院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

2018-01-30 16:58:54 | 生物


 虫にもいい虫とそうでない虫がある。蚊は人を刺したり、病原菌を媒介する。

 いい虫は人に蜜を与える。どんな生物も、人間に良否を与える。

 ふぐは毒だが、養殖のふぐは無毒である。その理由を私はしらない。


(トラフグ)

 ※今日の俳句
   大寒を過ぎて少しく暖かし
   ひとし





きのこと菌類

2018-01-10 05:57:08 | 生物

(NEVERまとめより引用。)

 意外にきのこを食べたことがない。シイタケとマツタケとナメコとシメジくらいだろうか。

 私にとって、シイタケは調理によって食べやすいのとそうでないのとがある。私は丸のままのシイタケがダメだ。例えばシイタケの天ぷらや串焼きのシイタケだ。

 五目寿司に入れる煮しめたシイタケの刻んだものは、とてもおいしく、それがなければ五目寿司とは言えない。

 きのこは魅力的な食べ物だ。種類が多いし、おいしい。でありながら有毒な種類がたくさんある。ハンガリーのほうだったかの市場には国営のキノコ鑑別所があって、有毒かどうか鑑定をしてくれるらしい。(なぜ生物に毒があるかはすでに述べた。2012-09-04。)

 マツタケは吸い物が一番おいしいと思う。貴重なマツタケを15本くらいもらったことがある。多すぎて処理に困った。焼きマツタケにしてみたが、さほど感動はなかった。マツタケは土瓶蒸しに少しだけ入っているのが一番だと思った。

 シメジやナメタケやマイタケもおいしい。でもきのこばかりではなあ。

 ※今日の俳句(秋)
   爛々と晝の星見え菌(きのこ)生え
   虚子

無重力で生命は維持できない

2017-12-26 18:12:25 | 生物

(空想上の宇宙ステーション。KUMAより引用。)

 むかしのSFに出てくる宇宙ステーションはみなドーナツ型だった。ドーナツを回転させて外側に向けて重力を発生させるためだ。

 現実の宇宙ステーション「きぼう」は無重力である。ここでは生命が維持できない。たとえば植物は根を生やす方向が分からない。

 無重力はあらゆる代謝系に異常を与えるだろう。このたび、その実証に無重力滞在をする金井さんは大変だと思う。

 金井さんには無重力が異常を与えない代謝系を発見してほしいものだ。

 ※今日の俳句(冬)
   小雪降るなか腰かける古ベンチ
   ひとし(豊橋)

犬には骨をかじることが必要

2017-12-20 00:07:33 | 生物

(ドッグフードの広告。リーズンホワイより引用。)

 犬には硬い骨を食うことが必須である。骨を齧ることによって犬は歯石を掃除し、口腔内の衛生状態を保つことができる。

 現在のドッグフードは柔らかすぎるのではないか?それとは別に骨を与えることが常識なのだろうか?

 人間も同じである。自然界には砂糖のように甘いものや、プリンのように柔らかい食べ物はまず存在しない。自然界にめったにないものを美味しく感じ、それらばかりを食べるのは不健康である。

 甘いもの柔らかいものによって虫歯ができる。虫歯は天下人以外にはありえなかった。現代人はみな、むかしの天下人しか食べられなかった食べ物を食べられるようになった。

 これは実は不健康なことではあるまいか?

 ※今日の俳句(冬)
   吹きし朝土間に枯葉の二三枚
   ひとし(豊橋)

生物分類学は学問たりうるか?

2017-11-21 02:57:16 | 生物

(人間の骨格。コトバンクより引用。)

 生物の分類はまず脊椎動物門と無脊椎動物門に分けられるのが古典的である。だが、これは人間を基準としている。人間が有脊椎だから、それと無脊椎を対にして分けたと考えられる。(そのため菌類は含まれていない。)

 最初にどういう門(もん)を持ってくるかは実は任意である。目があるなしで分けても、鱗があるなしで分けても、外骨格と内骨格で分けても同じである。すなわち生物の分類というものは押しなべて任意(勝手)である。だから、どんな分類をしても、どこにも当てはまらない種が出てくるのだ。

 したがって分類学とは、ある程度の目安をつけるのには役立つが、純粋な学問として確立できるかどうかは別問題だと私は思う。

 ※今日の短歌
   君の着る淡いピンクのスカートに僕も合わせて出かけたあの日
   河野信一(大分県)

「すき間産業」としてのコンドル、ヒゲワシ

2017-09-03 08:33:35 | 生物


(ヒゲワシ。ウィキペディアより引用)。

 世界には「すき間産業」のような生物がいる。大きいのだとコンドルやヒゲワシがそれである。

 コンドルは死んだ牛や鹿などの腐肉を食べてきれいにする。大型動物はこれによって骨だけになる。もう一種類、ヒゲワシは肉は食べない珍しい猛禽である。ヒゲワシはなんと骨しか食べない。

 骨を上空から落とすなどして食べやすい大きさにする。それを飲み込んで強力な胃酸で消化する。大型動物の遺骸は、こうして跡形もなくなる。そのまま土に帰るのではなく、途中の過程でコンドルやヒゲワシを養うのだから、まことに合理的である。

 火葬に使う木が少なく、土葬にするにも寒冷で穴を掘りにくいチベットの鳥葬はよく考えられている。(鳥葬にかかわれるのは、人望のある青年だけだとか。「葬らいの方法」2007-04-26 参照)。

 ※私の俳句(秋)
    耳鳴りのごとくケラ鳴く田舎宿


生態系の絶妙さ

2017-09-02 20:45:57 | 生物


 上の動画は有名なカッコウの托卵である。ヨシキリの巣に産みつけられたカッコウの卵は、ヨシキリに温められる。だがカッコウの卵はヨシキリの卵より先にふ化し、ふ化したカッコウのヒナはヨシキリの卵を巣からだしてしまう。

 まったく悪魔の仕業のように見えるけれども、実はヨシキリの種の保存にも役立っている自然の営みである。ヨシキリを間引くことによって、ヨシキリが同じ環境下で過密となり、共倒れになることを防いでいる。(「生存競争」という考え方だけでは、すべてを説明できない)。

 自然界ではただ一種のみが繁栄することはありえない。エサ(被捕食者)が多くても少なくてもいけない。捕食者が多すぎるとエサがなくなり、今度は捕食者のほうも生きていけない。捕食者が少ないと、エサが増え(エサも生物であり何かを捕食しているから)今度は「エサのエサ」がなくなってしまう。

 生態系はこうした絶妙なバランスの上に成り立っている。

 毒をもった生物が存在するのは、その生物の自己防衛のためではない。有毒生物の捕食者は死んでしまい、食べてはいけないとの学習ができない。だが有毒生物は、じつは捕食者の個体数の調節に役立っているのではないか?(「毒をもつ植物が存在するのはなぜか?」2012-09-04を参照)。

 ※私の俳句(秋)
    敗荷(やれはす)の波にさからふこともなく

細胞液は循環している!?

2017-07-27 07:35:29 | 生物

(細胞内の構造。理研プロジェクト(株)より引用。)

細胞内の液は流れていると最近知った。そんな流れがあることは高校でも大学でも教わらなかった。

でも、かんがえてみれば当然である。先日述べたTCAサイクルを進行させる酵素は多くがミトコンドリアに存在する。酵素がなければ(TCAサイクルがミトコンドリアの酵素に接触しなければ)化学反応が起こらない。(生命が維持できない)。

なるほど!細胞液には循環が必要なのだ。

でも、それでは細胞液循環のためのエネルギーはどこから供給されているのだろうか?生命体はほんとうに不思議のベールに包まれている。


 ※私の俳句(夏)
    旅の夜の明けて夏霧一面に    

葉緑体のはたらき

2017-07-18 19:03:47 | 生物
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(TCAサイクル。ブログ「高校生物のお勉強」より引用。)

上のような円環状の化学反応が発見されてノーベル賞を受賞したのは戦前のことである。これをTCAサイクル(クエン酸回路)と呼び、有酸素生物が生存に必須な補酵素が生産される。

(補酵素とは酵素を触媒とする反応に必要なアデノシン3リン酸など。ふつうの酵素より分子量が少なく、化学構造が記載可能。ビタミンなども補酵素の一種である。これらの化学反応は電子をやり取りするので、電子伝達系とも呼ばれる)。

植物は太陽光をでんぷんに変換して生きている。そのためには葉緑体が必要だが、私が中学高校時代(約50年前)には、葉緑体の具体的な役割はまったく謎だった。

ところが現在では葉緑体をめぐって円環状の化学反応系が4個もわかってきた。(今後さらなる反応系が見つかるかもしれない)。生命とは複雑きわまるものである。

私がTCAサイクルを習ったのは大学においてであった。現在は高校で教えられる。今の高校生はたいへんだなと思う。

私の母校は変な高校で、量子力学を教わった。だがしかし、量子力学は日本の明治大正時代にもっとも進歩した。つまりTCAサイクル発見よりずっと以前の話である。発見された時代がこれからどんどんが若くなっていくと、中高生の負担は想像を絶する。

ゲノムについても教えられるようになるのだろうか?細胞核内の染色体から2重螺旋を習って、ゲノムに行きつくまでだけでも容易でないのだ。(私もそれだけで苦労をした)。

でも、そうでもしないと日本が人口の割にノーベル賞が多いのがなくなるかもしれない。(中国は人口の割に平和賞など1,2名しかいない)。


 ※私の俳句(夏)

    天ぷらの手許あざやか夏料理

(「にほんブログ村」のほうは現在、誤動作中です。順位の一覧表が正しく表示されません。しかし、当ブログは2位まで上昇してきたことが分かっています)。

こんな動物園があるんだぁ・チューリッヒ動物園

2015-08-11 04:18:40 | 生物

(チューリッヒ動物園のオランウータン。チューリッヒ動物園のHPより引用。)

 前に上野動物園を例に挙げて動物園を批判した (2014-04-06) 。子どものころ、狭い檻の中で往復運動をやり続けている熊を見ても面白くなかったからだ。野生動物は人工的に飼うとノイローゼになるらしい。檻の熊がそれだった。

 野生動物には一定のストレスが必要で、なんの努力もなしに餌を与えられ続けると、高等動物はかえっておかしくなってしまうそうだ。

 それを防ぐ思想のもとでスイスのチューリッヒ動物園は運営されている。例えばオランウータンの場合、迷路のような箱から苦労して餌を取り出さなくては食物にありつけない仕掛けがなされている。

 野生のライオンが狩りに成功する確率は30%くらいで、自然界では狩りの努力が報われない確率のほうがずっと高い。そこでチューリッヒ動物園では、ライオンが何回もトライしないと餌にありつけないように工夫をした。餌箱に扉があって、ライオンがあきらめずに繰り返し努力をすると、ようやく30%の確率で扉が開くようになっている。(扉は締まっていても、肉の血の匂いだけはライオンが嗅げるように作られている。)

 こうした発想に賛同する動物園は多いだろう。上野動物園もきっと、そのようになる。


※真夜(まよ)、目覚めて詠める

  中村主水てふハマリ役で生きてをり藤田まことは真夜のテレビに (豊橋市)中里ひとし

進化の原因のひとつはウイルスやバクテリアの感染ではないか?

2015-06-25 04:54:09 | 生物

(サポウイルス。島根県のHPより引用。)


 進化の突然変異説には無理がある。植物の1株だけに起こった突然変異が、人間の手を借りずに種全体に行きわたるとは考えにくいからだ。

 もしかすると、遺伝子進化はウイルスやバクテリアの感染によってもたらされるのかも知れない。ウイルスでもバクテリアでも病原性をもつものは僅かで、大多数は無害である。

 無害のウイルスやバクテリアが蔓延して、なんらかの有用な遺伝子を(バクテリオファージやアグロバクテリウムのように)ばらまけば、種全体の遺伝子が一挙に変わり得る。

 こんなことは遺伝学者や微生物学者がとっくに考えていることかも知れないが・・。


※今日、気にとまった短歌

  柔道の試合に敗れし子は吾の横をすり抜けコーチへ向かう (長野市)原田りえ子

細胞内には流れがある

2015-01-25 07:53:27 | 生物

(iPS細胞。京都大学 iPS 細胞研究所CiRAより引用。)

 生命体はおびただしい数の酵素により、細胞内でいろんな化学反応がひきおこされて生命活動を営んでいます。ここまでは漠然と知っていました。

 原形質(細胞内液)はゆっくり流れているのだそうです。これを「原形質流動」といい、そんな流れがあるとは学校で習いませんでした。(この仕組みがはっきりしたのは1970年代だから私が習わなくても当然ですが。)

 この流れがなんのためにあるのかというと、酵素が物質と出会う機会を増やして化学反応を促進させるためだそうです。実験で反応を促進させるためにビーカーを掻きまわしたりしますよね。同様のことが「原形質流動」によって行われているわけですね。さいきん知って驚きました。


※今日、気にとまった短歌

  旅行中新幹線に2人きり変わる景色は同じ窓から (松浦市立志佐中学校)楠田修大

人間の異常な食事

2015-01-20 05:25:49 | 生物

(バクの食事。上野動物園のHPより引用。)

 四川料理の激辛マーボ豆腐が好きな人がいます。あのように辛いものを普通の哺乳動物は食べられるのでしょうか?たぶん辛すぎて食べられないでしょう。

 いろんな面で人類は他の動物のように自然ではありません。火が通った肉や熱い飲み物は自然界には存在しません。自然界に存在しない食べ物こそ「おいしい」と感じるのは、それだけ人類がおかしく進化してしまった証拠ではないでしょうか?


※今日、気にとまった短歌

  若者は言葉遊びに敏感でひとりの事をBOTTIと記す (名古屋市)川面得英

可視光線だけが見えるのはすべての動物に共通!?(進化論雑考3)

2014-12-08 05:59:24 | 生物

(SHARP,AQUOS TECHNOLOGYより引用。)

 哺乳類にも爬虫類にも鳥類に魚類にも昆虫類にも視力があります。ところが、すべての生物にとって見える光の波長は可視光線なのだそうです。電波が見える電波望遠鏡のような生物や、X線が見える感光紙のような生物はいないのだそうです。(昆虫類は人間よりもやや紫外線側が見えるらしいですが・・。)

 いろいろいる生物なのに、なぜ揃いもそろって見えるのが可視光線だけなのか?そこには水の性質が影響していると考えられています。

 つまり、水は可視光線に対してだけは無色透明ですが、それより長い波長の電磁波も短い波長の電磁波もすべて遮断してしまいます。だから、水中では可視光線以外は見えにくく、可視光線以外の電磁波は生物にとって情報になり得ないからということです。


※ 今日、気にとまった短歌

  銀杏散る図書館までの真つ直の路を幾度も歩きたき街  (明石市)小田慶喜

面倒な有性生殖が行われるわけ(進化論雑考その2)

2014-12-07 05:06:17 | 生物

(国家教育資料館、Bio-serendipity より引用。)

 ケンブリッジ大学の数学者の計算では、生物の変化が環境の変化に追いつく速度は、突然変異だけによる進化より、有性生殖による進化のほうが3×10の9乗倍も速いのだそうです。

 「獲得形質は遺伝する」としたラマルク的進化だと、子孫はただちに環境に追いつきます。しかし、環境に影響されないダーウィン的進化では、環境の激変があっても子孫全員はおちこぼれないので、絶滅をまぬがれます。(だから、有性生殖はめんどうでも存在価値があるそうです。)

 他方、人間の文化は蓄積されラマルク的な進化をするので、環境が激変するとまずいことになると、その数学者は言っています。