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時空トラベラー THE TIME TRAVELER'S PHOTO ESSAY

歴史の現場を巡る旅 旅のお供はいつも電脳写真機

今様「醍醐の花見」 ー 究極の関西桜花の旅 ー

2013年04月01日 | 京都散策
 今年の桜は、開花が例年になく早い。寒くて長かった冬。3月に入って急に暖かくなり、たちまち開花宣言。4月に入る前に満開が続出だ。福岡や高知に始まり、首都圏は先週の3月22、23日が満開に。サクラ咲くのニュースに煽られて、週末、東京は慌ただしい花見ラッシュだったようだ。4月に入った今日にはもう散り始めている。恒例のお花見セールなどのイベントは、早すぎる満開に置いてきぼりに。

 関西はそれに比べると開花が遅れ(といっても例年よりは一週間は早いが)この週末30、31日に盛りを迎えた。まだ梅が咲いている時期の桜満開で、両方を一時に楽しめると言う贅沢な今年の春だ。この土、日は、京都の醍醐寺、円山公園、高台寺と廻り、さらに毎年訪れる大和路の大野寺の枝垂桜、花の寺長谷寺、そして大阪の桜宮、大川端の桜並木、造幣局と、関西の桜の名所を集中的に廻るという忙しさであった。桜を満喫したが,あんまり桜漬けで少々毒気に当てられた感じもする。過ぎたるはは及ばざるがごとし、か。

 大和の大野寺の枝垂桜はまだ満開とはいかないが、それでも滝のような流麗さににはいつも感動させられる。近鉄室生口大野駅前の桜並木はようやく開花したばかりだった。長谷寺は全山程よく開花。ここは桜だけでなく、ハクモクレンやサンシュユも大木に花をいっぱいに咲かせ、「花の御寺」の彩りを華やかにしている。舞台から見渡す初瀬の里はまさに春爛漫。一方、大阪大川端の桜もなかなか壮観。あちこちにブルーシートが敷かれ、花見の宴会で盛り上がっていて、これはこれで都会の季節感を感じる。

 さて醍醐寺の桜は初めてであった。やはり太閤さんの「醍醐の花見」で名高い寺だけに、壮観の一言。特に枝垂桜の古木の枝振り、スケールの大きさと数の多さにに圧倒された。ここの桜の種類は100種あるそうだが、比較的開花が早い枝垂桜の種類も豊富で色とりどりの「花の噴水」を楽しむことが出来る。この歴史に名高い「醍醐の花見」は、太閤さんが、慶長3年3月、1598年に我が子秀頼、北政所、淀殿など側室達,それに従う侍女達総勢1300名を呼んで、日頃の労をねぎらった「ご苦労さん会」エンターテインメント。女性は出入り自由。男子は招待客のみという花見だったようだ。いろいろな意味でお世話になっている女性陣への大サービス。史上最大の「女子会」ってわけだ。太閤さんはフェミニストだったにちがいない。いや、ただのスケベー親爺? しかし天下人ともなればスケベー親爺のスケールも「ただの」とは違う。この日のために近畿一円から桜の木を集めて植えさせたんだから。女性に限らず人たらしの術も充分に心得ていた秀吉ならではだ。しかし、この花見イベントの5ヶ月後には他界し、2年後の1600年には関ヶ原の戦いで徳川家康の天下となる。豊臣秀吉最後の大打ち上げ花火だった。

 現代の醍醐の花見は誰でも参加自由。京都の桜名所の一つになっている。皆でこの世の春を楽しもう。しかし、国宝の三宝院は庭園を含め全て写真撮影禁止。霊宝院館内からの枝垂桜の写真撮影も禁止。花見なのに境内での飲食も禁止。ベンチでおかし食べてたら注意されてる親子連れ。かわいそうに、別にお酒飲んで騒いでる訳でもないのに。チョット無粋じゃないか。まあ、こんなにいっぱいの花見客に世界遺産で国宝の寺の中で自由にさせたら収拾がつかないのかもしれないが、せっかくの花見なのだからこの日だけは無礼講に...「太閤ハンに免じてよろしおす」てワケにいかないものか。

 このように花見で浮かれたイメージが先に立つが、醍醐寺そのものは真言宗醍醐寺派の由緒ある寺院。御本尊は薬師如来。真言宗の神聖な道場なのだ。平安初期816年、空海の孫弟子にあたる理源大師聖宝の創建になるが、後世には応仁の乱や、幾多の戦乱で荒れ果て創建当時の建物は五重塔しか残らない状況にまでなっていた。豊臣秀吉の庇護のもとに再建され、秀吉自身も三宝院や金堂を寄進している。、我々が廻ったのは三宝院や霊宝院、金堂、五重塔がある下醍醐。さらに険しい山を越えると奥の院、薬師堂、清滝宮拝殿、開山堂などが建ち並ぶ上醍醐がある。かつては険しい修行の場であったところだ。花見目当ての俗世の垢にまみれた私にとって、今日は下醍醐で充分。神聖で荘厳な上醍醐は、またそのうちにお参りさせていただきます。

 醍醐寺の桜を堪能した後に、祇園から円山公園、高台寺の枝垂桜を見て回ったが、あまりにも醍醐寺の桜のインパクトが強くて、なんだかイマイチ感動しにくかった。残念な事である。巡る順番を考えるべきであったかもしれない。総じて京都の桜の季節は華やか。大勢の人がわれもわれもと京都に押し掛ける訳がわかる。一方、大和路の桜は、吉野や長谷寺のように平安貴族の憧れとなるような豪華さを持つところもあるが、元来静かで,気高く、自然とともにある。里を埋め尽くす桜、山肌に咲く山桜などまさに大和路の春の風景だ。もちろんどちらも良い。今年は満喫した。

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 霊宝館の枝垂桜。見事な枝振りで広がりが大きく写真に入り切らない。

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 今年は梅と桜が同時に楽しめる。なんと贅沢な...

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 西門(仁王門)からの眺め。花の季節の賑わい。

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 桜に浮かれる世俗をよそに、修行に励む若き僧達。ここは真言宗醍醐寺派の総本山だ。


スライドショーはここから?
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(撮影機材:Nikon D800E, AF Nikkor 24-120mm)


京都三尾(高雄山神護寺/槙尾山西明寺/栂尾山高山寺)に紅葉を愛でる

2012年11月20日 | 京都散策
 今年の夏は猛暑であった。そしてなかなか秋らしい爽やかな季節がやって来なかった。「こりゃあ今年の紅葉は遅いぞ」「あまりきれいに紅葉しないんじゃあ」と心配していたが、11月に入ると急に秋が深まり、朝夕の寒さが増した。そして、むしろ例年より一週間ほど早く錦秋がやってきた。それも見事な。これはこれは...

 それにしても秋雨前線通過に伴う一日おきの冷たい雨。天気が不安定だ。それにもめげず、その晴れ間をねらって、初めての京都高雄の三尾巡りを敢行。当たりだ! 雨続きだったせいか人出は比較的少なく、しかし紅葉は真っ盛り。貴重な晴れ間の青空に錦織なす紅葉が映える。また、この辺り独特の北山杉を背景にした紅葉風景も美しい。

 今日は、歴史のウンチクを語るのを止めて、紅葉写真をで楽しんでいただきたい。和気清麻呂さんも、最澄さんも、空海さんも、明恵さんも、この時期ばかりは、自らの波乱の人生を語るのではなく、ただ静かに高雄山の山懐に美しい日本の秋を愛でているのだから。ヤボはイケナイ。


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(長い石段を登り終えると、神護寺金堂の紅葉が待っている。石段脇の紅葉は盛りの木と終わった木があったが、境内は紅葉真っ盛り。)

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(辺りは「錦秋」という言葉がふさわしい高雄の秋。赤やオレンジや黄色の葉が青空に映えて美しさを際立たせている。)

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(神護寺庭園。苔の緑に映える紅葉の落ち葉が美しい。散り紅葉はこれから。)

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(清滝川に架かる西明寺門前の橋。川の湾曲が良い佇まいを醸し出している。)

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(西明寺庭園の池にも秋が。静かな趣のある境内には大きな高野槙がある。)

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(高山寺石水院の善財童子像。ここには有名な「鳥獣戯画」のレプリカが展示されている。ホンモノは国立博物館に展示されているとか。)

スライドショーはこちらから(帰りに寄ってみた南禅寺の紅葉もあります。こちらははほぼ見ごろだが、三門むこうの定番スポットの紅葉はまだ紅くなかった。)→

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(撮影機材:Nikon D800E, AF Nikkor Zoom 24-120mm)


教王護国寺東寺 ー空海の描く地上の宇宙ー

2011年12月17日 | 京都散策
 京都の東寺といえば、新幹線で京都駅を新大阪方面へ向うと、左手に五重塔が見える、あのおなじみのお寺だ。京都を代表する風景として、旅人、いやサラリーマン出張族、単身赴任族に親しまれている。しかし、実際に行ってみるのは、ウン十年前に父の車で連れて行ってもらった「しまい弘法の市」以来だ。

 東寺は平安京遷都の2年後の796年に造営が開始された。平安京の南、大極殿から真南に伸びる朱雀大路の羅城門の東に東寺、西に西寺が建立された。今は西寺は残ってないが,東寺の西に地名が残っている。遷都時の平安京大極殿は今の千本通り、JR二条駅付近にあったそうで、現在の京都御所は江戸時代に公家屋敷街に新たに造営されたものだ。このように後世、全体に京の中心が東によってしまった為、東寺の位置は今の御所の西を南北に走る堀川通のさらに西に位置している事になる。しかし、この東寺こそ、その遺構は平安京オリジナルの位置に存在し、それが現代の寺域となっている点でも貴重だ。
 
 東寺は天皇/国家が造営する官寺であった。奈良の平城京で言えば東大寺,大官大寺に相当する。当時の官寺は、鎮護国家思想のもと国家経営の根幹に関わる学問や海外文化の受容、消化を進める機関だったとも言える。今で言えば国立大学のようなものだろう。当時、僧侶は知識階級であり、官寺は学位の代わりに戒位を授け、公認の僧侶を世に輩出する機能を担っていた。東大寺や東寺はさしずめ東京大学、京都大学だ。筑紫の観世音寺は九州大学、下野薬師寺は東北大学みたいなものか。ちなみに、興福寺は藤原家創設の私寺だから、早稲田大学、慶応大学か。唐招提寺は海外からやってきたミッショナリー、鑑真創設の非官寺だからさしずめ上智大学か。

 そういうたとえの適否はさておき、造営途中の東寺は823年に嵯峨天皇によって空海に下賜される。中国留学から帰ったばかりの空海は真言密教の拠点として、この東寺を教王護国寺(王を教え国を護る)と名乗り、諸堂を整備した。高野山金剛峰寺は修行の場、教王護国寺は信仰の場という、真言宗の二大センターとして、その後の時代を生き続ける事になる。
 
 東寺は、現代においても、その象徴である五重塔はじめ、金堂、講堂、大師堂(御影堂)、食堂が建ち並ぶ京都でも屈指の大寺院である。その大伽藍の配置自体が、境内に曼荼羅の世界を表現したものだとも言われている。また、その大寺の佇まいは、平城京、奈良の都の大寺の風格を色濃く残している。平安遷都に伴い造営された官寺であるので、平城京の香りを引き継いでいるのだろう。そういう点で,他の京都の寺院とは異なった趣を感じることが出来る。

 しかし、これらの建造物はその後の歴史の流れの中で、焼失や破壊で創建当時のものはほとんど残っていない。それでも五重塔(国宝)は江戸時代初期、徳川家光の寄進によるもので、現存する日本の古塔中最高の塔である。堂々たる金堂(国宝)は豊臣秀頼寄進のもので、桃山時代の代表的建築だ。講堂(重文)は1492年に再建されたもの。このように度重なる再建でも、国宝、重文級の建築物が後世に残されているという事は、いかにその時代の権力者や民衆が、この寺を慕い敬っていたか、という証査でもあろう。

 このように建物群も目を見張る素晴らしさがあるが、東寺を有名にしているのは,講堂の立体曼荼羅(金剛界曼荼羅)であろう。大日如来を中心に居並ぶ五智如来、五菩薩、五大明王、四天王、梵天、帝釈天という二十一体の仏像が壮観だ。奈良の大寺の中心仏は釈迦如来であるが、真言密教の中心仏は大日如来。空海は真言密教を、一部の知識階級だけが観念的に理解出来る世界ではなく、民衆にもわかりやすいように可視化してみせた。この講堂にビジュアル展開した仏の世界は壮観である。空海がこの世に仏教世界、いや心象宇宙を再現して見せたものだ。なんという宇宙観... 今でも観るものを圧倒するが,当時はいかばかりであった事だろう。

 金堂の薬師三尊(薬師如来、日光菩薩、月光菩薩)とその基壇部にあしらわれた十二神将も、真言密教的な薬師信仰を留めるものとして名高い。その密教世界の姿も魅力的だ。桃山時代の再建であるが、十二神将には奈良時代の香りが残されているという。

 最後に,食堂に並ぶ、焼けこげた天の立像群に心打たれた。幾多の戦乱、火災,災害による破壊にもめげず、再建された金堂、講堂、諸仏の陰に、その災厄の犠牲となった生々しい黒こげの仏達の姿に、その天の憤怒の形相に、連綿として生き続ける法灯の強い歴史のメッセージを感じる。

 残念ながら,というか,例によって、諸堂内の撮影は禁止されており、立体曼荼羅も撮影出来なかった。しかし,これだけは是非観ていただきたい,という事で、東寺のパンフレットの写真のコピーを添付。したがってスライドショーは、外回りの写真ばかりである事をお断りしておく。

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(撮影機材:Leica M9 Summilux 50mm f.i.4, Ricoh GRX Tri-Elmar 16-18-21mm f.4)




やっぱり紅葉は京都だ ー南禅寺、永観堂、哲学の道、法然院、真如堂、金戒光明寺ー

2011年12月06日 | 京都散策
 今回はいよいよ本丸、京都東山の紅葉の名所に出没。今年の紅葉は少し遅れ気味で、12月に入ってもまだ充分見頃だ。休日でようやく晴れ間が出たので、人出は多いが、まずまずこんなものだろう。この間の嵐山,嵯峨野ほどの混み様では無かった。

 やはり、色鮮やかな紅葉、黄葉が錦織りなす東山ルートは京都の中でも黄金ルートだ。

 まずは地下鉄東西線で蹴上下車。南禅寺の三門前の紅葉は今が最盛期だ。何時見ても素晴らしい。三門脇のオレンジっぽい紅葉は終わっていた。黒々とした門を背景にした紅葉のシルエットは最高なのだが,残念だ。人出も多いが、それがまたこの季節の景観のエレメントになっている。

 永観堂は相変わらずすごい人出だ。紅葉と言えば永観堂,と言われるくらいだからその美しさ、色乗りの良さも第一級だ。それにしてもこの時期、拝観料が跳ね上がるのは如何なものか。しかし、中に入らずとも、白い壁沿いの錦秋を楽しめる。見返り観音も拝観もせずに、外からこの名高い紅葉を堪能した。

 哲学の道はウン十年ぶりの散策。ここは疎水沿いの桜並木が有名である。あまり紅葉は多くないが、それでもチラホラと銀杏や紅葉が。山茶花も白やピンクの花が今を盛りと咲いている。あちこちでスケッチを楽しむ人々がいる。のどかな散歩道だ。

 法然院は、ふだんは静かな境内が人で溢れていた。茅葺きの山門の苔と、その背景に赤や緑の錦が広がる。その写真を撮ろうと、大勢の人がカメラを構えている。人がいなくなるのを待ってシャッターを切ろうと待ち構えているが,それは無理な注文だ。この時期は人も情景の要素に取り入れたほうがいい。ここはそれほど紅葉の名所という訳ではないだろうが、落ち着いた佇まいが好ましい。

 白川通を渡り、向かいの山へ登る。真如堂の紅葉はいつも素晴らしい。文句のつけ様が無い。ただ、五重塔を背景に、銀杏の黄色,紅葉の赤、常緑樹の緑が美しいアングルがあるのだが、今回は少し紅葉の鮮やかさがイマイチで一昨年見たときほどの感動に欠ける気がした。それでも永観堂と異なり、拝観料無しでこれだけの豪華な紅葉を楽しめるのはうれしい。

 最後に、金戒光明寺へ回り,鐘突き堂から京都市街地を見渡したあと、山門脇の紅葉を楽しみにして石段を下る。紅葉は鮮やかに色づいて素晴らしかったが、あいにく山門が修復工事中で覆いが懸かっており残念。前回時間切れで頂けなかった御朱印をもらって帰った。よく歩いたが、気持ちのよい一日であった。

 こうして今年は、花の寺三室戸寺の始まり、嵐山、東山諸寺、と京都の紅葉を満喫することが出来た。大和路の紅葉も捨てがたいが何しろ限られた時間に全てをまわることは不可能だ。次回の楽しみに取っておこう。

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(撮影機材はLEICA M9 Summilux 50mm F.1.4, RICOH GXR+Tri-Elmar 16-18-21mm.)


秋晴れ。休日。紅葉真っ盛り。人出真っ盛り ー京都嵐山の紅葉ー

2011年11月27日 | 京都散策
 噂には聞いていたが、紅葉の季節の嵐山はその美しさも称賛に値するが、人出もすごい。それでなかなか足が遠のいていたが、昨日は初めてその雑踏に足を踏み入れた。

 阪急電車はこの時期、神戸方面から嵐山への直通特急電車を日に一往復走らせている。普段は十三で京都線に乗り換え、桂で嵐山へさらに乗り換えるのだが。これは便利だ。これで行ってみよう,という事になった。片道、約一時間。時間的には乗り換え時間を除けば、それほど速い訳ではないが、乗り換え無しが良い。しかし、そこでチョッピリ疑問がわいてくる。「十三でどうやって神戸線から京都線に乗り入れるのだろう」。答えは簡単。十三駅を少し梅田方面に出て、待避線に入り、そこから、スイッチバックして京都線に入る。夙川では一番後ろに乗ったが、十三でその結果一番先頭になったわけだ。

 このスイッチバック、鉄道マニアの間では、年一回のイベントなので人気があると見えて、先頭車の運転席後ろには、カメラを持った少年達、昔少年だったおじさん達で溢れ、スイッチバックの「決定的瞬間」をカメラに収めんと、狭い運転席の窓にカメラの砲列が... 何の事は無い。車掌と運転手が入れ替わって後ろ向きに走り出すだけなのだが、鉄道ファンの前で「それを言っちゃあオシマイよ」。

 夙川から一時間ほどで,無事嵐山駅に到着。この頃には電車は満員。駅のホームにどっと人が溢れ出て、一斉に改札と通って外へ。今日は日曜日。しかも久しぶりに秋晴れ。紅葉見頃。こうくれば、人出が少ないはずは無い。中之島、桂川の土手は人で鈴なりだ。渡月橋に至れば、左右の歩道を一方通行にしているが、歩行者で大渋滞。前へ進まない。ついつい車道に降りて歩く人も出て、車もほとんど通れない。「立ち止まらずにお歩き下さい」「車道を歩かないで下さい」のラウドスピーカーの連呼が嵐山中に鳴り響いている。

 嵯峨野の静寂光寺の紅葉を撮ろうと思って向ったが,途中で諦めた。あの狭い嵯峨野路への入口、竹林辺りで、既に歩行者大渋滞。で、諦めて天龍寺の庭園を散策する事に。正面口は入場するのに皆長い列を作っていたが、北口は全然並んでない。ラッキー!しかし,中へ入ると広い庭園が人人人... まあしょうがない。曹源池の回りはまるで日比谷野外音楽堂のように人がぐるりと囲んでいる。すごい人出だ。瞑想も何もあったものではない。

 まあ,世の中、震災、景気後退、欧州経済危機、タイの洪水被害、歴史的円高、政治の混迷...で心休まる事案が無い中、これでけの人が桂川のほとり、渡月橋の上、曹源池の回り、を紅葉を求めて集まっている。ここだけは、のどか、というか、刹那的な安息があるようだ。

 人出の多い所へ出かける事が嫌いな私にしては大英断の一日であった。それにしても秋晴れの青空に映える紅、黄、オレンジの紅葉は美しい。嵐山の山肌の錦は、鮮やかさにやや欠け、しかも、逆光でカラフルな山肌を期待する向きには若干フラストレーションがあったが、人出が多い分だけ紅葉は美しかった。秋の一日を楽しむことが出来た気がする。帰りは嵐電で四条大宮まで出て、さらに阪急河原町からの特急で梅田へ出て、メシ食って帰途についた。

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(撮影機材はNikon D3s)