院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

箴言と諺の違い

2012-11-26 05:52:52 | 日本語
 箴言とはものごとの本質をついた言葉である。たとえばニーチェの箴言などがそれである。

 一方、諺は必ずしも本質をついた言葉ではない。よくある出来事をたとえた言葉である。だから、諺には反対の意味をもつ諺が大抵ある。

 「トビがタカを産む」に対して「カエルの子はカエル」という諺がある。いずれも、よくある出来事である。ものごとの本質をついた箴言とは明らかに違う。

 「二度あることは三度ある」という諺がある。あまり知られていないが「一度あることは二度ある」という諺も存在する。これらを論理で結んでしまうと、「一度あることは三度ある」ということになって、意味をなさない。

 このように、諺はものごとの本質を言い当てたものではない。そんなことは、国語関係に素人の私が言わなくても、その筋では当たり前のことなのかもしれない。

 しかしながら私自身、若年のころは両者を混ぜこぜにしていたので、ひとこと言ってみた。