今日は何の日?

昔の今日は何があったのでしょうか?ちょっとのぞいてみましょう。

北陸トンネル内列車火災(1972/11/6)

1972-11-06 00:00:00 | 交通
1972/11/6

1972年11月6日午前1時9分、北陸トンネル内を走行中の大阪発青森行き急行列車「きだぐに」の、食堂車床下より火災が発生し、死者30名、負傷者714名を出す大惨事が起きました。

全長13Km余りの長大トンネルの中で列車は停車、乗務員は火災車両の切り離し作業に取りかかりました。しかし、激しい火の勢いと暗闇の中で作業は難航し、ついには架線が溶けて停電になり、列車は身動きできなくなりました。トンネル内での火災は、酸素量の少ない状態での燃焼により、一酸化炭素が多く発生します。この事故の救出活動でも、乗客や救助隊員は一酸化炭素中毒の危惧との闘いでした。

この事故は国鉄に大きな衝撃を与え、列車の不燃化やトンネルの安全性を徹底的に見直す契機になりました。当時の国鉄の運転保安規定では、列車走行中に緊急事態が発生したときは、直ちに停止することとありましたが、実際に車両を燃やして実験すると、トンネル内火災時は停止せずにそのまま走行し、トンネルを脱出する方が安全であることが確かめられました。これにより、運転マニュアルは書きかえられました。
現在青函トンネル途中2ヶ所に設置された、消火設備や脱出路を設けた「定点」という施設も、この事故の教訓から生まれたものなのです。

2005.10.12 作成 KS