坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ展

2011年02月24日 | 展覧会
エコール・ド・パリで活躍したフジタは裸婦像や猫を抱く少女像など陶器のような絵肌と細い面相筆による線の東洋的美学が一体となってピカソなどにも賞賛されたことで有名ですが、現在も多様な魅力を投げかけます。
ポーラ美術館(箱根)は、君代夫人の愛蔵品であった「朝の買物」裸婦「春」の2点の油彩を含むタイル画41点、十字架1点の計44点の作品を新たなコレクションに加え、本展で初公開されます。タイル画は〈小さな職人たち〉シリーズで可愛い童話的な世界が広がります。十字架の作品は、両面に油彩でキリストの姿が描きこまれ、フジタは亡くなるまで日々この十字架に祈りを捧げていたといわれています。

◆レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ/3月19日~9月4日/ポーラ美術館 TEL 0460-84-2111