先日の7/5にMO SOME TONEBENDER(以下モーサム)のライブに行ってきました。
前回は「Strange Utopia Crazy Kitchin」ツアーだったので約3年ぶりの参加です。
初めて行ったときに、あの枠に囚われないカオス感、盛り上がりが印象に残っていて、いつか予定が合えば行きたいと、ずっと思っていた。そのいつかが3年かかって実現したというところです(笑)
実を言うと、「Rise from HELL」があまりに素晴らしかったのもあるんですけど。
モーサムのライブはいつも特別な感情を抱く時間になります。
というのもそもそもこのバンドを知ったのは当時付き合っていた彼女がきっかけなんですね。
で、その子はモーサムのライブは最前線で見て、百々氏のソロライブも必ず見に行くようにような熱狂的なファンで。
もともとバンドでドラムをしていたのもあって、ガレージロックが好きだとかで、飯塚のくだりまでKING BROTHERSなるバンドのライブを泊まり込みで付き合わされた記憶がある位行動力がある人でした。まあ、自分が悪いのがきっかけで別れてしまったんですけど..。きっと「来てるんじゃないのかな」って思いながら緊張している自分がいます。
別れてしまって月日が経って、もう整理がついて未練もないのに、このバンドのライブに行くと思うと、変に物思いに耽る自分がいます。
当日の会場のVoo Doo Loungeは2010年に後藤まりこのソロライブ以来です。日中会場探しに迷って入室したらもうライブが始まってましたね。ON TIMEでスタートしてたようです。僕が入ったころにはもう始まっていました。既に盛り上がってましたね。以前来たときはもっと大きく感じましたが、今回は広いとは感じませんでした。こんな雑居ビルの1フロアでバーストなライブをやっているのも面白いと思います。
前回と百々氏と勇氏(冒頭4曲位サングラスかけてました)の立ち位置が逆転していて、ど真ん中だった武井氏は本来のベースのポジションに近い位置に並んでいて、間にドラムがやや真ん中寄りになっていて見えやすくなっていました。前回の実験的な感じよりバンドな印象を持ちました。ライブはセットリストをいちいち覚えていなんですが、とにかく熱かったなと。
「トーキョーロスト」から始まって、「ハナタラシvsワンダーボーイ」に繋がっていき、「マッドネス」などひたすらテンションの高い曲の連打でした。バラードめいた静かな曲は中盤に1曲のみ。その後も「farewell party」「ジャムパンちょうだい」「平民移民大貧民」「メタルボーイ」「ヒューマンビーイング」「ロッキンルーラ」「FEEVER」「TIGER」等など新旧織り交ぜたセットリスト。ブレイク中メンバーが、百々氏はテンション高く頭を振り乱しながら叫びまくってましたが、それ以外のメンバーの予測不能なパフォーマンスもまたこのバンドの醍醐味の一つだと思います。武井氏は「地獄へようこそ!」と叫び、「FEEVER」ではベースを外してハンドマイクで煽りまくり、フロアに躍り出てオーディエンス相手に絡んでみたり、アンコールの1曲目の「イミテイションシティ」ではレオパードのジャケットを羽織って登場して「敢えて」ネタとして作り込んだような風体で歌唱を披露するなど、以前のような遊び心みたいなものは健在でした。また勇氏のギターがうまくなったと思いました。新盤をはじめほぼすべての楽曲のギターソロは勇氏が弾きまくっていて、メロディメーカーとしての部分と、リズムギターの百々氏との差別化、役割分担みたいなものが強調されているように感じました。
ひたすらハードかつヘビーなサウンドを中心に、前回のような様々な曲調、展開を詰め込んだカオスな雰囲気よりは、より分かり易くライブバンドの面を強調している印象を受けました。非常に面白い。
アンコールで上半身裸で現れた百々氏がMCで「一昨日昨日今日と3日連続でしかもこんな熱いライブやって、とても40代のライブとは思えない」と笑いながら言ってましたが、その年齢であれだけのライブを披露してくれるのは凄いと思う。そして天国盤からの新曲を披露してくれました。個人的にはサーフロックというか...地獄盤のような激しい部分はありながらも、突き抜けていくような爽快感を感じました。そしてデビュー曲でもある「未来は今」と演奏。と、ここで終わったかと思いましたが、気迫でコールして、最後の最後にダブルアンコールに成功。僕がモーサムっぽさやガレージロックのきっかけを作ってくれた「凡人のロックンロール」で百々氏の絶叫に揺られながら、フロアもぐちゃぐちゃになって、モッシュが発生して最後の最期はやっぱりカオスになりました。これがこのバンドのライブなんだと改めて実感。
あっという間の2時間でした。彼女はいるかななんて思ってましたが、最後の最期まで姿を見ることはありませんでした。でも会ったところで話すことがないんですよね。自分でも探そうと思わなかった。結局、自分の中で踏み込みたい部分と踏み込みたくない部分が知らないうちにあるんだと思います。単純に好奇心として姿を探しても、仮に見つけて再会しても、その子とその先に行くことはないと自分ではわかっているので。爽快感や達成感と、少しのノスタルジックな感触を噛みしめがら、帰りました。一人でね笑
きっとしばらくこういう不思議な感覚はこのバンドのライブに行く限り忘れることはないんだろうけど、僕自身も彼らのライブに行きたい気持ちに変わりはないので、それを少し楽しめるようにして、また行きたいと思います。
とにかく熱い夜でした。そしてカオスでした。