時空トラベラー THE TIME TRAVELER'S PHOTO ESSAY

歴史の現場を巡る旅 旅のお供はいつも電脳写真機

Before and After in New York 1960-2015 エンパイアステートビルからの摩天楼都市の展望

2015年03月09日 | ニューヨーク/ロンドン散策
 
 永年住んでいても意外に行った事がない観光名所というものが,街にはあるものだ。東京タワーやエッフェル塔。大阪なら通天閣。最近だと東京スカイツリーや阿倍野ハルカスもまだ行ってない。高い所は嫌いではないのだが..... ここニューヨークのエンパイアステートビルもその一つ。何時でも行ける、そのうち行こうと思って間に引っ越してしまい、旅行で来てやっと行ってきましたなんて。そんな所だ。
 
 55年前、当時ワシントンにいた父母が旅行で訪れたニューヨーク。エンパイアステートビルに登り撮影した写真が前から気になっていた。あの時のアングルでニューヨークを見てみたい。現在のニューヨークを見てみたい。どのように変わったのか比較してみたい。今回の訪問で遂に実現した。
 
 55年前の父のカメラはCarl ZeissのContaflex Tessar 45mm. 当時流行りのレンズシャッター式一眼レフカメラだ。日本へも持ち帰り、子供の頃よく撮ってもらったものだ。シャッターがバッシャッと切れよく落ちると,ファインダーが真っ暗になる。ギロチンでバッサリやられたような感触だ。クロームメッキも美しい金属度120%の時代を感じさせるカメラだが,写真を見ても分かるように,素晴らしい解像度だ。テッサーのキレだ!現代のデジイチと遜色無い。フィルムはコダックのエクタクロームのリバーサル。こちらも素晴らしい発色!アナログメカニカルカメラ、銀塩フィルム時代のトップブランド同士の組み合わせだ。
 
 現在を写したカメラは最新のSONY α7II+Zeiss Vario Sonnar 24-75mm.ミラーレスフルサイズセンサの軽量デジタル一眼レフだ。こちらもさすが,キレのある写りと発色。時の流れとともに摩天楼都市ニューヨークの景色は変わっていたし、写真を取り巻くテクノロジーも変わったが、そこに写し出されたその時点でのリアリティーは、時空を越えて驚く程変わらない。写真とは「真」realityを「写す」モノであるという。そのサステーナビリティー。
 
(1)アップタウン方向
 
1960年
2015年
北方向を見るとGEビル,Central ParkとGeorge Washington Bridgeが見える。今は高層ビルが建ち並びどちらもよく見えなくなってしまった。こうして見ると昔から摩天楼の街ニューヨークと言われながらもミッドタウンの変貌ぶりがよくわかる。
 
 

(2)ダウンタウン方向

1960年
2015年
一見あまり変わらない様に見えるが、2003年9月11日、悲劇的な形でWTC Twin Towerビルが無くなって、いまその跡地にFreedom Towerが完成した。55年の間にこうした景観の激変があった訳だが。。。自由の女神が右上に微かに見える。現在の写真の下部にはFlat Iron Bldgが見える。中間のVillage辺りは古い街並を残している。
 
 
 
(3)ハドソン川方向
 
1960年
2015年
Hudson川はなんとか見える。George Washington Bridgeはビルに遮られてしまった。55年前に比べてミッドタウンは高層ビルが増えた。Park Westの高級住宅街はなんとか街並景観を維持しているようだ。
 
 
(4)イーストリバー方向
 
1960年
 
2015年
East Riverサイド。国連ビルは見えているが、当時の高級アパートTudor City は今もあるがビルに囲まれて見えなくなっている。三本煙突の火力発電所Power Stationは取り壊された。我がアパートHorizonはそのすぐ隣だ。Midtown Tunnel の出入り口が見える。対岸のQueensにも高層ビルが増えた。
 
 
(5)グランドセントラル駅
 
1960年
2015年
Grand Central Terminal. 黒くて煤けた外装は奇麗になった。隣のホテル(Hyatt)は建替えられたんだ。Chrysler BLDGの昔のまま。今年はグラセン開業100周年。東京駅赤煉瓦ビルも100周年。両駅は姉妹駅だそうだ。グラセンではJapan Weekのイベントが開催されていた。

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