院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

このたびの地震に寄せて(13)

2011-03-31 13:15:05 | Weblog
 福島原発事故にかんするマスコミの報道があいまいである。何度報道されても、あいまいな物はいつまでたっても、あいまいなままである。私は大学受験に迫られて核物理学を勉強した。そして、自分でいうのもナンだが、知識の量としては国民の平均よりは上だろうと思っている。その私が分からないのだもの、多くの国民が分からないだろう。

 まず、マスコミは原子炉が「爆発」というけれども、水蒸気の圧力による「爆発」なのか、恐るべき「核爆発」なのかが分からない。

 「猛毒のプルトニウム」というが、猛毒とはヒ素や塩素のような毒なのか、それとも放射線をそう呼んでいるのかが分からない。

 「何万倍検出された」とは伝えても、では絶対量はナンボなのかを伝えない。分母がゼロに限りなく近づけば倍率は大きく変わるので、倍率だけを伝えることは無意味である。

 マスコミは施設内の放射線量と近隣や海水の放射線量を同時に伝える。まさかわざと混乱させようとしているのではないだろうが、施設内の放射線量は現場で作業にあたっている人には重要だが、一般国民にとっては重要ではない。

 私が一番知りたいことはただ一つ。原発にある核燃料の量は分かっているはずだから・・・

  「原発が核爆発したら、どのくらいの規模になるか?」

だけである。広島の原爆の規模に較べてどうなのか?とっくに分かっているはずの事が報道されない。

 専門家の友人に聞いたら、原発が核爆発することは、原理的にあり得ないのだそうだ。プルトニウム自体も有毒だが、放射線のほうが有毒とのこと。

 いま原発にある核燃料の量を報道せよ。それによって、今後被害がどの程度になっていくかは、専門家なら分かるはずである。

裁判員制度批判ふたたび

2011-03-30 06:27:57 | Weblog
 私はこのブログで裁判員制度反対を表明し、裁判員は全部、公務員になるだろうと予測した。(2008-12-7)

 それは1週間も10日も仕事をあけられるような人は公務員しかないからでる。しかも、そこそこの見識をもった人も公務員しかない。

 裁判員はしばしば記者会見を行うが、その堂々たる意見は聞くに値する。一般国民からランダムサンプリングしたなら、ちょっと格落ちの国民とか時間が余っているニートのあんちゃんなどが必ず混ざってくるはずなのに、これまでの裁判員の発言からは、そのような匂いを感じない。

 この事実は、裁判員の選出に偏りがあることを物語っている。私のように自営業者はまずダメ。普通のサラリーマンでも、そう何日も休みは取れないだろう。だとすれば、一定の見識がある人というと、主婦や年金生活者、それに公務員しか残らないのである。

 裁判員は名前はもちろん、年齢職業があかされない。これは裁判員のプライバシーを守るというよりも、メンバーが公務員に偏りすぎているのを隠蔽するためだと勘ぐりたくなる。

 年齢と性別はセットにして明かされるのが、医者の世界では常識である。それでもプライバシーは守られる。性別だけが(記者会見などで)明かされて、年齢が明かされないのはいかにも不自然である。

PTSD概念の胡乱(うろん)さ

2011-03-29 06:58:01 | Weblog
 このたびの震災と福島原発の問題が一段落したら、PTSD(外傷後ストレス障害)の文字がメディアを賑わすだろうことを考えると、気が重くなる。

 実はPTSDは純粋な疾病概念ではないからである。

 アメリカ精神医学協会が1985年、公式にDSM-Ⅲ(精神疾患の診断統計マニュアル第3版)を出した。アメリカは当時、無気力状態になっているベトナム帰還兵をどういう名目で補償するか困っていた。

 ベトナム帰還兵に補償を与えようとする政治的圧力が、DSM-ⅢにPTSDを潜りこませることに成功した。晴れてPTSDは補償の対象となった。

 その後、PTSDは当時のフェニミズムの風潮もあって、レイプ被害者にも生じるとされ、児童虐待などあらゆる心的外傷(トラウマ)がPTSDの「原因」となると理解されるようになった。その旗振り役の1人がJ.ハーマンで、彼女は『心的外傷と回復』(みすず書房)を著し、何かの賞をもらった。

 アメリカでは、幼少期のまだ記憶が定かではないころの「トラウマ」さえPTSDの「原因」となるとされ、そのため、なんと子供が親を訴えるという事件が続出した。その親たちは虐待したことなぞないので、驚いた。後になって、当該の子供たちは精神分析医などの「専門家」によって、幼少時に虐待を受けたと思い込まされていることが判明した。

 このようにPTSDは数奇な運命をたどり、人類学者A.ヤングは、PTSDがどのようにして「作られて」来たのかを解明し、『PTSDの医療人類学』(みすず書房)を書いて、これも何かの賞を受賞した。

 一方、DSM-Ⅲは改訂改定され、DSM-Ⅳが出されたけれども、PTSDは温存されている。そもそもDSMは、我が国で評判が悪いマニュアルだった。DSMが採用した操作的診断基準は浅はかで、この基準にのっとれば素人でも診断ができてしまう(と錯覚する)ようなシロモノである。DSMはマニュアルの厚さに比べて、極めて薄い内容しかもっていない。

 今回紹介した書物は、阪神淡路大震災を体験した神戸大学精神科教授・中井久夫氏(現名誉教授)が翻訳のすべて、あるいは大部分にかかわっている。当時の神戸の知識人が身につまされて選んだ書物だから読み応えがあるし、翻訳にも力がはいっている。

飲食店のBGM

2011-03-28 13:46:31 | Weblog
 最近のBGMを聴いていると、明らかにモダンジャスが多い。

 中華料理店も喫茶店もモダンジャズが多い。居酒屋なぞはほとんどモダンジャズだ。ホテルのBGMはさすがにクラシックだけれども、いずれモダンジャズになるのではないか?

 モダンジャズと言ってもいろいろあって、BGMで使われるのは1960年ころの演奏に集中している。なぜかというと、その時代のモダンジャズが最も耳に優しいからだ。

 モダンジャズ以前、すなわちスイングジャズも耳障りではないが、ベニーグッドマンなんかがかけられていると、いかにも古めかしい印象を与える。(30年前はベニーグッドマンもBGMに使われていたのだが)。

 ジャズの歴史については、おいおい述べよう。クラシックがある時点でそれ以上発展せずに、現在でもモーツァルト、ベートーベン、ショパンが演奏され、鑑賞されていることからも分かるように、モダンジャズもある時点で完成されてしまったのである。

 これらのことは、おいおい考察していこう。

お笑いブーム

2011-03-26 22:20:30 | Weblog
 いま「お笑いブーム」である。お笑い芸人の社会的地位も上がった。芸人が美人女優をめとる時代である。

 私にとっては今のTVがやかましい。お笑い芸人たちがギャーギャー言っているだけのような感じがして、チャンネルを変えるか、TVを消してしまう。

 いま活躍している芸人のほとんどが、将来までは残らないと思う。なぜなら面白くないから。

 「爆笑問題」や「ウッチャンナンチャン」は残るかもしれない。

 1980年ころ「漫才ブーム」というのがあった。このときも面白いのはごく一部だった。ビートたけしさんや島田伸介さんは、当時から面白かった。だから、現在でも生き残っている。

 たけしさんは今や世界的な有名人だ。私は映画のことはよく分からないけれども、彼の批判精神は痛快だ。

 曰く、お笑いは衣食足りて夜も眠れる人には必要だが、地震の被災者に対して芸人は何もできない。できることは静かにしていることだけ。

 曰く、災害時に政治家が作業服着て、どうするコノヤロ。

 曰く、(蓮ホウ大臣とは名指しはしていないが)作業服の襟立ててどうする。宝塚かバカヤロ。

 こうした高度の常識性に裏打ちされているから、彼のギャグは面白いのだ。

金山駅老女刺殺事件

2011-03-25 11:11:24 | Weblog
 名古屋、金山駅の老女刺殺事件がふたたび報道された。検察審査会が起訴相当としたからである。

 検察審査会はポピュリズムである。小沢一郎氏について2度も起訴相当とした。世論に迎合しているというか、検察審査会が素人で構成されているので、組織自体が世論といってもよいかもしれない。

 だが、このたびの金山駅老女刺殺事件は、いちど検察のこれまでのやりかたを再考するのに、よい機会だと思う。

 それは、いわゆる起訴前鑑定に私はつねづね疑問を抱いてきたからである。起訴前鑑定とは、検察が起訴する前に精神科医に頼み、心神喪失かどうか精神鑑定する習慣である。

 我が国では検察が起訴した犯罪の99%以上が有罪となっている。異常な高率である。金山刺殺事件も起訴前鑑定で、精神科医が心神喪失と判断したから、不起訴となっていたのだろう。

 起訴前鑑定は、あまり時間をかけない。私も頼まれたことがあるが、あまりに安易だと思ったので断った。

 検察は裁判で負けると分かっているから、心神喪失を不起訴としてしまうのだ。荒っぽく言ってしまえば、検察の成績を上げるためである。

 私は一度は起訴して、裁判所が本式の精神鑑定を依頼すればよいと考えている。裁判所の依頼による精神鑑定は、もっと丁寧に行われる。「鑑定留置」といって、一定期間、精神科病院に「留置」し、何日間もかけて鑑定が行われる。

 そのようにして、心神喪失が認められれば、裁判所が無罪の判決を出せばよい。そのような手間を省いて、起訴前鑑定だけで不起訴にするというやり方は、検察の越権行為であると私は思う。

 長い目で見れば、そのようにした方が国民に対しても、事件を起こさない圧倒的大多数の患者に対しても、事態を透明化するのに役立つだろう。

このたびの地震に寄せて(12)

2011-03-24 14:55:41 | Weblog
 この欄の地震や原子炉事故に関する情報は、現在、専門家になっている中学高校の同級生からメーリングリストによってもたらされることが少なくない。そのため、しばしばこの欄の記載は報道よりも早くかつ正確である。

 放射能汚染に関する情報。以下は北海道大学教授で海洋物理学が専門のK君の見解(要約)。

(1)海流が南下するため、(親潮と対馬海流のなれのはてである対馬暖流と「地衡流」の影響による。)福島原発以北では海水が汚染されることがない。

(2)河川の水は海水より軽く、それらは容易には混ざらない。

(2)海流は銚子あたりで東に流れ、東京湾までは来ない。

(3)空気は2ヶ月で地球を一周するけれども、海水は2000年かかる。50年前の核実験による汚染が、まだ200分の1しか海水に沈んでいない。したがって、世界中の海水が汚染されて、魚が食べられなくなることはない。

(4)生物濃縮がありうるが、魚は回遊しているので、全く問題ない。現地の動かない底魚、貝、海草が問題となるが、(公式には言えないが)ホンネでは問題ないと考えている。

 次は環境衛生研究所の所長で医者でもあるK君の見解(要約)。上のK君とは別人。

(1)(自分はは厚労省や文科省と接触があるが)政府は、国民の被曝リスクは峠を越えたという認識だと思う。

(2)自分の研究所も毎日24時間、大気や下降物の放射線を測定して文科省に上げている。それを基礎データとして、文科省が発表している。

(3)今後、放射線が人体に危険な値となることはありえず、データは下降していくだろう。

(4)水道水は遅れてデータが上がるが、今後下がっていく。

(5)汚染野菜はデータがはっきりしているので、むしろ安心して食べられる。

(6)データを発表しつづけているのは、役人は法律に従わなくてはならないからで、危険だからではない。これは健康危機管理の常道である。

(7)問題はむしろ放射能による健康被害ではなく、報道による(研究所職員の)健康被害である。職員は疲弊している。理論上ありえない被曝による健康障害より、メディアからのプレッシャーによる職員の健康被害のほうが脅威である。

(8)メディアは被災地のルポが一段落して、余った力が放射線報道に向かったと考えられる。

国連軍によるリビア爆撃

2011-03-23 09:40:58 | Weblog
 仏英の「国連軍」がリビアを爆撃したという報道があった。伊もしぶしぶ参加しているようだ。伊はリビアと地理的に近く、難民の襲来を怖れているらしい。米も参戦した。

 これら先進国の行動は、石油目当てとしか思えない。

 米国がイラクを攻撃してサダム・フセインを抹殺してから、シーア派とスンニ派の対立が表面化し、イラク情勢は混迷したままである。サダム・フセインは、それまでイラクの安定には寄与してきたのである。

 今回のリビア爆撃も石油が欲しいだけだと私は思う。イラクは石油をもっていたから攻撃された。北朝鮮には石油がないから攻撃されない。

 爆撃国は「国連軍」というお墨付きを得ているようだが、そもそも国連にそんな権威があるとは思えない。我がハマコーは国連を「ヤッチャ場」と批判した。正論である。

 日本もさっそく「国連軍」支持を言った。外交の駆け引きの中で、それ以外の選択はなかっただろう。

 カダフィはそんなに悪人だろうか?少なくともかつてはアフリカ共和国という構想をもった人物である。米の奴隷貿易や欧州の植民地政策にしいたげられてきたアフリカである。アフリカが一致団結して西側先進国に対抗しようという姿勢は理解できる。

 そもそもリビアの政府軍が市民を爆撃したというのは、誤報か虚報だとの説もある。だが、これは風評である。

このたびの地震に寄せて(11)

2011-03-21 18:25:55 | Weblog
 牛乳とホウレンソウが放射性物質で汚染されているという。

 一日何リットル、一日何グラム一年間食べても、レントゲン何回分で安全だという。

 完全に勘違いしている。きれい汚いの問題ではないのである。気分の問題である。

 例えば、便器の形をした皿で、カレーライスが食えるか?いくら清潔でも、食えるか?

 そういう問題だから、安全なら発表しなければよい。もっとも発表しなくて、あとで分かったら叩かれるから、発表したのだろう。

 つまり、この牛乳とホウレンソウは、廃棄するよりないのである。

閑話休題

2011-03-20 15:11:52 | Weblog
 このブログをあとから読んでいる方は、マスコミ報道と同じようなことが書いてあると思われるかもしれない。

 マスコミ報道をそのままブログに書くなんて、つまらなくて私にはできない。右上のタイムスタンプと報道の時間を照らし合わせていただきたい。

 最近書いていることは、マスコミ報道より1日か2日早いのである。つまり、将来の見通しを予言的に書いている。それが当たったので、マスコミ報道を引き写しているように見えるだけである。

 この欄ではすでに 2006-07-04 の記事で、マスコミはなぜ検察を批判しないのかと書いている。マスコミが検察批判を始めたときには、「やっと始めた」と書いた。2,3年前のことである。いま、検察批判はまっさかりである。

 2006年は「ホリエモン」叩きがすさまじかった。上と同じ記事で「ホリエモン」は無罪になると予測した。高裁では有罪となったけれども、最高裁では差し戻し無罪になるだろうと今から予測しておく。

 医療が崩壊すると 2006-10-13 の記事で予測した。小児科、産婦人科などではすでに崩壊しつつあることは、みなさんご存じのとおりだが、さらに崩壊していくと予測しておく。「聖域なき構造改革」で、小泉純一郎元首相が、聖域である医療費まで削ったのでこうなった。医療費は増額しなければならない。

 小学校での英語教育がじきに始まる。2007-11-24 の記事で、私はそれに反対した。現実に実施されれば、多くの批判が出てくるだろう。問題はまず、英語の読み書きのあたりで顕在化することを、今から予測しておく。

 現在ただ今のホットな話題について一言だけ述べる。ヨウ素剤について、不正確あるいはウソの情報が飛び交っているけれども、以下の日本甲状腺学会が推薦するサイトは信頼できる。

http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/index.html

このたびの地震に寄せて(10)

2011-03-19 17:48:05 | Weblog
 東京電力が批判されている。東電は独占企業で、競争がないから、お役所的になる。本省の言うことを聞いていればよいので、目は消費者よりも監督官庁に向く。

 知り合いが「原材料が値上がりすれば、料金をあげればよい」と言っていたことは、すでに述べた(2009.2.7)。

 彼の所属はガス会社であって電力会社ではないけれども、ガス会社も独占だから、電力会社と同類だろう。

 彼はガス会社では、パワハラは問題にならないと言っていた。終身雇用で競争がないと、パワハラされても、じっと我慢していれば、やがて自分がその立場に立てる。

 このたびの原発事故では、初めのほうの東電の会見で、役職者がしきりと何々の法律に基づいて云々と言っていたので、彼は文科系だなと私は察した。

 つまり東電という会社は一種のお役所なのである。

 会見は副社長までで、社長がちっとも出てこないのを不思議に思っていた。中学高校の同級生I君も、社長の清水正孝氏が出てこないのはけしからんと怒っていた。そうしたら、3月16日に社長が会見した。

 同じく同級生のO君は、たまたま清水正孝氏と姻戚関係にあって、「彼はすべてを片付けてから、引責辞任するだろう」と推測している。

 昔、日本航空は半官半民だった。郵政は民営化されても半官半民である。私には会社組織が半官半民という、そのこと自体がよく理解できない。これは、半官半民が悪いというのではなくて、ただ私の知識がないだけである。

このたびの地震に寄せて(9)

2011-03-18 11:45:45 | Weblog
 ガソリン、乾電池、トイレットペーパーが購入制限されているか、または買えなくなった。これは買いだめによるものであり、各家庭がいつもより余計に買うと、こうなる。

 あすか製薬の福島工場が被災した。この工場は甲状腺ホルモン(商品名チラージンS)を造っている。甲状腺ホルモンは、糖尿病におけるインシュリンのようなもので、甲状腺機能低下症の人には必須の薬である。

 福島工場が生産中止になったので、甲状腺ホルモンが不足する可能性がある。でも、多くの人が甲状腺ホルモンを買いだめしてしまって、市場から甲状腺ホルモンが消えるということはない。なぜかと言うと、この薬は要指示薬であり、医師の処方箋が必要だからである。

 医師は余分に甲状腺ホルモンを処方しない。だから余分に買えない。みなが余分に買わなければ、なくなることもない。

 要するに配給制度みたいなものである。食糧も配給制度にする必要があるかもしれない。

 ちなみに甲状腺ホルモンは数日間飲まなくても、どうということはない。何ヶ月も飲まないと、元気がなくなったり、浮腫が出てきたりするけれども、命にかかわることはない。

 昔、まだ甲状腺ホルモンの化学合成ができなかったころは、豚の甲状腺を粉にして服用していたのだ。もし、チラージンSが不足したら、元の豚の甲状腺に戻ればよい。

このたびの地震に寄せて(8)

2011-03-17 21:09:45 | Weblog
 このたびの原発事故で、三歳児殺しとリビアのニュースがふっとんでしまった。

 三歳児殺しは、精神障害者につらく当たる週刊新潮の本日発売分でも報道していないから、今後どのマスコミも報道しないだろう。

 むろんリビアは報道されている。アルジャジーラのホーム・ページによれば、カダフィ軍が盛り返しているようだ。先進諸国は飛行禁止区域を設定するかどうかで、駆け引きを続けている。

 米国から帰国したばかりの友人によれば、米国のマスコミは、まるで日本が放射能をばらまいているとも受け取られるような報道姿勢だそうである。彼は「自分で原爆を落とした国とは思えない」と怒っていた。

 東京の各国大使館は大阪方面へ業務の引越しをしているし、オーストラリア大使館なぞは閉鎖して、スタッフ全員が帰国したという。

 フランスはチャーター機を飛ばして、邦人(フランス人)の帰国を助けている。フランス人男性を夫にもつ日本人女性が情報源だから確かである。

 言葉も文化も半端にしか理解していない外国人が帰国したい気持ちは分かる。でも、平和になってから、また来日しても少しは白い目で見られるかもしれない。

 ロシア大使館が東京で居座っているのは好ましい印象を与える。

 昔、中東で日本人が人質になったとき、まっさきに帰国したのはJALのスタッフだそうだ。商社マンの間では、JALは未だに裏切り者扱いされているという。情報源は日本の商社マンだから、これも確かである。

 この欄では、今後もなるべく確実性が高い情報を載せるつもりである。歴史で言う一次資料を重視して、「風聞」は引用しない。

このたびの地震に寄せて(7)

2011-03-16 17:19:04 | Weblog
 計画停電初日の東京の交通網の混乱ぶりを見て、私は日本人ってなんて勤勉なのだろうと思った。通勤できないといって東電やJR東日本を非難するなんて、少なくともチュニジア人には理解できないだろう。

 チュニジアは旅行をしただけで、住んでいたわけではないから、確かなことは言えないかもしれないけれども、チュニジア人は勤勉ではないと感じた。(チュニスの人がチュニジア人の代表ではないが・・。)

 チュニジアのチュニスの男たちは、昼間からカフェテラスにたむろし、エスプレッソ一杯(約30円)で何時間でもウダウダおしゃべりをしている。

 日本人の勤勉さが、かえって出勤時の混乱を招いたと思われる。

 どうも、このところ情報が錯綜している。こんな時は、きちんとした情報の峻別が必要だ。特に東京発や福島発の情報は一級情報だから、大切にしなければならない。マスコミの情報は当てにならないので、東京脱出を試みる人が出てくるのだろう。

 以下は中学高校の同級生で、早稲田大学理系研究所の教授K君からの本日午前10時46分の情報(要約)。

(1)今の東京での放射線強度の報告値は毎時0.8マイクロシーベルト。
(2)これを約4ヶ月浴び続けると、やっと人間が1年間に自然界から受ける放射線量2400マイクロシーベルトに等しくなる。
(3)つまり今の放射線レベルであれば、当面問題ない。
(4)法律上での規制値は1000マイクロシーベルト/年だから、さらに余裕がある。
(5)この値が東京都のどこでもそうかということになるが、茨城県・埼玉県の測定値を見ていると今のところ妥当。
(6)今後の原発自身の問題は、情報が少なく判断は難しい。
(7)原子炉のQ&Aのページは次がかなり信頼が置ける。

http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=956

このたびの地震に寄せて(6)

2011-03-15 13:59:50 | Weblog
 ただいま昼休み中。東京中野区在住の妹の情報によれば、中野区ではスーパーマーケットに長蛇の列ができているという。食品の買いだめで、すぐに品物は底をつくだろう。

 こうしている間にも、放射能に関する情勢は刻々と変化しており、東京はすでにパニックといってよいだろう。

 そこで思い出すのが、石油危機の際のトイレットペーパー不足事件。あのとき、トイレットペーパーは十分にあったのだが、多くの人々が余分に買ったため、市場からトイレットペーパーが消えた。

 当時は生産工場が出し惜しみしている等の風評が飛び、デモ隊が「トイレットペーパーを出せ」と工場に押しかけた。

 みんなが少しづつ余計に買っただけで、店頭からその商品はなくなる。トイレットペーパー騒動が収まってから、各家庭はトイレットペーパーの保管に困った。

 今回の乾電池も同じことだろう。騒動が収まれば、今度は余るに違いない。

 ここ愛知県豊橋市では、携帯ラジオは売り切れたけれども、ペットボトル入りの水は売れ切れていない。

 ここ数日は、東京の外から見た今回の騒動の様子をお伝えする。

 この頁もコメントを受け付けます。