院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

不動産売買の厳しさ

2012-11-23 06:53:38 | 経済
 30年前、アパート生活からおさらばしようと思って、土地家屋を捜したことがあった。

 名古屋の丘陵地に南斜面できわめて住宅に向いた広い土地があった。ただ、そこはまだ開発されていなかった。地主(地元農家)が値上がりしてから売ろうとしているので、ここが販売されるのは20年後だろうと不動産屋が言った。

 当時の私には、名古屋にローンで土地を買ったら家を建てるほどの金が残らなかった。だから、中古住宅を名古屋のチベットと言われた場所に買った。(建物の値段はタダ同然だった。)不動産の世界はきびしい。サラリーマンではなかなかアパート脱出は難しいと知った。その中古住宅で私の子供たちは育った。

 マンションはあまり買うつもりはなかったが、販売されるのを観察していた。ニュータウンの分譲地(土地)の売り出しもウォッチした。なぜか、それらは一度には売られず、一期、二期と分けて売られていた。

 なぜ分けて売られたかというと、一期の販売でそ物件の人気度(価格)を測って、それを二期の値付けに生かすのだという。やはり、生き馬の目を抜くような世界である。

 名古屋に中古住宅を買ったとき、付随していろんな手続きが必要だった。不動産仲介手数料、不動産取得税、登記料、司法書士手数料など、予想外の出費になった。ローンを組んだら、抵当にした土地家屋の写真を業者が撮影しにきた。これまで揉み手をして近づいてきた銀行が、お金を貸す段になると、手のひらを返したように意地悪くなった。

 その中古住宅を最近売った。バブルの前に買ってバブルの後に売ったので、さして値上がりしていなかった。不正確かもしれないが、ローンを組んだときの値段を「割引現在価値」というらしい。ローンの金利を入れたら、売り値が「割引現在価値」大きく超えていたとは思われなかった。