今回の例外的豪雨については既に
NZZ(新チューリヒ新聞)でも報道されていますが、7月17日のNZZには別の角度からの記事が載りました。
タイトルは「他の国なら更に多くの人々が亡くなったことだろう」
サブタイトルは「日本の災害対応体制は模範的であり、更に大きな災害になることを防いだ」
これはNZZが主張しているのではなく、
WMO(世界気象機関)のスポークスマンと、国際赤十字の気象センター・ディレクターの評価です。
その他の国際的な気象・災害専門家の間でも、日本の災害対策・対応体制は模範的であると評価されています。
例えば、即座に対策本部(タスクフォース)が設置され、大量の資材と人員が迅速に現地に到着、活動を開始したこと、80機のヘリコプターが投入された等々・・・
アメリカの
ブルッキングス研究所では、
東日本大震災以降、日本はその災害対策・対応ノウハウを世界に教示すべきだと主張しているそうです。
模範的な対応と言っても、全てが完全無欠に進行し、ひとりの犠牲者も出さない、などということは不可能です。
現場では様々の重大な問題、困難があることと思います。
しかし、地球上の大災害について、全く同じ災害を同時に2つの国で起こし、事態の経過を比較するのも不可能です。
ひとつ指摘されていたことがあります。
東日本大震災に鑑みて2013年から「特別警戒警報」が導入されたが、この特別警報が過去数年に繰り返し発表されたため「どの程度特別なのか」判断がつかない場合もあってのではないか、ということです。
これは難しい問題ですね。決定する側の人々からすれば「『特別』扱いにしなかったため、多くの犠牲者が出ては大変」と危惧して、結果として「特別」が増えるかもしれません。模範的と言っても、100%完璧ということは不可能です。
もうひとつの問題は、今回の豪雨も直後の熱波も、
地球温暖化に伴う
異常気象増加の例ではないかということです。
北欧諸国は普通、真夏でも5度などということがある寒冷地ですが、この夏は30度を越える猛暑が続き森林火災が発生、特に
スウェーデンでは森林火災が多発し、異常事態となっています。
地球が、これからも無事であることを祈るばかりです