院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

職人の技

2015-11-30 14:42:49 | 食べ物


 寿司を初めとする和食の職人は「マイ包丁」を持っている。包丁が悪ければ、よい料理はできない。だから、包丁は毎日砥ぐ。砥いで砥いで、10年もたつと半分くらいの大きさになってしまう。

 写真は、馴染の寿司職人が真新しい包丁を見せてくれた映像。この包丁はこれから年々チビていくのだ。


※今日、気にとまった短歌

  このへんの人はどこまで買い物に行くのと母が二度言った道 (仙台市)工藤吉生

ライブハウスの幼児

2015-11-29 08:40:19 | 音楽


 先日、東京のモダンジャスのライブハウスに4歳の孫(男児)を連れて行った。老人の部類しか行かないライブハウスだ。

 孫は店員さんやミュージシャンに可愛がられた。モダンジャズのライブハウスに幼児が来ることはまずないからだろう。

 思い起こせば、孫の親(私の息子、30代)が幼いころにも、名古屋のライブハウス・ラブリーに連れて行って、ミュージシャンに可愛がられた。

 息子と、そのまた息子が画面右下にほんのり写っている。(この写真では、たぶん見えないでしょう。)


※私の俳句(冬)

  幾たびも鍵確かむる神の留守

世界中、子どもは同じ

2015-11-28 14:09:44 | 文化


 先日、新幹線に乗っていたら、前の白人の子が後ろの席を覗いた。日本人の子と同じだ。

 子どもはみな同じである。日本の小学1年生に、習字で「一」と書かせると、みな太い字で横一棒を書く。

 へんに個性化していくのは、そのずっと後のことだ。


※私の俳句(冬)

  心病む人との句座や茶の花忌

NHK高校講座の美人アシスタントたち

2015-11-21 13:41:34 | 芸能
 芸能プロダクションが美人女優や美女タレントに歌を歌いたがらせるのは、視聴者が美女を見つめる機会をあたえるためだと、いつぞや述べた。(歌も踊りもなしに美女を見つめるのは不自然だからだ。)

 ところが美女を見つめたかったら他の方法がある。それはNHK高校講座のアシスタントだ。アシスタントは若い美女ぞろいだ。少なくともAKB48よりは頭の中身もありそうである。

 一度、お試しください。


※今日、気にとまった短歌

  授業中君の見つめるその先にあるのはノート僕じゃないんだ (都立三鷹中等教育学校)水落晴輝

カウンセリングは魔法の技にあらず!(パリ同時多発テロ被害者に対して)

2015-11-20 21:45:16 | 心理
 今回のパリ同時多発テロに当たって、精神科医のジャンピエール・ブッシュ氏が、テロ被害者の「心のケア」に当たっているらしい。

 ブッシュ氏は「国境なき人道家」という組織の人らしく、他の精神科医とすでに被害者120人にカウンセリングを行ったという。氏は被害者のレストラン・オーナーの家に泊まり込み、一人で30人の「心のケア」を行っているという。(本日付、毎日新聞愛知県版。)

 ここで氏が言っているカウンセリングとは何のことだろうか?「泊まり込んで30人のケア」というと救急救命を思い出すが、そこで止血や手術や薬物投与をしているわけではない。

 こうして、なんとなくカウンセリングが「魔法の技」のように思われていくことに疑念を覚える。

 氏は5%の人は治らない、時間がかかる人は4年はかかると述べているけれども、意味が分からない。というのは、カウンセラーがかかわらなくても、ストレス障害の治癒はその程度で、治癒には「時間薬」が一番効くからである。

 カウンセリングは過大評価されている。カウンセラーの門を叩いてがっかりした人は多いのではないか?

(被害者に重要なのは、プロによるカウンセリングではなく、多くの人が「あなたのことは忘れないよ」とメッセージを送り続けることだ。)


※私の俳句(冬)

  屋根に雪乗せて帰港の巡視艇

本物の「うつ病」の原因はストレスではない!!

2015-11-19 11:41:12 | 医療

(「うつ病」を経験した歌手のマルシアさん。NHK「今日の健康」より。)

 子どもを亡くした母親が深く落ち込む。これは正常な反応であって、元来「うつ病」とは呼ばない。子どもを亡くしてにこにこしている母親のほうが、むしろ異常である。

 一方、特段のストレスがないのに、自殺願望が起こるほどに落ち込む場合がある。これが本物の「うつ病」である。

 ストレスに対する正常反応としての落ち込みと、「うつ病」による落ち込みをマスコミを中心として、世間は混同している。

 これは、DSM(アメリカの精神疾患の診断分類マニュアル)の弊害である。DSMの診断基準では、子どもを亡くした母親も「うつ病」ということになってしまうからだ。(ズル賢いことにDSMは死別反応を別扱いにして、「うつ病」に入れないようにと但し書きに書いてあるが・・。)

(DSMの基本姿勢は、現在の病状だけを見てものを言うべきだ。過去のことは考慮に入れないという潔いものだった。それがPTSDを初め、過去を問うようになったのは、大いなる自己矛盾と言えよう。)

 上のNHKの番組でも、DSMの診断基準が紹介されていた。マルシアさんは本物の「うつ病」だったと私は思うのだが、DSMの診断基準を「その通りだった」と肯定している。

 こういうところから、「うつ病」に関する誤った理解が世の中に蔓延するのだ。

※私の俳句(冬)

   かなたまで土蔵造りの雪の屋根

乞食、ルンペン、浮浪者、「おもらいさん」という言葉が若者に通じない

2015-11-18 15:08:51 | 教育

ヤフー知恵袋より引用。)

 先日、精神病をテーマにして、20代の理系の若者に対して講演した。

 先ず困ったこと、言葉が通じない。乞食、ルンペンが、若者は言葉さえ知らない。知っている者も実物を見たことがない。

 ホームレスはすぐに理解できたが、「おもらいさん」という用語が通じない。浮浪者という言葉も理解できたかどうか疑問である。

 実は、そういった人々の中に精神病の人が少なからずいる、ということを言いたかったのだが、通じない。

 ホームレスや「おもらいさん」には、かえって精神病者はいないと言ってもなおさら通じない。精神病者は「おもらいさん」をするほどズル賢くないのだ。

 この辺の機微がどうしても20代の若者には通じなかったようだ。


※私の俳句(冬)

   理容師の外見てをりぬ雪もよひ

パリの同時テロに寄せて

2015-11-17 13:50:54 | マスコミ
 ISの拠点が無人機で爆撃されているらしい。ISもさぞ敵国を爆撃したいことだろう。でも、それだけの軍備がない。だったら、テロ行為に出ても不思議はないのではないか?

 ISのテロは戦いに命を捧げた自爆テロである。一方は無人機。この非対称性には考えさせられる。非戦闘員が爆殺されている点において、両者は同じなのだが・・。

 私にはテロとゲリラの違いが分からない。どちらも戦闘の一方法ではないか?(まさか宣戦布告があったなかった、という話ではないでしょうね。)

 先進国のマスコミは、こぞってISを冷酷、残酷と非難している。そんな極悪非道な集団に中東や北アフリカの青年が志願していくのはなぜだろうか?

 NHKの太(ふとり)解説委員は中東問題に詳しく、先日「ISにも理由(わけ)がある」とひとこと言ったが、以来、そのようなことはあえて言っていない。(いま言うのは危険だからだろう。あと何年かすればわれわれにも理由(わけ)が分かるはずだ。)

追補:この日、フランス版新幹線の実験線が脱線して、子どもを含む2ケタの死者が出たのだが、テロのニュースで吹っ飛んでしまったね。

旧漢字の復活運動はなぜ起こらないのだろうか?

2015-11-16 23:29:35 | 日本語
 戦後、新漢字の採用で「單」が「単」に変わったけれども「せみ」を「蝉」と書くのは実は誤まりである。「蝉」は新漢字として定められていないので、「せみ」は元のように虫扁に單でなくてはならない。一文字だけ変えても、他のあまたの漢字まで変わったわけではないのだ。

 明治時代から日本語表記の改変の動きはあったらしいが、これだけ急速に変わったのなぜだろうかと不思議に思っていた。亡父は旧漢字旧仮名時代の大正生まれなのに、私は新漢字と新仮名を亡父から教わっている。

 そこには、やはりGHQが絡んでいたのだ。GHQは漢字を廃止させようと思っていたらしい。廃止までの過渡的措置として新漢字を発表した。

 GHQの命令だから反論もへったくれもなかった。ところがけっきょく漢字廃止は実現せず、新漢字だけが残ったらしい。いまこそ旧漢字を復活させよう。新漢字では語源が分からなくなるからだ。

「学」も「蛍」も上は「ツ」である。これでは意味が分からない。学の上は「興」、蛍の上は「火」が二つだったのだ。

 いつぞや台湾旅行をしたときに、漢字が全部旧漢字だったので、とても気持ちが良かった。


※私の俳句(冬)

   灯台を乗せし断崖波の花

日本郵便のあきれた料金計算

2015-11-15 17:08:42 | 社会
 郵便料金は、何グラムまではいくら、速達ならいくらプラス、書留ならどれだけの料金と一覧表だけ掲載してもらいたい。

 いちいちグラムや、速達か書留かを入力して、結果の代金だけ教えてもらっても、意味がない。こういうWEB画面を作った奴の顔が見たい。

http://www.post.japanpost.jp/cgi-simulator/envelope.php

児童相談所の「支援」と「介入」の分離

2015-11-13 13:26:00 | 社会
 児童相談所は元来、めぐまれない子どもやその親を「支援」する役所だった。

 それが、児童虐待がクローズアップされると、児童相談所は親への「介入」(摘発、懲戒)を求められるようになった。

 「支援」と「介入」という相反する役割を求められて、児童相談所は苦悩していた。検事と弁護士の役、両方を求められたからだ。(このことは児童相談所の「股裂き状態」との標題で 2011-04-03 に指摘しておいた。)

 このたび厚労省のワーキンググループが「支援」と「介入」の分離を言い出した。遅きに失したが当然の発想である。


※今日、気にとまった短歌

  白い飛び石のやうにおにぎりは女の過去に散在してゐる 幸田文 

現在、話し言葉に「えーと」をいれるのは許される!?

2015-11-11 14:24:45 | 日本語
 私たちが幼いころ、話し言葉に「えーと」と入れるのはほぼ禁じられていた。「えーと」は無教養の証拠のように見られていた。

 ところが現在では、大学教授のような知識人が普通に「えーと」と言う。話し言葉の変化は思っていたよりずっと早いようだ。


※今日、気にとまった短歌

  この店で笑顔が一番いい女性(ひと)がぷかぷかの靴いつも履きおり (小牧市)白沢英生


(下の映像の先生は10秒に1回くらい「えーと」と言う。)
https://www.youtube.com/watch?v=iyH5090tl8E

夢ナビ2014:ネット依存? 臨床心理学的に説明します!


ものすごくつまらない新聞川柳欄

2015-11-10 20:29:38 | マスコミ
 新聞の読者短歌には面白いものが多いが、読者川柳はほんとうにつまらない。新聞の論調を575にしただけの川柳が多い。例えば以下。

    核のゴミ処理を棚上げ再稼働 (A市)M.Y.氏

 新聞報道のまんまじゃないですか。こういうのは批判精神とは言わない。サラリーマン川柳のほうがずっと面白い。

 第2次大戦中、川柳作家の鶴彬(つる・あきら)は次の川柳を詠んで拷問死した。

    手足もぎただの丸太にしてかへし

 新聞の川柳投稿欄を面白いと思っている人がいるのだろうか? 

掃除人の大変化

2015-11-08 13:40:07 | 社会

(新幹線ホーム喫煙室を掃除する人たち。ピンクが女性でブルーが男性。)

 幼いころデパートにいたら、掃除人に「どけ!」と言われた。デパートが掃除をするのは客に快適さを与えるためだろう。それなのに「どけ!」とは、なんのための掃除かわからないと幼い客である私は思った。当時、掃除人は卑しい職業だった。

 いまの新幹線の掃除人はすごい。客の前を通るのに、いちいち「失礼します」と言う。上の写真の掃除人たちも、きわめて感じがよかった。


※私の俳句(冬)

  短日や妻と見まがふ人のゐし


蒲田薫早大総長の弁明

2015-11-05 21:16:18 | 教育
「大学側にも指導、審査の過程に重大な不備・欠陥があり、学位を受けた者(小保方氏)だけに一方的に責を負わせることは妥当でない」と早大の蒲田総長の談話があったという。

 やっぱり、ちゃんと分かっているんですね。あとは、大学側がどのように落とし前をつけるか注目したい。

 大学側は06年から14年までの学位論文2000篇以上を洗いなおして100件近くの不備がある論文が見つかったらしい。不備がある論文の指導教官は、まさか特定の人ではありますまいね。

 うち50論文ほどを精査しているらしいが、この中から博士号取り消しが1件も出なかったら、小保方論文が「社会情勢に迎合して」狙い撃ちにされたと考えるのが妥当でしょうね。


※今日、気にとまった短歌

  名月を余所(よそ)に子と飲むハイボール打ち明けるまで問はぬつもりで (豊田市)塩谷美穂子