去る8/7の炎天下の中、ギターウルフのライブに初めて行ってきました。
ギターウルフは「LOVEROCK」の頃から知ってはいたけれどずっと機会が無くて、今回アルバムが出てツアーでファイナル公演が福岡っていう発表でこの機会に行くかと。日程的にも日曜日で問題なかったし。
ここ2~3年でガレージロックにもハマるようになり、まったくなじみが無かった昔と違って今はある程度聞けるようになったってのも大きい。作り込んだ世界感も好きだけど、ああいう誰もがイメージしているロックンローラーを地で行くようなバンドも好きだったりする。そんな常に変わらずに同じロックンロールを歩んでいく姿は、僕の中で勝手にレミーキルミスターのような印象を持ってました。
きちんとティラノサウルス四畳半を聞き込んでUTEROまで行ってきました。もう今年はUTEROはもしかしたら最後かもしれないね。でも、ツアータイトルもそうだけど、「チラノザウルス四畳半 T-REX FROM A TINY SPACE YOJOUHAN」ってどういう意味なのよ...ぶっ飛んでる。
もう入場すると空狐3000のレコ発以上の人、人、人。ほぼソールドに近い勢いで会場は埋め尽くされていました。
【WOLF 17】
オープニングアクトとしてギターウルフのメンバーが学生服に身を包み過去の曲を披露するという主催者ならではの粋の利いた演出。ちなみにこのツアー限定らしくて次はやる機会ないんだとか。はっきり言うとアソビというかオマケの延長線な感じです。全部で5曲やってくれたけど、主催者がこうやって盛り上げるのって結構LUNA FESTでLUNACYやってたみたいで面白いですよね。「新幹線ハイテンション」だけは分かりました(笑)
【THE VOTTONES】
何気にこのバンドは見る機会が多いですね。今年は4月に2回見てこれで3回目ですよ。hotspringにしろKING BROTHERSにしろガレージ系の先輩方から相当愛されている...認められているんだろうなと思います。会場がほぼ満員な位の勢いだったのでバンド側としてもその光景に少し圧倒されていたような印象を受けました。確かに言葉は放送禁止用語連発だし皆イケメンって訳じゃない。曲そのものにメッセージ性がある訳でもないし、前向きな歌でも素敵なラブソングでもない。でも彼らの良さって凄く剥き出しなところだと思う。「PTA」「犬」「変な歌」「デベソ」「ロックンロール」など常に変わらずに、その剥き出しの自分達を出し続ける強さやエネルギーみたいなものを感じる。あの熱はこのバンドにしか出せない...そう思うステージでした。
【O菌】
50~60代位のおっさん達のバンドでした。ボーカルの人は何着持ってきたんだってくらいに曲毎にTシャツを脱ぎ捨てはまた別のTシャツを被りなおすのに下は赤いブリーフ一枚でもう変態だなと(笑)ひたすら喚き散らすようなボーカルと淡々とこなす楽器隊というよく分からない不思議なバンドでした。ボーカルの人は最前線の人にアピールするのにその格好から全力で避けられているのを面白がってネタにしていました。
【ギターウルフ】
PV同様にT-REXの被り物をつけて登場してセイジさんはその上から缶ビール飲み干してました(笑)そんな余興めいた演出のあとは「チラノサウルス四畳半」でライブがスタート。革ジャン、革パン、サングラスとロックンロールを地で行くような佇まいで、「チラノザウルス四畳半に住む~!!」って叫んでました。どういう意味なんだよと、こんな歌詞書ける時点で既にぶっ飛んでるとしか言いようがない。一度火が点いたようなステージは、バンドがアルバムの楽曲を中心に汗だくでロックンロールをかまし、観客がその爆音と絶叫に酔いしれ、どんどん右肩あがりにボルテージが上昇していき、終盤まで一度たりともその熱気が途切れることはありませんでした。途中メンバーがダイブをかましたり、ボットンズのボーカルの人が呼び込まれてギターを演奏したり、セイジさんが何度も何度も意味不明な言葉を喚き散らしながら「ロックンロール!!」と叫んだり、挙句にはアンコールで観客と一緒に4段ピラミッド作ったりと...もう演出がどうとか細かいことはどうでもよく、ロックを奏でられることの喜び、歓びを衝動と感情で表していく男たちと、それを全力で楽しむ老若男女がそこにいました。改めて思うのは、あの姿で汗だくで叫びながら狭いライブハウスで共有する時間こそが僕が堪能したかった瞬間だったということでした。あんなロックンロールって叫びながらぶっ飛んだ音楽やる人日本にもいないと思う。日本であの言葉を叫んでて違和感ないのって多分このバンドぐらいじゃないかと思います。結果3度のアンコールに応えてくれたんですが、ダブルアンコールのラストは「ハカタ大作戦」で、予定外のトリプルアンコールでは最後はセイジさんのエレキ弾き語りでの「アイラブユーOK」でした。泣いている人もいましたね。やりたいことをやりまくりながらも、観客のアンコールにも応えてちょっとしたサプライズで幕引きを図るところも、なんか愛があっていいなあと。このスタイルを変えることなく、約20年も世界を股に掛けてやること自体が凄いと思うし、その変わらない振る舞いという強さに裏打ちされた演奏。いろんなバンドが憧れるのが分かる...そんなステージングでした。
実を言うとこのライブで元彼女と再会しました。まあ挨拶程度だったんですけど、むこうは大分酔っぱらってましたけどね。今幸せなのかどうか分からないですけど多分うまくやってるんじゃないのかなって思いながら見てました。付き合ってた頃の僕はもうかなりの現実逃避者で...それを必死に修正しようとしてくれていた優しさを少し思い出していました。もうそれでかかわることは叶わぬ夢ではあるんだということをその時の素振りで感じてしまい、少しだけ切なさを抱えて帰宅した、ライブの帰路でした。