先日の鈴鹿8時間耐久レースを見事優勝して
前人未踏、同一チーム4連覇を飾ったヤマハファクトリーレーシング !
もちろん勝利の要因はチーム、ライダーのがんばりが一番でしたが、
それを支えているのが名機「YZF-R1」です。
ちなみにこのR1は発売されてから今年で20周年になるんですね。
最初はワインディング最強を、やがてサーキット最速をとテーマを変えながら
その歴史を今日まで紡いできました。
・・で、今の世代は、モデルチェンジした2015年からですが、
それと同系列のエンジンを唯一搭載しているのが今日のテーマである「MT-10」なのです。
R1は現在、逆輸入モデルなので、
正式に国内で流通している中で、唯一のR1エンジン(⇒CP4)ともいえますよね。
ヤマハのプラットフォーム戦略により登場した、ストリート最強を目指したバイクなのです。
そんなMT-10の試乗車が、ヤマハアドバンスディーラーのYSP大分に入ってきました。
せっかくなので、どんなバイクなのかを今日はご紹介してみましょう。
私、河野は昔(モトクロス現役のころ)からバイクの乗り比べが好きで
MFJでIAだった本業のMXッサーの他、
以前お店が中古車を中心に扱っていたころには納車前の中古や修理車を、
メーカー問わずに、必ずといっていいほど試していましたから
「おおよそこんな感じ」というのをつかむのはけっこう得意。
暇つぶしにお付き合いくだされば幸いです。
さてSS(スーパースポーツ)がネイキッド化されていたといえば、
2006年ごろのR1をベースに作られた「FZ-1」がありました。
これはヤマハの名機5バルブエンジンの面白さ、で成功したといえるバイクです。
伸びやかな高回転までストレスのない走りは、いまだにファンが多いのですよ。
参考までにYSP大分にも今、1台中古車がありますね。
名称こそ違えども、今回のMT-10はその再来ともいえるでしょう。
その「FZ-1」を開発した、というヤマハの方からお話をうかがう機会があったのですが
意外にもSS(スーパースポーツ)をネイキッド化するのは難しいんだそうですね。
カウルを外したりするだけでも、想定外の振動が車体にでたりして
バイクとして成り立たせるのは、なかなか骨がおれる作業なのだとか。
ジムカーナ仕様のように、ただカウル外して、バーハンドルにするだけでは
市販車としては到底つかいものにならないんだそうです。
想定される速度域も、SSならば
サーキットでの速度域を中心にあわせればよいのですが、
MT-10のようなバイクならそれこそ市街地からワインディング、
ときに高速道路など、様々な場所をいろいろなスピードで走ります。
「どこで走っても楽しく走れる」なおかつ「快適である」。
そのためにはバイクにも様々なところに手を入れていく必要があり
速ければよいSSよりも、むしろ難しい部分もありそうですね。
そんなMT-10での一般道における実力を、
入ってきたばかりの試乗車で早速チェックしてみましょう。
ちなみに先月からヤマハアドバンスディーラーでは
MT-10の試乗車の用意が必須となっているんですよ。
ましてSPモデル、高級車です。
経緯はどうあれ、乗れますから興味のある方はどうぞ。
(※試乗にはご予約が必要です)
それでは試乗前に、まずバイクを出して、っと・・
おっ、あはは・・軽いですね~。なんですかこの軽さ、
見た目と重さがかみ合わない。
中身が入っているか、心配になるほどのあっけない軽さです。
仮に倒してしまったとしても、起こすのもさほどでもなさそう。
これはライバルメーカーのバイクと比べても誇れるポイントのひとつです。
軽いと、走りのパフォーマンスへの好影響はもちろんですが、
ツーリングなどの移動でも負担が少ないという利点があります。
加齢による体力の低下から、大型バイクが重くなっての
サイズダウン、重さのダウンサイジングをお考えの方でも
これなら十分操作できるかもしれませんね。
しかも、走りは8耐優勝マシンの血を引くエンジンです。
足つきはシート高で825mm、
身長168cmではつま先立ちながらも
しっかり力をかけて支えられる程度のもの。
ちなみにトレーサー900よりも20mm程低い数値になります。
タンクの周辺はSSらしく、ニーグリップしやすい形状。
足つき時も、走行中でも、ホールド感はしっかりあります。
さて、それでは走行開始。
まだまだ暑いですね。こういうとき大型バイクはエンジンまわりが熱い
それはこのバイクも例外ではありません。
まずは、お店周辺のごく普通の市街地から抜けていきます。
クラッチのつなぎ初めは意外にも軽やか、クロスプレーンの特徴なのでしょうが、
大型バイクにありがちなオラオラ感(?)があまりありません。
しかし、ちょっとまじめに直線を加速するとさすがに俊敏、
これくらいの実力はありますがなにか?、といわんばかりのパワーです。
「クイックシフト」採用なので、
シフトアップのときにアクセルを戻さなくてもよくオートマみたいです。
百~二百メートルの直線があればすぐ5、6速あたりまで到達します。
もっとも、ついついクラッチをつかってしまうことが多く、
機能自体あまり利用してないことも多いのですが
それはそれでお好み次第ということで。
R1をネイキッドにするためMT-10は、エンジン周辺の約40%の部品に変更を加えています。
以前ツイッターでMT-10はR1のエンジンで・・なんて書いたら、
「MT-10はR1の廉価版のエンジンだろ」なんて声が返ってきましたが、
確かに、コンロッドやクランク類などの変更があります。
ただそれはコスト削減というよりは、慣性モーメントを増して、
低中速での力強さ、扱いやすさ、および耐久性UPを狙っているんだそうですね。
つまりMT-10は、ヤマハの人がMT-10の講習でも言っていたように
R1エンジンである「CP4」をリファィンして搭載したモデルなのです。
つまりそれは、素材変更によってセッテイングを変えているという事。
たしかに、低中速は先日のキャラバン試乗会で試乗したYZF-R1よりも
レスポンスがよくて「力感」がある気がします。
実際に、サーキットでの試乗対決ではヘアピンなどが続くセクションでは
R1よりMT-10のほうが速かったというデーターもあるそうで、
一般ライダーの走る走行域では、むしろMT-10のほうが進化版といえるでしょう。
渋滞にはまることもツーリングの時には多々ありますが、
そういう時にこそ、これら変更の恩恵を感じます。
1000ccと排気量がそこまでないので
まるでXJR1300のようなドカっとした図太いトルク感こそないですが、
上り坂であってもクラッチ操作にちょこっと気を使えば十分なレベル。
あのR1エンジンが、グッと身近になってますね。
モード切り替えは、最近のバイクには当たり前の装備になってきましたが
今回の試乗車のMT-10SPはA~Dの4段階で調整可能。
ちなみにAだと全開にするのはちょっと怖い。もう体が置いてかれそうですが、
Dだと全然余裕な感じ。これなら雨の中の走行でも楽そうですね。
この調整は信号待ちの間にも左のスイッチで簡単にできるので、
ツーリング後半に疲労を感じたら、都度、調整をかけるのもよいでしょう。
そしていよいよワインディングの続くルートへ。
ここではじめてMT-10の「真の魅力」に気づくことになります。
それは、ささっとFullバンクまで倒せて、そしてそこでの絶大な安定感。
いろいろなバイクと比べてみても
倒しこみの軽さ、速さ、安定感は全然ちがいますね。
カーブが気持ちいい・・あ-MotoGpのライダーってこんな感じなんかなぁ。
これと、他のバイクを比べてはいけないのでしょうが、
もう~モノがちがいますね!
ネイキッドっていうと本来は車体もだいぶ重く、
エンジン特製もそれなりに「だるい」設定のものが多い気がしますが
軽快さ、俊敏さにおいてはMT-10は別世界。
ヤマハらしく硬派なこだわった走りだと思います。
しかもそこからの加速は、滑らかなクロスプレーンエンジンによる
スムースでトルク感にあふれ、トラコン(TCS)の助けもあって
まるで自分がうまくなったような、自分史上最高(?)のコーナーリングが味わえます。
おお~、まさにこれぞバイクの醍醐味・・・。
なんとなく形だけそれっぽくしたバイク、
レーサーにナンバーだけつけたような雑なバイクが多い中で、
純粋にストリート最高の走りを狙う・・そんな空気を感じました。
最後にまとめます。このバイクの本当に美味しいところは
YZF-R1が基礎となるコーナーリング性能の限界の高さからくる
「カーブでの走りの気持ちよさ」につきます。
じゃR1に乗ればいいじゃないか、と思うかもしれません。
価格の部分もそうですが、それでは解決にならない理由もあります。
それはつまり、サーキットでけっこうなタイムで周回できるならともかく
一般道で走る(ペース)のが中心ならどうでしょう。
そこをMT-10のように現実的な速度域にしっかりあわせていればこそ
本当にエンジンの美味しいところを楽しめるはず。
結論として、皆がこの「CP4」エンジンの良さを味わうには
この「MT-10」でなくてはならない、ということなのです。
もとより一番気持ちよい場所「ワインディング」へ
行くまでの道中までもを考えるなら、
なおのこと、このバイクの必要性が際立ちそう。
高級な食材を庶民派の味覚にきっちりリメイクされた料理、
そんな存在がMT-10なのかもしれません。
さてそんなMT-10(SP)の試乗車を
ヤマハアドバンスディーラーYSP大分ではご用意しております。
当店ではMTシリーズの「用品クーポンキャンペーン(YSPは5万円)」のほか
当店独自の「15万円分クーポン(STDのみ)」を使ったツーリング仕様のご提案なども
ご用意させていただいております。
「ゲットライセンスプレミアム」などまで使えば、なんと
25万円分もお得に買えるかも。またそれができるのもYSPだけです!
MT-10については、ぜひ当店までご相談ください。
★2018年度より、YSP大分はヤマハアドバンスディーラーとなります。
★YSP大分はガラスコーティングCR-1の正規店です
★Googleマップ YSP大分までの道案内(左上の出発地を入力)
★FM大分 毎週月曜日PM12:10~「今日もバイク日和」放送中
※ 前回分はこちらからラジコ・タイムフリーでお聞きになれます。
★YSP大分(yspoita) on Twitter
★急な整備、メンテナンスのお支払いも安心。YSP大分ならクレジットカ-ドがご利用いただけます。
YSP大分公式ホームページ
http://www.ysp-oita.com/
YSPメンバーズホームページ(全国版)
http://www.ysp-members.com/
「九州でレンタルバイクといえば」レンタルバイク九州ホームページ
http://www.rentalbike-kyushu.jp