歳時記には現在使われなくなった言葉が載っている。「ネル」、「あわせ」、「ひとえ」など服装に関する用語は今の若い人には分からないだろう。歳時記が古い言葉を捨てないのは、歴史的価値を重んじているからである。
「菊人形」は秋の季語である。これは現在でも見ることができる。「菊師」は菊人形を作る職人のことで、これも秋の季語である。
幼いころ祖母に連れられて菊人形を見に行った。子供の目には面白くも何ともなかった。
大人になってから菊人形を見る機会があった。でも、やっぱり面白くなかった。出来の良くないマネキンが、服の替りに菊の花をまとっているだけである。物語もまるで昔の講談のような、ありきたりのものだった。
でも、ちゃんと菊人形展というのは、やっている。需要があるから、やっているのだろう。どのような人が菊人形を好むのか、いまもって不思議である。
私の俳句の師は、次のような名句を残している。
菊師来て静御前を横抱きに 浅野右橘
「菊人形」は秋の季語である。これは現在でも見ることができる。「菊師」は菊人形を作る職人のことで、これも秋の季語である。
幼いころ祖母に連れられて菊人形を見に行った。子供の目には面白くも何ともなかった。
大人になってから菊人形を見る機会があった。でも、やっぱり面白くなかった。出来の良くないマネキンが、服の替りに菊の花をまとっているだけである。物語もまるで昔の講談のような、ありきたりのものだった。
でも、ちゃんと菊人形展というのは、やっている。需要があるから、やっているのだろう。どのような人が菊人形を好むのか、いまもって不思議である。
私の俳句の師は、次のような名句を残している。
菊師来て静御前を横抱きに 浅野右橘