院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ブランド牛がうまくない

2012-11-28 03:44:40 | 食べ物
 旅行に出て、旅先にブランド牛の肉があると食べるようにしていた。松坂牛、飛騨牛、近江牛などは一般に称揚されているけれども、現地で食べたとしても、びっくりするほどにはうまくない。

 それに較べると、私が医者になりたてのころ、街のすき焼き屋でびっくりするほどうまい牛肉が出た。値段はものすごく高かった。(当時、薬屋によるこうした医者への豪華な接待は普通に行なわれていた。だんだん縮小されて、今年からゼロになった。)

 最近はブランド牛でも、昔の高級な普通肉ほどには感動しない。最初は自分の舌が肥えただけかと思っていた。

 その後、名古屋市食肉検査所にルートを持つ人がいて、検査所から直接、ブランド牛でもなんでもない牛肉を5キロほど買ったことがあった。(むろん合法的に。)

 この肉がものすごくうまいのである。昔、接待で食べさせてもらった牛肉の味である。香りが一際高く、これがほんものの牛肉の味だと思い出した。

 つまり、私の舌が肥えたのではなく、うまい肉が出回らなくなったのだと分かった。最高級の牛肉は、検査所段階まで遡らなくては手に入らなくなったのだ。

 ブランド牛にも同じことが言えるのだろう。ブランド牛の本当にうまい肉は現地でも市中に出回らないのではないか?だとすると、本当にうまい肉はどこで誰が食べているのだろうか?

 リンゴ農家が無農薬の本当にうまいリンゴは市場に出さないと聞いた。同じようなことが牛肉でも行なわれているのだろうか?