みみずのしゃっくり

みみずのしゃっくりのように役に立たないことを不定期に書き込むブログ。
専属スターはいませんが、猫っぽい内容です。

日本文化

2008-04-23 | おきにいり

手元に色々日本文化に関する本がありますが、そのうちの3冊です  




加藤周一著の「日本文学史序説」ドイツ語版。他の本の文献目録に出てきたので読みたくなり、絶版でしたが、近所の古書店で取り寄せてもらいました。読み応えのある名著です。




中の1ページ:俵屋宗達の作とされる伊勢物語の一場面


Amazon:日本文学史序説
Wikpedia:加藤周一





オーストリアの出版社から発行された能に関する本。解説は、あまり丁寧ではありませんが、古い能面と、20世紀に伝統的手法で再現された能衣装の数々、幾つかの舞台写真が見事です。

 



イギリスの日本学者アイヴァン・モリスの「The nobility of failure: Tragic heroes in the history of Japan」
日本語版は「高貴なる敗北 日本の悲劇の英雄たち」というタイトル。平たく訳すと「失敗する方が上品」
日本史の悲劇的英雄を、暖かく且つ鋭く、やや皮肉を込めて分析。笑える個所が沢山あります

分析されているのは、日本武尊、萬(よろず:日本書紀に登場する兵士)、有馬皇子、菅原道真、源義経、楠木正成、天草四郎、大塩平八郎、西郷隆盛、特攻隊員。

日本語版は絶版のようですが、再版の可能性も・・・復刊ドットコム
オリジナル版(英語)も絶版のようですが、古本が入手可能:Amazon.com

私が読んだのはドイツ語版です。これも、他の本に紹介されていました。

Wikipedia:Ivan Morris

追記:英語タイトルをもっと「実用的」に訳せば、「失敗は名声のもと」あるいは「敗北は名声のもと」。
後世の名声を遅れた成功と考えれば「失敗(敗北)は成功のもと」
著者は、源頼朝や足利尊氏が優れた政治家であったにもかかわらず、悲劇的要素がないため、人気がない、あるいは、むしろ憎まれている点を指摘しています(成功は後世の名声に有害です)。



最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ちゃーちゃん)
2008-04-24 12:51:56
外国の方の解説は、日本人とは少し見方が違うのかしら。
違う角度から歴史上の人物を知れそうですね。
返信する
Unknown (海月)
2008-04-24 13:36:01
判官びいきって海外にもあるんでしょうか。
とあるテレビ番組で「フランダースの犬」のアニメをヨーロッパの人たちに見せたら「負け犬だ」「何で日本人が感動するのかわからん」という反応だったとか。

能の解説書と言えば、渡辺睦子さんの『マンガ能百番』という本をご存知でしょうか。
各演目を2ページくらいでさらっとまとめてあるんですが、イラストがななみみずさんのイラストのようにお茶目でいいあんばいでした。
返信する
ちゃーちゃんさん (ななみみず)
2008-04-24 23:08:23
著者モリスは第二次大戦中、軍艦に乗っていて、特攻隊の攻撃を実際に体験した人です
びっくり呆れるとともに、深い感銘を受け、それが「日本の悲劇的英雄」研究の出発点だったそうです
とても面白い本です。大塩平八郎の奥さんは農家の出(当時としては異例の結婚)でしたが、ダンナが忙しいときは、門下生に代講するほど学識があったそうです
返信する
海月さん (ななみみず)
2008-04-24 23:21:10
そうですよ!判官贔屓こそ、日本的情緒の核心のひとつらしいです。ヨーロッパなら、頼朝や尊氏の方が後世でも高く評価されるはず、というのがモリスの見解です
「フランダースの犬」確かに、ヨーロッパでは特に知られていません。平均的ヨーロッパ感覚では「ネクラ過ぎる」んじゃないかな
「マンガ能」ちょっと探してみましょう。こらからも、色々情報お願いしますね
返信する

コメントを投稿