院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

フラクタル図形

2012-11-15 07:08:27 | 科学
 当たり前のことだが地図には海岸線が書いてある。海岸線はデコボコしている。そこで不思議に思われないだろうか?

 海岸には潮の満ち干がある。砂浜なら波が寄せる。岩場ならもっと細かくデコボコしている。

 地図の海岸線のデコボコは、こうした細かい変化を「誤差」として無視して描かれたものだろうか?という疑問が生じるはずである。

 河岸線を拡大していくと、もっと細かいデコボコが見えてくるはずである。さらに拡大すると、岩のひとつひとつに行き着く。その岩をもっと見ると、岩の表面はデコボコしている。

 さらに拡大すると、岩を構成する砂の一粒に行き着く。その砂を顕微鏡で見ると表面はまだデコボコしている。

 このように、どこまで拡大してもデコボコしている図形にフラクタル図形がある。フラクタル図形は無限にデコボコしている。

 下の図形は YouTube にあったフラクタル図形である。最初はヒョウタンを横にしたような形をしている。拡大すると、表面に元のヒョウタンが無数に付いている。さらに拡大してもいつまでもヒョウタンが付いてくる。

 フラクタル図形の面白さを鑑賞していただきたい。

 フラクタル図形


女子アナの高音

2012-11-14 06:12:05 | 芸能
 女子アナがタレントのように扱われるようになって久しい。実際、今の女子アナは美人そろいだ。そして、高音である。美人で高音だから、とても目立つ。

 採用の基準からして美人で高音なのは必須になったのではあるまいか?

 昔からそうだったか、男性歌手でも高音の人に人気がある。たとえば、さだまさしさん、小田和正さん。

 昔はフランク永井さんのように高音を出さない歌手にも人気があった。最近はそのような歌手を見かけない。

 女子アナの高音も、最近の流行なのだろうか?NHKの女子アナには昔は下重暁子さんなど、かならずしも高音でない人がいくらでもいた。

 高音の女性の声は、少し聴く分ならよいが、一日中聴いていると頭が痛くなるのではないか?

 女子アナの恋人がどうの、結婚するからどうのいった事柄が芸能ニュースになる昨今である。結婚した男性は、一日中ソプラノの声にさらされて、大丈夫だろうか?

壊血病、脚気

2012-11-13 06:23:13 | 医療
 ビタミン剤は、普通に食事を摂っている人には必要がないと、いつぞや書いた。しかし、ビタミンが本当に不足すると深刻な事態となる。

 まず壊血病。大航海時代に船乗りに多く見られた。骨との境界部分(歯肉)がおかされ、死にいたることもあり、海賊よりも恐れられた。やがて、野菜やレモンを摂れば予防できることが分り、壊血病は激減した。これは船乗りにビタミンCが不足することによって起こった。

 次が脚気。これはビタミンB1 の不足によって起きる。初めはむくみだが、やがて死に至る。米ばかりたべて、副菜を食べない人に起こった。食物に不足がなかった歴史上の支配者も、これで死ぬことがあった。

 アルコール依存症者に、ときどきウェルニッケ脳症が見られるが、これはビタミンB1 の欠乏によることが分っている。

 ビタミンは確かに必要な物質であるが、必要以上に摂っても排泄されるだけである。だから、市販のビタミン剤は意味がない。サプリメントと同様である。アリナミンEXは筋肉痛に効くと書いてあるけれども、説明書をよく読むと「1カ月以上効果がなければ医師や薬剤師に相談」とちゃんと逃げ道が書いてある。

 QPコーワ・ゴールドは疲れに効くように宣伝されているが、この薬にはカフェインが含まれているので、飲んだらカフェインの作用によって一時的にすっきりする。それだけの薬である。多くのドリンク剤もカフェインの覚醒効果で、効いたような気分になるだけである。

 サプリメント会社だけでなく、本当の製薬会社もこのような薬を販売していることは、知っておいてもよいだろう。

分類語彙表

2012-11-12 06:47:30 | 日本語
 大学生のころ、文章を書いていて言葉が見つからないときに便利だときいて、「分類語彙(ごい)表」という本を買った。

 国立国語研究所の編纂で、秀英出版というところから出ていた。今でもあるだろう。当時、1100円だった。学食の昼定食が170円の時代だから、けっこうな出費だった。手元にまだあるが、今の値段はもっと高いだろう。

 この本には、類語が束になって載っている。たとえば「美しい人」では言い足りないとき、「美しい」を引くと、他に「綺麗」「眉目秀麗」などの言葉が載っている。言葉を連想するのに役立った。

 ただし、舟木一夫さんの歌ではないが「カトレアのような人」「すずらんのような人」という類は載っていない。これは詩の世界で、「分類語彙表」は詩作には向いていない。

 英語の「分類語彙表」にシソーラスというものがある。私は英語で文章を書くのは苦手だから、むろんシソーラスは持っていない。

コラーゲンとは何か?

2012-11-11 04:52:58 | 生物
 最近たんぱく質の中でもコラーゲンがことのほか注目されている。コラーゲンの含有を謳ったサプリメントも多いし、牛スジ屋の女将までが「コラーゲンたっぷりだよ」と牛スジ料理を売り込んでいる。(確かに牛スジにはコラーゲンがたくさん含まれている。)

 だが、コラーゲンは本当に「お肌」や健康に良いのだろうか?コラーゲンは皮膚の真皮に含まれている。また、骨、軟骨、腱にも利用されている。とくに腱のコラーゲンは繊維化されていて強靭である。

 コラーゲンを経口接取すると、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンというアミノ酸に分解されて吸収される。

 しかし、アミノ酸はたんぱく質の原料であって、吸収されたグリシン、プロリンなどがふたたびコラーゲンに合成されるとは限らない。つまり、コラーゲンをいくら摂取しても、「お肌」によいとは到底言えない。他のたんぱく質よりも「健康に良い」とも言えないのである。

 これくらいのことは、高校で生物や化学を普通に習っていれば、すぐに分かることである。だから、コラーゲンがあたかも「お肌」や健康に良いように宣伝するのは、実はペテンである。

 文系の人はもしかしたら、高校で人体の組成やたんぱく質について習わないかもしれない。もし彼らが、たんぱく質の中でも特別にコラーゲンを有難がっているとしたら、気の毒という他はない。

漬け物の名人

2012-11-10 06:32:13 | コンピュータ
 私の曾祖母が作る漬け物(糠漬け)は、近所で一番おいしいと評判だったらしい。漬け物の名人といわれていた。(むろん私が生まれたころには曾祖母は他界していた。)

 曾祖母はその日の気温や湿度に合わせて、漬け物を糠みそから取り出すタイミングが分ったらしい。それはほとんど分単位だったという。長年の勘がそれを可能たらしめたのだろう。

 発酵食品にはすべて同じことが言える。現在の酒蔵は、小規模なところはまだ杜氏の勘にたよっているけれども、大手酒造メーカーだとコンピュータ制御である。さまざまな実験を重ねて、最適な温度、最適な時間が分っているから、おいしい酒がコンピュータで造れるようになった。勘にたよる必要がない。

 20年ほど前、知人が蕎麦屋のチェーン店を作った。各店舗には蕎麦の職人は一人もいなかった。そのかわりに、蕎麦の量、茹で時間と温度、ダシの調合比率、汁の温度などすべてがマニュアル化されていて、アルバイト従業員でもおいしい蕎麦を出すことができた。

 この蕎麦屋チェーンは一時大もうけしたけれども、やがて斜陽になった。マニュアルではなくて、釜や鍋の温度や時間をコンピュータ制御することが可能となり、もっと少ない人数で一軒の蕎麦屋が経営できるようになって、駆逐されたのだ。

 マニュアル化できる作業は、すべてコンピュータで代替可能である。

 コンピュータの発達によって、ホワイトカラーはその仕事の多くを失った。帳簿付けなぞは、もはやコンピュータの仕事となった。

 現在の失業率の高さは、いろんな仕事をコンピュータがやってしまうところから出てきたのではなかろうか?商売や経済に疎い私としては、そうとしか考えられない。まだ他の要因があるのだろうか?

無駄なデータ

2012-11-09 06:42:21 | コンピュータ
 大昔、まだコンピュータのメモリが高価だったころ、メモリは徹底的に節約された。

 たとえば人物情報は、生年月日が入っていれば、年齢は入力されなかった。年齢は生年月日から計算すれば分かることだから、高価なメモリを使用するのは無駄遣いとされた。

 実に合理的な発想だった。メモリには他から導くことができない独立な情報だけが入れられた.

 現在も昔も、診断書には患者さんの年齢記入欄がある。上のような考えからすれば、診断書には生年月日が書いてあるのだから、年齢は余分なデータということになる。(ちなみに運転免許証には年齢は書いてない。)

 ところが、診断書に年齢が入っていないと、多くの人が怪しむ。メモリ節約時代に育った私は、どうしても年齢を書くのは無駄な感じがしてならない。

 しかし、年齢が入っていないと診断書を受け取る会社側がミスだと思って、けっきょく困るのは患者さんだから、年齢はかならず記入している。一方で余分なデータだと思っている私がいる。

テレビ番組が変わった

2012-11-08 06:35:42 | 芸能
テレビを見いていると、最近分かりやすい番組が多い。それは歌番組にとくに言える。

 つい最近までは、聞いたことのない歌手が訳の分からない歌を歌っていた。エグザイルの歌なんて、どこが良いのか分からない。実は浜崎あゆみの歌も良いとは思わない。

 ある楽曲を良いと感じるには、若さというか臨界期みたいなものがあって、それを過ぎる年齢になると、新しいものを受け付けなくなるのかもしれない。

 昔の歌は良いと思う。岩崎ひろみなんて最高だ。彼女がデビューしたのは私が大学卒業したてのころだから理解できるのだろう。40歳を過ぎたころから新しい楽曲を受け容れられなくなった。私のカラオケのレパートリーは40歳で終わっている。

 ところが、テレビでは最近、昔の歌番組をしきりに放映している。若い人が見たら、何の歌なのか分からないだろう。

 これには2つの理由がありそうである。

(1)若い人より団塊の世代のほうが金を持っている。したがって、宣伝すればそれだけお金を使ってくれる。

(2)そもそも若い人はテレビを見なくなった。歌番組よりもライブを好む。

 以上のようなわけで、テレビは「懐かしのメロディー」みたいな歌番組ばかりをやるようになったのだろう。

 同じことはドラマにも言えるのだが、省略しよう。要するに、テレビも商売だから、お金を使ってくれない人、テレビを見てくれない人に向けて、わざわざ番組を放送しないということだ。

医療費の膨張

2012-11-07 05:28:41 | 医療
 国民医療費は20年前は19兆円だった、それが現在では36兆円。なぜ2倍近くになったのだろうか?医者や看護師が増えたわけでも給料が上がったわけでもない。

 実は物価上昇を除いて上がっている分は検査料である。20年前はCTもMRIも現在ほどは行われなかった。前立腺がんの腫瘍マーカーのテストは存在しなかった。現在では開業医でCT,MRIをもっている所がある。

 もし検査をやらずに何かの病気を発見しそこなうと、手ひどい批判を受ける。だから、医者は検査をする。こうして、医療費が膨張してきたのである。検査結果は異常なしがほとんどである。

 だから、医療費の増大分はCTやMRIを作る会社が持っていったのだ。あるいは、腫瘍マーカーの検査会社が潤ったのだ。決して医者や看護師が儲けているわけではない。

 コンピュータの発達により、画像診断も飛躍的に精度が良くなった。デジカメの精度が良くなったのと同じことが、医療の世界でも起こっているのだ。

 そして、それらを使用すると、これまで見つけられなかったような病巣がまれに見つかる。まれに見つかることを保障するためには、それより何千倍も多い「異常なし」を産み出さなくてはならない。

 医療費の膨張は以上の結果である。決して医者や看護師が持って行ったのではない。

(昨日、きゃりーぱみゅぱみゅは海外で稼ぐべきだと書いたら、もう海外ツアーを行うと報道された。業界の連中はとっくに考えていたのだ。)

きゃりーぱみゅぱみゅとは何か?

2012-11-06 04:51:50 | 芸能
 きゃりーぱみゅぱみゅというタレントの人気に驚いた。日本でもよくテレビ出演するが、むしろ海外での人気がすごい。どうして海外でこんなの(失礼)が人気があるのだろう?

 そんなに美人でもないし、歌は機械でごまかしてあって本当の声ではない。ただ、ファッションだけは奇抜である。この奇抜さが受けているのかもしれないが、要するに運動会の仮装行列みたいだ。

 それなのに、Youtube でのアクセス数が1000万回を超えている。海外からのコメントのほうが多く、しかも熱烈である。多いのは「日本のレディー・ガガだ」というコメントである。しかし、レディー・ガガほどセクシーではない。

 これはデザイナーというかプロデューサーの勝利である。あんなふうに作ってみたら受けちゃったという感じである。

 きゃりーぱみゅぱみゅは、さほど長持ちはしないだろう。今のうちに海外に打って出てしこたま稼いでおいた方がよい。レディー・ガガみたいに・・。(ちなみにガガの埼玉公演は立ち席で一人2万7千円だったという。)

未開人の鉄器

2012-11-05 10:36:46 | 文化
 未開人なぞと呼んでは失礼だ。未開人は文明人より幸福に暮らしているかもしれない。未開人はその日に食べられる量だけ獲物を獲って、あとはのんびりとしている。

 だが、私には不思議なことがある。彼らはなぜナイフを持っているのだろうか?場合によってはナベを持っている。

 鉄器はかなり新しい道具である。ほぼ原始生活をしている民族が、どうやって鉄器を作ったのだろうか。ナイフは彼らが原始生活を営んでいくうえで、なくてはならないものである。

 ナイフやナベは先進国が持ってきたものだろう。未開人はそれだけ取り入れて、他はとりいれなかったか、取り入れることができなかった。

 つまり、今の未開人の生活は、純粋な未開人生活ではなく、未開と文明の折衷生活でしかないと言えるだろう。本当の未開人生活というものは、もう地球上に存在しない。

漫画雑誌のレベル

2012-11-04 12:45:33 | 漫画
 日帰り旅行の車中で、10年ぶりに漫画雑誌を買ってみた。そして、レベルの高さに驚いた。

 いつも私は、漫画は単行本しか買わない。一定のレベルが担保されたものしか単行本にならないからだ。

 しかし、単行本にならない漫画に、これだけの優秀作があるとは、私も時代の流れに乗り遅れている。どんなテレビドラマよりも面白い。そして、一味も二味も深みがある。これではテレビドラマの視聴率が上がらなくても無理ないなと思った。

 それらすばらしい漫画群がなぜ単行本化されないかというと、絵のクオリティーが低いからだ。

 逆に言うと、昔は絵のクオリティーは漫画の必須条件だった。だが、最近編集方針が変わってきたようだ。内容が深ければ、絵のクオリティーは二の次になったのかもしれない。

 ここで考えるのは、漫画家の年齢である。これだけ深い内容が漫画で描けるということは、ある程度年齢が行っているのだろう。

 一方、絵は10代から始めないと上達できない。つまり、せっかくだがこれらの漫画家は単行本を出せずに消えていく運命にある。彼らはいっそ梶原一騎や仮屋哲のように原作に徹したらどうか?(この世界で生き残っていくのは、それでも難しいが・・。)

 単行本でも成功している漫画には、原作と作画が別である作品がけっこうある。

機能美と人工美

2012-11-03 04:35:08 | 漫画
 SLや飛行機は美しい。別に美しく作ろうとして作ったのではないのに、美しい。それは無駄なものがなにもないからだ。SLに無駄なものが付いていれば、SLは動きにくい。飛行機に無駄なものが付いていたら飛ばない。

 極限まで無駄を排すると、美しくなる。これを「機能美」というのだろう。

 戦車や武器(銃や刀)も美しい。それらは攻撃するのに最善の形をしているからだろう。鎧も洋の東西を問わず美しい。目的が身を守るという一点に集約されているからだ。

 ところがSFアニメなどに出てくる鎧も美しいのは何故だろうか?たとえば、ガンダム。ガンダムは誰かがデザインした人工産物なのにカッコいい。

 他のアニメに出てくる人物が、鎧のようなユニフォームを着ていることがあるが、このデザインも美しい。下手な人が考えると、こんなにカッコいい鎧は描けない。

 そのようなデザインができる人は、どこか「機能美」のエッセンスを盗んで、それらしく描き上げるのだろう。何気なく見ているアニメだが、鎧のデザインは恐ろしく考え抜かれたものだと私は思う。