御無沙汰です。
去る11/10にvivid undress(vvun)のワンマンライブに行ってきました。
現状、最初で最後のワンマンライブ。
このライブツアーを持って活動を終了する事が公式から発表された時、正直驚きました。去年メジャーデビューして『混在ニューウェーブ』というまさに第二の初期衝動と云わんばかりの勢いに満ちたアルバムを聞いて、これから付き進んでいくだろうと思っていたからです。
公式blogには経緯がVoのkillaさんから綴られていましたが、様々な葛藤と闘争を経てきた事、そしてやり切った気持ちでもある事など、色んな想いが赤裸々に綴られていて、察するに余りある心境でした。そんな中発表されたラストツアーの初日が福岡でした。思えば、メジャーデビュー直後の去年2月に「出会えたんだ」というツアーで会って以来、去年10月に予定された『変身コンプレックス』のツアー、そして今年6月に発売されたミニアルバム『愛のゲイン』のツアーで福岡に来てくれる予定が、全てコロナでふっ飛んでしまい、やっと実現できた物語の続きが「最終章」というのは、なんて無情なんだと。福岡はずっと対バン形式で、ここに来て最初で最期のワンマンライブを飾った不思議な巡り合わせ。行きたい、行かなければならない、そんな気持ちで行ってきました。多分今年最後のキューブリック。開場前から長蛇の列が出来ていました。遠征している人もいたみたいで、この日はソールドアウトとなり、超満員でした。
SE
1.主演舞台
2.シーラカンスダンス
3.グリーン・ステップ・グリーン
4.ファンファーレ行進曲
5.夢見る2人
6.Make Magic
7.知らない
8.後悔
9.さよならジレンマ
10.感情戦争
11.ララ、バイバイ
12.シンガーソングライター
13.劣等者の逆襲
14.パラレルワ
15.ワンルームミッドナイト
ENCOLE
16.私メンヘラなんかじゃないもん
何時もSEの中笑顔で入場してくる男性陣と、少し間を置いて厳粛な面持で入場してきたkillaさん。
いつもの宇宙服みたいな白い衣装に眼の周りにメイクや装飾を飾っていて綺麗だった。
そんな彼女がギターを構え紡がれたのはまさに開幕の狼煙を告げる「主演舞台」。「さあ新しい私を始めよう」「何度だって生まれ変わる」と決意表明を歌ったこの曲を皮切りに、「シーラカンスダンス」「グリーン・ステップ・グリーン」とアッパーでエネルギッシュな曲を連発。メンバーが煽らなくても要所要所で拳が上げるオーディエンス。生で見たかったっていうのがひしひし感じられました。yu-yaさんも、syunさんも、tomokiさんも全員笑顔でアイコンタクトを交わしつつ、パフォーマンスで応え、煽ったりと、久しぶりのツアーを、そしてライブを楽しんでいるのが見て取れました。killaさんは凛とした空気を纏いつつも、時に舞うような動きを見せながら歌いつつ、「ファンファーレ行進曲」では「踊りましょ!」とハンドマイクに切り替えてダンスまで披露し早くも熱狂状態へ。
killaさんより、ライブツアーが無事に開始できた事への感謝と、Rio様から今夜は「福岡ならではの特別なセトリ」である事が告げられ、「夢見る2人」を演奏。ハンドクラップとテンポ感、サウンド感、メロディが合わさって思わず弾みたくなる疾走感溢れる楽曲。「Make Magic」では80年代のディスコ的アプロ―チでkillaさんがピースサインを殺人的な可愛さで披露。バラエティに富んだ楽曲が続き飽きる事が無い。この曲は男性陣の、特にボトムを支えながら誘導するようなベースラインと、上物で楽曲を特徴づけるキーボードの音色と、そこに有機的に絡むギターのアンサンブルが絶妙でした。ここから配信ベストに未発表曲として収録された相当レアな「知らない」、「後悔」と畳みかけ。「後悔」という暗い言葉にも関わらず、何処か突き抜けているような、その後悔を向き合っているような印象さえ感じました。
そしてライブは佳境へ。演奏されたのは「さよならジレンマ」。そこから「感情戦争」「ララ、バイバイ」「シンガーソングライター」「劣等者の逆襲」と演奏されましたが、見ていてまるでバンドの、、もっと言えばkillaさんの本質を全て出し切るかのようでした。セトリを組んだRio様の意図は分かりませんが、これらの楽曲群が、全部繋がってるというか、一つのストーリーを見てるようでした。vvunの楽曲はkillaさんの歌詞や歌が最大の特徴だと思うし、バンドサウンドはそんな歌声が最大限活かせつつもバンドというアレンジになっているのですが、その音像的な激しさに、内面を赤裸々に綴ったリリックや歌が合わさって、常にギリギリの状況の中で闘ってきた生き様や想い、核心に触れているようでした。そんな中で歌うkillaさんは、歌いながら色んな想いが駆け巡っていたためか、明らかに感極まっていました。
僕も「シンガーソングライター」では凄く感情移入しました。自分に嘘を付けない、素直でありすぎたが故に沢山傷ついてきて、思い通りに行かない、ネガティブな事に振り回され、自分に自信が持てない、そんな自分が嫌で死にたくなる。それでも前に進む事を諦めたくないっていうのを繰り返してきた。一人の歌手としての成功を夢見た原点。その想いを消す事なくこれからも歌っていく、だからバンドのボーカリストにも関わらず敢えて「シンガーソングライター」というタイトルを付けた。と、僕は勝手に解釈してるんですが、そんな想いが「心が生きたいと叫ぶから」「自分に正直でいたい」「本物になってやる」といった言葉にも表れていたと思うし、「すべて見てよ」と云わんばかりにさらけ出して歌う姿はとても輝いていました。生で見れて良かったと思うくらいsyunさんのスラップが圧巻だった「劣等者の逆襲」。さらに無条件に盛り上がれるグループが最高で大好きな「パラレルワ」と終始勢いを保ったまま、ラストはこのライブ唯一のバラード「ワンルームミッドナイト」へ。オーディエンス全員を見つめるように一言一言届けるように、そして最期は「そばにいて」と両手を広げて歌い上げるkillaさんは美しかった。
アンコールで登場した際は、一転してリラックスした雰囲気の中、「メンヘラとRAINBOWどっちが良い?」と即席挙手制のアンケートを行い、挙手が多かった「私メンヘラなんかじゃないもん」を何とそのまま演奏するというサプライズ。最後は激しくかましてアンコールを締めくくり、写真撮影を行って、全員清々しい笑顔でステージを後にし、最初で最期の福岡ワンマンライブは終演となりました。
「シンガーソングライター」で、ボロボロになりながらそれでも自分自身を信じて進む事を諦めなかった人が、「ワンルームミッドナイト」で、誰かを愛しているという言葉をしっかり伝えられる境地にまで変わった事を受け入れ認められるようになった事。line blogでの言葉を踏まえると、『君に出会うための物語』への道のりは、もうこの時から始まっていたのかもしれません...その変化を認識した上で『愛のゲイン』で「オリジナルカラー」という一つの答え、生まれた終わりの物語。
赤裸々にここまで表現するバンドって、他にいないと思うんですよ。ずっと追いかけていたのも、その音楽性と、その中のリアルな生き様に共鳴していたからな気がします。あと、メンバー内に福岡出身が2人もいるのもある(笑)。だから、ライブが始まってから、何が演奏されるのか楽しみで仕方がなかった。勿論、披露する度に終わりに向かっていく現実はあるけど、1曲でも多く音楽を共有したい気持ちが強かった。改めて自分にとって、vvunは大切なバンドの1つだったと気付きました。正直、もっと曲が聞きたかった。『愛のゲイン』の「オリジナルカラー」とか。それでも16曲って過去最多なんですけどね。
まあ、長々書きましたが、ライブは決してしんみりした空気ではなく、色々ありましたが、前向きな終わり方だったと思います。余談をすると、Rio様からは、スタッフが本当にいないので今日の物販は実の母親がされている事や、福岡ではほぼキューブリックでしかライブをやっていないので、思い入れのある場所(照明の演出が完璧だと絶賛していました)といったエピソードもあったし。
あと、ツアーでは全会場ごとにセットリストが異なる事や、公演ごとに「仕掛け」を用意して、複数公演来るアンズにも楽しんでもらえるようにしているとの事でした。福岡であれば『変身コンプレックス』の楽曲が全曲入っているのが「仕掛け」かなと察しました。冒頭と本編ラストがそのアルバムの最初と最後の楽曲だったので...のちの公演のセトリを見ても作品ごとにスポットを充てていたので合っていたのかなと思います。予定調和を好まない、まさにオリジナルカラーに拘るバンドだなと。
僕は残念ながらこのライブでvvunとの物語は終わりですが、それでも最後に出会えた事を心から感謝しています。間違いなく2021年印象に残ったライブの1つでした。さようなら、ありがとうございました。
僕が最初に知るきっかけになった曲。