院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

菊人形は面白いのか?

2012-11-30 07:29:11 | 俳句
 歳時記には現在使われなくなった言葉が載っている。「ネル」、「あわせ」、「ひとえ」など服装に関する用語は今の若い人には分からないだろう。歳時記が古い言葉を捨てないのは、歴史的価値を重んじているからである。

 「菊人形」は秋の季語である。これは現在でも見ることができる。「菊師」は菊人形を作る職人のことで、これも秋の季語である。

 幼いころ祖母に連れられて菊人形を見に行った。子供の目には面白くも何ともなかった。

 大人になってから菊人形を見る機会があった。でも、やっぱり面白くなかった。出来の良くないマネキンが、服の替りに菊の花をまとっているだけである。物語もまるで昔の講談のような、ありきたりのものだった。

 でも、ちゃんと菊人形展というのは、やっている。需要があるから、やっているのだろう。どのような人が菊人形を好むのか、いまもって不思議である。

 私の俳句の師は、次のような名句を残している。

    菊師来て静御前を横抱きに  浅野右橘