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院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

医療費の膨張

2012-11-07 05:28:41 | 医療
 国民医療費は20年前は19兆円だった、それが現在では36兆円。なぜ2倍近くになったのだろうか?医者や看護師が増えたわけでも給料が上がったわけでもない。

 実は物価上昇を除いて上がっている分は検査料である。20年前はCTもMRIも現在ほどは行われなかった。前立腺がんの腫瘍マーカーのテストは存在しなかった。現在では開業医でCT,MRIをもっている所がある。

 もし検査をやらずに何かの病気を発見しそこなうと、手ひどい批判を受ける。だから、医者は検査をする。こうして、医療費が膨張してきたのである。検査結果は異常なしがほとんどである。

 だから、医療費の増大分はCTやMRIを作る会社が持っていったのだ。あるいは、腫瘍マーカーの検査会社が潤ったのだ。決して医者や看護師が儲けているわけではない。

 コンピュータの発達により、画像診断も飛躍的に精度が良くなった。デジカメの精度が良くなったのと同じことが、医療の世界でも起こっているのだ。

 そして、それらを使用すると、これまで見つけられなかったような病巣がまれに見つかる。まれに見つかることを保障するためには、それより何千倍も多い「異常なし」を産み出さなくてはならない。

 医療費の膨張は以上の結果である。決して医者や看護師が持って行ったのではない。

(昨日、きゃりーぱみゅぱみゅは海外で稼ぐべきだと書いたら、もう海外ツアーを行うと報道された。業界の連中はとっくに考えていたのだ。)