Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

七夕のジャワ・ガムラン

2009年07月07日 | 大学
 たった今、ジャワ・ガムランのサークルによる大学の中庭で野外コンサートが終了した。七夕の夜、今日だけライト・ダウンされた首里城の上には満月の月がくっきりと浮かぶ。三々五々集まってきたたくさんの人々が、思い思いに庭に座ってガムランの音色をうっとりと楽しんでいる。練習をがんばってきたメンバーたちも生き生きとバチを握っているのがわかる。
 彦星と織姫が出会うこんな日にはやっぱりバリ・ガムランよりジャワ・ガムランの方がロマンティックでお似合いだ。一年に一度の遠距離恋愛の中、バリの賑やかな音色だとせっかくの二人の会話も台無しかしら?
 ジャワとバリ、ガムランの響きは大きく違う。しかし、単に音の違いを強調するよりもむしろ、その演奏や上演が行われる場の雰囲気は、その音楽を生かすことも、殺すこともできるのだ。今日の夜、ジャワのガムランの音は空気に溶け合い、遠く彼方の二人へと届いたことだろう。

遠距離恋愛の日

2009年07月07日 | 家・わたくしごと
 7月7日、七夕である。きっと幼稚園や保育園、小学校とか駅とかには大きな笹の木が飾られていて、そこに色とりどりの夢や希望を描いた短冊が下げられているのだろう。
 それにしても織姫と彦星は、1年に一度しか会えないなんてほんとうに切ない話である。その形態の恋愛が現実に成就するのかどうかは、ひとえに本人たちの意思にかかっているわけで、「無理だ」と一笑するのは身勝手な解釈だ。しかし、この恋愛こそ究極の遠距離恋愛なわけで、そう思うとやはり星空が広がって欲しいと思うのだ。
 7月7日は遠距離恋愛の日。日本中にいるそんな二人を応援する日だ。現実離れした七夕伝説の二人を「見習いなさい」なんて教訓的なことを語る記念日ではなく、恋愛の成就を託す日ではなく、伝説に登場する二人が出会えればいいねというやさしい気持ちを持っているかどうか試される日。自分が苦しい時にも相手の気持ちが理解できるような暖かな心を持っているかどうか試される日。

屋上のガジュマル

2009年07月07日 | 那覇、沖縄
 デザインや建築関係者の中ではすこぶる有名な話題で恐縮だが、観光客で溢れる国際通りの牧志交差点に建つOPAよばれる建物は、あの安藤忠雄が設計したものだ。作られたときは「コンクリート打ちっぱなし」のビルだったが、その外観の汚れが目立つことから白く塗られてしまって、今は外からみただけでは当時のコンクリートの面影が無い。ある建築デザイナーの友人は、隣りのビルと接する壁を覗いて、そこにはまだ当時のコンクリートの様子が残っていると言っていたが、私はそれを確認したことがない。
 このビル、実はビル全体のクーラーの施設がない(個々の店は別だが)。全体的に風が入るように設計されているため、クーラーは不要だというのである。確かに屋上まで吹き抜けだし、側面もブロックで通気がいいように作られている。
 さてこのビルだが、屋上に大きなガジュマルの木があるのをご存知だろうか?もちろんこれも設計者が考えたものだが、信じられないような大きなガジュマルの木が屋上に植えられているのである。沖縄ではガジュマルは妖精キジムナーが住む場所。ある意味、沖縄の信仰を象徴するような場所のひとつである。それが屋上にドカーンと植えられているわけで、結構驚きの空間である。沖縄の観光ガイドにお勧めの観光地として書かれているかどうかはわからないが、個人的には絶対にお勧めの場所。ほとんどの個人旅行の観光客が国際通りで買い物をするわけだし、そのときにぜひ、この屋上のカジュマルの広場で買ってきたお弁当でも開いてゆっくり食べて欲しい。国際通りの喧騒が嘘のように静かな空間が広がっているのだ。特に修学旅行の皆さん、買ったお土産を友達と見せ合うなんていうのもこの場所でやると沖縄が実感できていいと思う。ただし雨が降るとびしょ濡れになることをお忘れなく。そしてガジュマルの部分には当然、屋根はないので悪しからず。