坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

jジム・ダイン 主題と変奏 版画制作の半世紀

2011年02月13日 | 展覧会
1960年代、ウォーホルやリキテンシュタインらアメリカのポップアートの後期に活躍したジム・ダイン(1935年~)は、日常的に氾濫している物体や記号など今ではキッチュなありきたりのビジュアルを軽やかに画面に定着していきました。そこには70年代に顕著になる概念芸術(コンセプチュアル)な志向をのぞかせていました。
本展では、絵画、版画、彫刻、パフォーマンスなど幅広い活動を繰り広げてきたジム・ダインの版画の新たなピノッキオシリーズなど約150点で、彼の半世紀に及ぶ版画作品を紹介します。ボストン美術館との提携で興味深い展覧となりそうです。「ハート」や「ロープ」など身近なモチーフを描いたポップアーティストが現代までどのような変奏曲を奏でていったか、そのバリエーションを楽しむ展覧です。

◆ジム・ダイン/4月23日~8月28日/名古屋ボストン美術館・Tel 052-684-0101