雲海に浮かぶ竹田城の写真を初めて見た時、衝撃を受けた。日本にもこんな幻想的な風景があるんだと。人は「日本のマチュピチュ」と呼ぶ。確かに... まあ標高2300mのインカ文明の痕跡マチュピチュとは一緒にして良いのやらわからないが、このような「天空の城」が日本に存在している事に感動した。そしていつかは行ってみたいと思うようになった。遂にその時が今日やってきた。
兵庫県朝来市和田山。ここは但馬国。室町時代の1431年に但馬の守護であった山名持豊(宗全)により築城開始。1443年の完成し大田垣光景を城主とした。別名「虎臥城(とらふすじょう)」と呼ばれる。戦国時代末期には木下藤吉郎の但馬攻め、播磨平定ののち赤松広秀を城主としたが、関ヶ原合戦では広秀は西軍につき、敗戦後、廃城となった。現在は天守や建物はもちろん残っておらず、ただ見事な石垣が山上に連なっている。この石垣は、近江穴太衆が手がけた「穴太積み」である。のちの安土城や姫路城も穴太衆の石積み技法による城だ。
この竹田城は標高353.7mの山頂に、南北400m、東西100mに及ぶ縄張りを誇る壮大な山城だ。400年経っても石垣はほぼ完全な形で残っており,日本100名城に選定されている。以前登った、大和高取城も山上の城で、こちらは標高583.8mの山頂に周囲3キロ、大天守、小天守合わせて33の櫓が立ち並んでいたという見事な城構えであったが、竹田城は一回り小さいものの城自体の景観が素晴らしい。向かいの立雲峡の展望台からは山上の天守、南千畳の全景が展望出来る。特に、秋の早朝の雲海に浮かぶ城の全景は、まさに「天空の城」そのものだという。今回はそれを写真に収める事は出来なかったが、いつか挑戦したいものだ(掲載した写真は朝来市のHPからの転載である)。
この日は、まずまずの晴天。大阪から特急「はまかぜ」で姫路、播但線寺前(ここまでは電化されている)経由で和田山まで行き、一駅戻って竹田駅下車。そこからは登山道を900mほど徒歩で行く。距離はたいした事無いが、急峻な階段状の坂道を上るので、息が上がった。しかし、上り切ると登り甲斐のある素晴らしい眺望が迎えてくれる。山上からは但馬、播磨両国、360度を見渡すことが出来る。足下に竹田の城下町が広がる。そして何よりもこのような山上に展開する広大な城跡。天守台を中心に南千畳、北千畳、花御殿という広場が三方に展開する。いずれの地点からも素晴らしい景色が楽しめる。石垣には柵も無く、直下に竹田の町が見える等、足がすくむようだ。高所恐怖症の人にはチョットきわどいか。
城下の竹田の町並みは美しい黒瓦の連続で均整のとれた景観を形成している。現在の家屋は主に大正時代の建築だそうで、比較的新しいが、落ち着いていて、あまり俗化されていない静かな町だ。バイパスが川の向こうに造られ、町を完全に迂回してくれたのが良かったのだろう。城のある山の麓と竹田駅との狭い道沿いが寺町通り。古くからの寺院が四軒連らなってており、白壁沿いの水路には鯉が泳ぎ、古い石橋が架かる落ち着いた町並みを形成している。
駅にある観光案内所では、丁寧な案内をしてくれて心地よい。以前は、竹田城と言っても、観光スポットとしてはそれほど知られておらず、人が押し掛ける事は無かったそうだが、最近は一種の「秘境」ブームや、インターネットでの情報流通で、絶景スポットとして人気が出ているようだ。この日も播但線の一両編成のディーゼルカーからは、カメラ担いだ、いかにも中高年男子が約3名、私と同時に下車した。列車到着組は30分ほどゼイゼイいいながら,急峻な坂を上り、山頂の城跡にたどり着く。こりゃウオーキングシューズは必須だ。と、山上の展望所に着くと、ベンチには、5センチのヒール履いた、ヒョウ柄パンツのオネーチャンが座っていて、雄大な景色見ながらケータイでシャベクリまくっているのに遭遇して愕然。なんじゃこりゃ! 車で途中の駐車場まで来れるようだ。そこからは舗装した道をタラタラ5分ほど歩けば山頂に着くのだそうだ。以前、高取城に登った時も同じ「愕然」を味わった事があったっけ。頂上に場違いな背広姿のオッサンの集団がいた事にショックを覚えた記憶がある。
「関西歩こう会」ご一行様約200人の中高年の団体さんが、大阪からバスを連ねてやってきた。バスは駅前の駐車場に止めて、先導役の人の旗に導かれて麓からここまで登ってきたそうだ。みんな元気だ。そういえば杖ついたおばあちゃんや、車いすの人まで山上にいて,ビックリしたが、こうして皆がこの素晴らしい景観を楽しめるのはいい事なんだと納得した。自分は汗かいた分だけ感動も人一倍だ,とイイ聞かせつつ。
帰りは和田山まで出て、特急こうのとりで、福知山線経由で宝塚まで。そこから阪急電車で帰宅。行きも帰りも片道約2時間行程なので日帰りできるのがうれしい。
(兵庫県朝来市のホームページから転載。)
(兵庫県朝来市のホームページから転載。)
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(撮影機材:NikonD800E, Nikkor AF Zoom 24-120, Nikkor AF Zoom 80-400. Picasa用に画素数を落として掲載)
兵庫県朝来市和田山。ここは但馬国。室町時代の1431年に但馬の守護であった山名持豊(宗全)により築城開始。1443年の完成し大田垣光景を城主とした。別名「虎臥城(とらふすじょう)」と呼ばれる。戦国時代末期には木下藤吉郎の但馬攻め、播磨平定ののち赤松広秀を城主としたが、関ヶ原合戦では広秀は西軍につき、敗戦後、廃城となった。現在は天守や建物はもちろん残っておらず、ただ見事な石垣が山上に連なっている。この石垣は、近江穴太衆が手がけた「穴太積み」である。のちの安土城や姫路城も穴太衆の石積み技法による城だ。
この竹田城は標高353.7mの山頂に、南北400m、東西100mに及ぶ縄張りを誇る壮大な山城だ。400年経っても石垣はほぼ完全な形で残っており,日本100名城に選定されている。以前登った、大和高取城も山上の城で、こちらは標高583.8mの山頂に周囲3キロ、大天守、小天守合わせて33の櫓が立ち並んでいたという見事な城構えであったが、竹田城は一回り小さいものの城自体の景観が素晴らしい。向かいの立雲峡の展望台からは山上の天守、南千畳の全景が展望出来る。特に、秋の早朝の雲海に浮かぶ城の全景は、まさに「天空の城」そのものだという。今回はそれを写真に収める事は出来なかったが、いつか挑戦したいものだ(掲載した写真は朝来市のHPからの転載である)。
この日は、まずまずの晴天。大阪から特急「はまかぜ」で姫路、播但線寺前(ここまでは電化されている)経由で和田山まで行き、一駅戻って竹田駅下車。そこからは登山道を900mほど徒歩で行く。距離はたいした事無いが、急峻な階段状の坂道を上るので、息が上がった。しかし、上り切ると登り甲斐のある素晴らしい眺望が迎えてくれる。山上からは但馬、播磨両国、360度を見渡すことが出来る。足下に竹田の城下町が広がる。そして何よりもこのような山上に展開する広大な城跡。天守台を中心に南千畳、北千畳、花御殿という広場が三方に展開する。いずれの地点からも素晴らしい景色が楽しめる。石垣には柵も無く、直下に竹田の町が見える等、足がすくむようだ。高所恐怖症の人にはチョットきわどいか。
城下の竹田の町並みは美しい黒瓦の連続で均整のとれた景観を形成している。現在の家屋は主に大正時代の建築だそうで、比較的新しいが、落ち着いていて、あまり俗化されていない静かな町だ。バイパスが川の向こうに造られ、町を完全に迂回してくれたのが良かったのだろう。城のある山の麓と竹田駅との狭い道沿いが寺町通り。古くからの寺院が四軒連らなってており、白壁沿いの水路には鯉が泳ぎ、古い石橋が架かる落ち着いた町並みを形成している。
駅にある観光案内所では、丁寧な案内をしてくれて心地よい。以前は、竹田城と言っても、観光スポットとしてはそれほど知られておらず、人が押し掛ける事は無かったそうだが、最近は一種の「秘境」ブームや、インターネットでの情報流通で、絶景スポットとして人気が出ているようだ。この日も播但線の一両編成のディーゼルカーからは、カメラ担いだ、いかにも中高年男子が約3名、私と同時に下車した。列車到着組は30分ほどゼイゼイいいながら,急峻な坂を上り、山頂の城跡にたどり着く。こりゃウオーキングシューズは必須だ。と、山上の展望所に着くと、ベンチには、5センチのヒール履いた、ヒョウ柄パンツのオネーチャンが座っていて、雄大な景色見ながらケータイでシャベクリまくっているのに遭遇して愕然。なんじゃこりゃ! 車で途中の駐車場まで来れるようだ。そこからは舗装した道をタラタラ5分ほど歩けば山頂に着くのだそうだ。以前、高取城に登った時も同じ「愕然」を味わった事があったっけ。頂上に場違いな背広姿のオッサンの集団がいた事にショックを覚えた記憶がある。
「関西歩こう会」ご一行様約200人の中高年の団体さんが、大阪からバスを連ねてやってきた。バスは駅前の駐車場に止めて、先導役の人の旗に導かれて麓からここまで登ってきたそうだ。みんな元気だ。そういえば杖ついたおばあちゃんや、車いすの人まで山上にいて,ビックリしたが、こうして皆がこの素晴らしい景観を楽しめるのはいい事なんだと納得した。自分は汗かいた分だけ感動も人一倍だ,とイイ聞かせつつ。
帰りは和田山まで出て、特急こうのとりで、福知山線経由で宝塚まで。そこから阪急電車で帰宅。行きも帰りも片道約2時間行程なので日帰りできるのがうれしい。
(兵庫県朝来市のホームページから転載。)
(兵庫県朝来市のホームページから転載。)
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(撮影機材:NikonD800E, Nikkor AF Zoom 24-120, Nikkor AF Zoom 80-400. Picasa用に画素数を落として掲載)