でその悲哀の流れを締めるように演奏した後はMCへ。地元ということでリラックスできている部分もあるのか、オネエ言葉はそのままにくだけたような口調で話すnao。ワンマンということもあってnao以外のメンバーも喋っていました。「男の声が小さいぞ」と話したのに聞こえなくてnaoに突っ込まれるジョニー。彼が意外といじられ役ということも分かりました。そのジョニーはKISSよろしくのビジュアルから想像もつかないクリーンボイスを披露した「コールガール」に「野良犬のメロディー」を演奏。そして再度naoから「彼がいなければ新しいアルバムは出来なかった!4人目のメンバーを呼んでいいですか!!」からの煽りで昔のジョニーのバンドのギタリストで現マネージャーでもあるRakuカワサキが呼び込まれました。Who are you?だったけれど、その佇まいからはメンバーが彼に絶対の信頼を寄せていることがよくわかりました。

ジョニーとの思い出話に花を咲かせた後は「ニセモノ」をあいさつ代わりとばかり演奏し、とうとうニューアルバムの収録曲である「境界線」を皮切りに「切花」「wanted baby」とニューアルバムの楽曲が次々に演奏。彼らのこれまでの歴史を総括するように過去の楽曲を3人体制で演奏した後に、4人体制で新しいアルバムの曲を演奏していくというスタイルは、彼らの「これから」が現れているようでした。
この後は「夜の衝動」「色子」「煙突の街」「浮氣夜」とミッド~バラードブロックが設けられていましたが、前半で演奏されたバラード曲とも色彩の違っていることと、そのクオリティの違いも肌で実感できました。
終盤にかけて「悪魔と踊れ」から爆裂ロックンロールナンバー「サンドノイズ」と続き、とうとうハイライトである「ロックンロール」へ。この曲はいつも首振りのラストの一番盛り上がるところで演奏されてきた曲。単純なリフとアレンジとメロディーのリフレインでありながら一度そのロックのグループの中にとこ込むと抜け出せない底無しの楽しさがある。ロックンロールってこんなシンプルなものでもあるんだってこと、それをこのナンバーで教えてもらった気がします。
ジャケットを脱ぎ捨てたジョニーは、中盤のギターソロでフロアに踊り出しより近い距離で観客を煽っていきました。最後の大サビに入る前にnaoがカウントに入るのですが、その度にジョニーが止めては1人1人のソロが観たくないのかー!!と絶叫しRakeカワサキ、ジョン、そしてnaoとそれぞれのソロが披露される怒涛の流れ。その勢いのままラスト「月明かりの街の中で」で本編終了。振り返ってみれば20曲越えの怒涛の本編でした。

アンコールはメンバーがグッズのTシャツに着替えて入場しましたが、ここから先の記憶はありません。というのも「タイムマシーン」「アースマンのテーマ」も楽しすぎたからそれ以上のことが思い出せないんです。
憶えているのはダブルアンコールで「福岡のロッカーに捧げます!」と言ってカバー曲「どうしようもない恋の唄」を演奏して終演したこと。naoがMCで何度かはっきりと「日本武道館へ行きたい!!」と決意表明していたことです。
彼はダブルアンコール後も独りステージに残っていましたが、必ず武道館へ行くから、信じてこれからも付いてきてくれよな!!と客席に満面の笑みで語りながら捌けていきました。

振り返れば中盤にも書きましたが単にアルバムツアーではなく、今までの彼らの歴史そのものを総括するようなライブだったと思います。そしてこの歴史があるからこそあのデビューアルバムがあること。こうやってすべてを出し切るステージを見れることでさらにワンマンへの楽しみが増えたし、過去の知らなかった曲に触れたことも貴重だったと思います。
翌日の小倉ではトリプルアンコールまでやっていました。それ位に今彼らの中には抑えきれない衝動に満ちているんだと思います。その衝動のままにイージーライダーの歌詞のように「気の向くままに どこか遠くへ」走り続けてほしいです。
ありがとう。


アカシック春の対バンツアー「赤船来航」@the Voodoo Lounge

2018-06-07 22:30:01 | LIVE

5/24はアカシックの対バンライブで1月以来となるブードゥーラウンジへ。
アカシックはそもそもライブハウスのスケジュールに載っていた名前を見たのが最初で、そのあと一時忘れていて、BEAのサイトをチェックしてる時にこのツアーの告知がされていたのを見て思い出したんだったかな。でも本当のところ一番の理由は、アー写に写っていた理姫さんが可愛かったからです。すいません。
後々調べていくと意外にお茶の間に出ていたり雑誌やネットで対談とかもされてたりタイアップもありまくりで凄いバンドなんじゃないかと思ったものでした。

だからチケットは先行予約でしっかりAの一桁台をゲットしていたのですが、こういう時に限っての仕事で開場時間に間に合わず最前で見るという夢は脆くも崩れ去りました。開演5分前に入場したブードゥーラウンジは10代~30代の女性客が多かったので、同世代の支持を受けているようでした。このライブは日本の港町を回るというコンセプトで全国4公演のみ実施されるツアーの一環。セミファイナルです。港町というより地元民の僕の中では埋立地のイメージしかないのですがコンセプトが面白かったので行ってみたいなというのもありました。
黄色い声が飛び交う中開演時刻を10分ほど過ぎて暗転。
本日の対バンである「マカロニえんぴつ」の演奏から始まりました。どういう意味のバンド名なんだ...

【マカロニえんぴつ】


この機会まで知らなかったバンドでした。1stアルバムの「CHOSYOKU」だけ聞いていたのですが、その時の第一印象は爽やかな青春ロックという印象しかありませんでした。ただ、実際に演奏を見ると、エネルギッシュに明るく笑顔を振りまきながら、のっけから明るさ全開で多彩なバリエーションの楽曲を次々と披露していきました。軽快でつんざくようなギターリフで盛り上げるロックナンバー「洗濯機と君とラヂオ」、壮大なスケールナンバー「ミスターブルースカイ」、パンキッシュなアップナンバー「夏恋センセイション」、ブレイクビーツのようなテンポを取り入れた「MUSIC」等々、1stアルバムの曲を中心にしながらも屈託のない彼らの色が全開に出たナンバーの応酬でした。バラードやミディアムテンポの曲が演奏されようとも、後ろめたさよりも、ただひたすらに前へ進んでいく明るさや前向きさといった、「陽」の印象が強く残ったステージングでした。



【アカシック】

しっとりとしたバラードから幕を開け、2曲目で「飛ばしていくぞー!!」と叫びながら、3曲目「マイラグジュアリーナイト」とアップテンポなナンバーへ連なり会場を沸かせて行きました。
メディア媒体ではグラマラスな服装や化粧で大人の色気全開なイメージの理姫さんは、黒いTシャツにワイドなストライプのロングスカートで金髪の前髪ぱっつんというビジュアルでした。MCの合間には「福岡大好き、福岡の人ともっと喋りたい」とか言いながら私を含む客席の男性3、4人位に「私のこと好き?後ろの方見えてる?私のこと好き?」とか繰り返し聞いたり、曲に合わせて飛び跳ねたり体を揺らしたりと純粋に音楽を楽しんでいる無邪気な子供のような振る舞いでした。
4曲目「邪魔」~バラードセクションを挟みつつ、後半ではステージからフロアまで下りてきて「後半戦行くぞー!!」と客を煽り、ギターの奥脇さんとベースのバンビさんも呼びこんで演奏開始しながらフロア中を動き回っていました。バンビさんが周囲を見渡した後に「意外と男背高いな」とボヤいてました。
ライブはその勢いのまま「いちかばちかやん」「CGギャル」「8ミリフィルム」とアップテンポなナンバーを次々に演奏していきました。正直ツアータイトルの意味も、彼女たちの人間性も、理姫さんの分かりそうで安易に読み解けない文学的な表現で彩られた歌詞も把握できてはいないけれど、もっとクールな人と思ってたので、客席と時に手を触れあう姿を見てて、音楽が好きなんだなっていうのと、自分を愛してくれてる人と強く繋がりを求めるピュアな人なのかなと思いました。彼女の歌詞はどれもラブソングですよね。サウンド的にはロックからポップ、アコースティック、4つ打ちにパーティーチューンと、変幻自在でありながらも、あのあどけない歌声とメロディーでアカシックたらしめている所に最大の魅力があると感じました。暗い曲ばかりではないけれど、「マカロニえんぴつ」のような明るさよりも、何かを求めあうような心境を写したその歌詞に分かり合えない寂しさを内包しているように見えて、少し「陰」を感じました。

アンコールでは夏の避暑地納涼大会のツアーのアナウンスから、「愛×Happy×クレイジー」そして「サイノロジック」と突き抜けるようにして終演となりました。「最高潮だと 伝えたい」というサビの言葉が、その時のバンドの気持ちを表してるようで耳に残りました。最後のMCは「うんこして、寝ろよ。」でした。

こんな感じでアカシック初参戦は終わりました。2バンドともに1つの音楽ジャンルに囚われない多彩さを持ちつつも、見事にバンド色に染め上げてました。似ている部分とそのバンドにしか出ない部分があったりで対比も楽しめました。とにかく愛を凄く求める方々なので、照れ臭つつも応えたくなるような、不思議な魅力を持ったバンドでした。ありがとう。