坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

絵のある私的空間 ビュッフェ展

2011年02月11日 | 展覧会
ふと寄ったカフェなどに飾られた気に入った絵に出合うことがあります。銀座のドトールのカトランの絵は、かなり見ごたえのある大作でパリっ子になった気分がします。(でもいつもざわざわでゆったりコーヒーという感じではないのですが)
ビュッフェの作品は日本でもおなじみで、版画などはよく目にされていることと思います。1928年生まれで早くから絵の才覚を発揮し、黒い力強い描線で垂直にデフォルメされた人物や建物など、特徴のある黒の美意識はエスプリを感じさせ、私的空間のような親しみやすさを感じさせます。
ブラマンクなど近代フランス絵画のコレクションで有名な大谷コレクションから、日本も愛したビュッフェならではの作品も並びます。色彩の画家というより線の画家という印象が強いビュッフェですが、50年代から原色の鮮やかな色彩が画面を彩ります。
「カフェの男」など、人物、風景、家族を描いた作品26点が展覧されます。

◆ベルナール・ビュッフェのまなざし フランスと日本/3月19日~5月29日/ニューオータニ美術館  

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