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OSTRICH FEATHER BOA

お前の意見は求めん。

ビレッジマンズストア 「正しい夜明け」リリースツアー @福岡graf

2017-01-27 21:22:11 | LIVE

ビレッジマンズストアは2016年1月のQueblickでの打首獄門同好会とバックドロップシンデレラのWレコ発のトップバッターだったバンドでした。途中からしか見れなかったんですが、極端なほどに全員真っ赤なスーツ、羽の首巻を羽織ったボーカリスト、さらに熱くもどこか歌謡曲的な叙情的なメロディもちりばめたメロディとがなり声、独特の勢いを感じたバンドでした。いつかライブに来るときはまたきちんと行きたい。そんな中での「正しい夜明け」のリリースツアーでした。
しかもDroogとポルカドットスティングレイというマイブームなバンドの3マン。会場のgrafはONTAQ以来ですが、入り口付近がすべて撤去されバーカウンターから丸見え状態になってて解放感ありました。

対バンライブはこれまで何度も見てきました。ただ、この日のライブは、そのビレッジマンスストアも含めて、互いのバンドの個性を剥き出しにぶつかり合っている、飽和状態な雰囲気がありました。盛り上げるのは当然ですが、「危機感」「挑む」という姿勢がそれぞれに色濃く出ていたように思います。
トップバッターのポルカドットスティングレイは初っ端から「テレキャスターストライプ」で盛り上げつつ、「ハルシオン」「エレクトリックパブリック」「シンクロニシカ」「新曲」「人魚」と、持ち前のカラフルな音楽性に乗せてコロコロと展開しつつ、終盤に向かって段々と深淵にはまっていくかのごとくミディアムテンポの曲を入れ込んでいました。ラストの「心ここに在らず」では絶叫したまま、放心状態で終えるという前回とはまた違った余韻を残して終了。
でもその音がポップに感じてしまう位、2番手に登場したDroogは「トリの前って一番盛り上げてつないでいかないといけないからよろしく!」というMCにもあったように、前月のワンマンの時の福岡での「ホーム」な雰囲気と打って変わって「アウェイ」の中に挑むような鬼気迫る演奏、フロントマンが身を乗り出してステージ上を客に乗せられながら歌いまくる等、ポルカドットスティングレイには申し訳ないんですが、その熱や勢いの度合いが雲泥の差でした。それによって客席の熱気が高まっていくのを感じていました。「命題」でスタートした演奏は「TOKYO SUBMALINE」「ロックンロール以外全部嘘」や「LOVE SONG」等ひたすらアッパーな曲で突っ走って、見事にラストのビレッジマンズストアへの「繋ぎ」の役割を果たしていました。印象的だったのは終盤にさりげなく挿入された「夜明け前」。アップテンポのサウンドの中で明らかに異なった雰囲気を放ったこの曲は主催でありラストでもあるビレッジマンズストアへのはなむけのようにも聞こえました。

上昇した熱気の中、満を持してのビレッジマンズストアでした。

1.夢の中ではない
2.ビレッジマンズ
3.WENDY
4.僕を撃て
5.スパナ
6.盗人
7.逃げてくあの娘にゃ聴こえない
8.帰れないふたり
9.PINK

ENCOLE
眠れぬ夜は自分のせい

前回のミニアルバムの主催ライブには行っていないのですが、当時はまだ福岡での知名度が低く、地元バンドでの共演をNGされたうえ、急きょ登場した地元福岡の弾き語りの男性にすべて持って行かれてしまい、主催としての立場が無かったとMCでギイさんが話していました。その時の悔しさなどを忘れないまま、この時を迎えたに違いありません。最初に感じていた緊張感や挑むような雰囲気の理由がここで分かった気がしました。主催といっても彼らにとってはまだまだアウェイな雰囲気を拭えないんだろうと。
「正しい夜明け」出てくる「正しい」という言葉は、ギイさんにとって嫌な言葉でネガティブなイメージしか持たない。敢えてそれをタイトルに持ってくることで皆の気持ちを救えるような感覚を与えたかったという話ですが、これはその気持ちが消えうせいてくようにというメッセージでもあると思っています。このミニアルバムは凄く好きなんですよね。全編を通してガレージ的でもありながらリフ展開がどの曲もカッコいいなと、でも対照的にどことなく繊細な部分も目立つ歌詞。その繊細さや陰鬱さの何かで、自分たち自身が何かをを変えようとして、ステージ上で暴れ、もがき、演奏しているというのが最初に聞いた感想です。そんな自分たちのことを歌った「ビレッジマンズ」、人生の主人公になり切れず大人になってしまった人の述懐でもある「WENDY」、ファンへのメッセージでもある「スパナ」や、関係性等の大きな愛を歌った「帰れないふたり」等、会場の熱気をさらに上げていくその暑苦しいサウンド。振り返ると「福岡すごいやん!」というMCにもあったように、そこに集まっていた観客は皆必死にビレッジマンズストアの音楽に共鳴し拳を突き上げ、体を揺らしながら全体で盛り上がっていました。スーツ姿で汗だくで体を揺らしながら時にステージに下りて激しく動きまくるメンバー。笑顔を見せるなど、あの時間の中で、彼ら自身福岡もアウェイではなく、今この空間はホームの中だということを、自分たちがやりたいと思っていたライブをすることが出来た解放感があったんじゃないかと思います。
きっとたぶん次からはもっともっと福岡に来て自分たちのライブが出来る、そんな夜になったのなら良いと思います。


DIR EN GREY TOUR2016-17 FROM DEPRESSION TO_ [mode of 鬼葬]@福岡国際会議場

2017-01-08 23:43:16 | LIVE

もうあけましてしまいましたが、DIR EN GREYの昨年のレポを振り返ってみようと思います。
mode of 鬼葬。鬼葬は僕がDIR EN GREYで初めて聞いたアルバムです。よくバンドマンで「衝撃を受けた」という言葉を使われますが、僕に取ってそれが当てはまるのがこの作品でした。
1曲目の「鬼眼-kigan-」が流れた時、おどろおどろしいギター、骨太で極悪なリズム隊、何より鬼気迫るボーカル、そしてシャウトというものに触れ、その曲を最後まで聞くことが出来ずに、初めてフル尺で聞けたのが「embryo」という曲でした。当時はシャウトに全く免疫が無かったほか、ポップな音楽しか聞いてこなかった自分としては、その作り出す変幻自在かつ不気味なサウンドに恐怖しかなかったのです。しかも歌詞が何を歌っているのか分からないうえ、歌詞を見てもエログロか失恋系しかなく、近親相姦や自殺の歌、自虐的に落ちぶれていく詩など、何一つ前向きな歌がない。結局、初聴きの後であのアルバムで聞けたのは「JESSICA」「undecided」だけでした。
それでもリピートして聞いていく内に思ったのは、いろんな音楽を聞いてきましたが、圧倒的に訴えてくる何かが他のアーティストより強かったというものです。決して大衆に寄り添った音楽ではない、けれども、そこには彼らにしか作れないモノ、彼らがやりたいこと、それが無機質で歪だけど、恐らく何よりもストレートに響いてきました。たぶん、バンドとの意思や意地のようなもの、生き様そのものだと思います。ある程度免疫ができた頃に、「衝撃を受けた」と自覚するに至りました。以降、彼らの音楽がいつも自分の傍にあります。そこから「six Ugly」「Child prey」と聞き込むようになり、「VULGAR」で完全に虜になって、今に至るわけです。

「mode of DUM SPIRO SPERO」がある程度アルバムとしての世界観が出来上がっていた反面、このツアーがどうなるのか、が予測が付かないところではありました。オンラインでリハーサルに試行錯誤しているとの記載もあったので、思いの外選曲に悩んだんだろう様子は浮かびました。ただ参戦した感想から結論を言ってしまうと、「mode of DUM SPIRO SPERO」よりも遥かにライブとして堪能できた内容でした。不謹慎かもしれないけど、単純に楽しかったんですよね。何故かというと楽曲すべてが個、バラバラだからです。当時のインタビューで薫が「1曲1曲バラバラで単純明快な曲が多い。でもライブでは楽しめる曲ばかり」と発言していたのを思い出しました。
DIR EN GREYの場合、世界感に重きを置くバンドなので、代表的なのが「MACABRE」「VULGAR」「THE MARROW OF A BONE」「UROBOROS」「DUM SPIRO SPERO」あたりだと思ってますが、アルバムで統一されたコンセプトのようなものが暗黙の了解として存在します。だから1ツアー終わってしまうともう演奏されない曲も結構ある訳です。でも、唯一この「鬼葬」に関しては作品のトータル性も世界感も後付けな気がします。バラバラなものを一つに収斂してみたらこんなイメージだった、みたいな。そういう意味では「ARCHE」と性質が一番似ている気がします。
棘のような映像が流れるSEから「鬼眼-kigan-」で演奏開始すると京がすかさず「踊れ!」とフロアを煽り、「ZOMBOID」ではステージ上を動き回り、「詩踏み」へと繋がっていく序盤。そこからアコースティックの「undecided」「輪郭」、「Cause of ficklness」で再度盛り上がる等このバンドとしては珍しく落差がはっきりしていました。と言っても意外にミディアムな歌モノの曲が多いんだなと感じたのを覚えています。
「embryo」から「蟲-mushi-」では崩れ落ち泣き声混じりになりながら歌う京。そこから披露された新曲は「生きたい...」という言葉が強く印象付けられた自分の弱さを歌い上げているようなパワー・バラードでした。何かに縛られていない自由な表現が出来ていることを、ステージを縦横無尽に動き回り、時にメンバーにいたずらをしたりする京の姿から感じました。「24個シリンダー」ではDieがボーカルをするなどレアな場面もありつつ、「鴉」「FILTH」、どよめきが起こった「Ugly」そして「Un deux」で締めるというすさまじいセットリスト。会場の福岡国際会議場も初めてでしたが横長のホールでかなり後ろでしたがメンバーの姿がよく見えました。

アンコールでは「G.D.S」から始まり「Mr.NEWSMAN」や「umbrella」が演奏される等「six Ugly」の曲もプレイされており、「列島激震行脚」を彷彿とさせながらも「懐かしい」というよりは「新しい」と感じたライブでした。このバンドのライブでここまで開放的な気分に慣れることは近年無かったので、何やかんやラストの「JESSICA」まで駆け抜けて終了したライブ。UROBOROSは世界観に拘るものなので、また今回と違ったライブになるでしょう。
次は尼崎。

SE
1.鬼眼-kigan-
2.ZOMBOID
3.詩踏み
4.undecided
5.輪郭
6.Cause of ficklness
7.embryo
8.蟲-mushi-
9.新曲
10.24個シリンダー
11.鴉
12.FILTH
13.Ugly
14.Un deux

ENCOLE
SE.G.D.S
EN1.Mr.NEWSMAN
EN2.The Domestic Fucker Family
EN3.umbrella
EN4.Sustain the untruth
EN5.JESSICA