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「みどりのマキバオー」から見る俺的マンガ論:その1

2005-01-24 17:54:53 | なんとなくマンガ。
あなたが一番好きな漫画は何ですか?

そう聞かれたら俺はあえてこの「みどりのマキバオー」を選びます。

この作品の完成度は、一見おざなりに見えて実は超一級品の仕上がりになっていると思うのです。

今回、このマキバオーを通して、俺の独断と偏見いっぱいのマンガ論を展開したいと思います。
長くなりそうですが、俺にとって今回のブログはいつも以上に魂込めてます。
それほどマキバオーに思い入れが強く、コレを通して何かを伝えたいな、って思ってます。どうかお付き合いください。


マキバオーが連載されたのは今から9年ほど前でした。ってもうそんな前なのか!
当時自分は小学生でした。若いね。

連載されていた雑誌は少年ジャンプ。僕らの愛読書です。
ジャンプは当時黄金時代真っ只中でした。

ドラゴンボールを始め、スラムダンク、るろうに剣心、幽遊白書にジョジョの奇妙な冒険他多数。身震いしそうです。
今では考えられない超豪華なラインナップです。

どのページを開いても名作。面白かった。
そんな中にこのマキバオーはありました。

連載開始時、マキバオーの評価は決していいものではありませんでした。
絵は汚い、話も大して面白くない。そんな感じでした。
そう長くはないだろう。
そんな気配がありました。


でも俺は作者のつの丸さんの前作、「モンモンモン」が大好きだったのでマキバオーを楽しみにしていました。
モンモンモンも絵は汚く、ストーリーもめちゃくちゃなとこはありましたが、すっげー笑えたし、泣ける話も多かった。

さてマキバオーはどうなる。
モンモンモンほどは続かないのだろうか・・・・なんて思ってました。


しかし。

マキバオーは大ブレイクしました。
アニメ化もされ、関連商品も売れた売れた。
つの丸さんの代表作品となりました。

これほど売れたのは非常に深いテーマがマキバオーに根付いているからだと、俺は思うわけです。

ここで少し「みどりのマキバオー」のストーリーについて。

簡単に言ってしまえば競馬マンガです。
マキバオーことうんこたれ蔵が主人公で、馬。
彼は馬とは思えないくらい体が小さく、ケツは大きく、足は太い。毛色は馬としては珍しい白毛でした。
競走馬として産まれたはずが、あまりにも醜い姿だったのでミドリ牧場の牧場主飯富源次郎は競走馬に育てることをあきらめます。
周りの同い年の馬にもなめられ、いじめにあいます。そんでもって極度のマザコン。


ここに、このマキバオーの一つ目のキーワードがあります。それはつまり「醜いアヒルの子」。
この醜いアヒルの子が、どうやって大物へと変身していくのかが見もので、それを読むぼくらは自然と勇気付けられます。


話は戻って。

そんな風に親離れもしないで毎日を過ごすたれ蔵でしたが、あるときその母親であるミドリコが借金のカタとして他の牧場へ連れて行かれてしまいます。

泣き叫ぶマキバオー。そしてその日の夜たれ蔵は硬い柵を破って牧場を抜け出します。

母親がいるヒゲ牧場への道の途中、たれ蔵はねずみのチュウ兵衛と出会います。
このチュウ兵衛が超重要キャラとなります。

チュウ兵衛と共に旅し、ついに母親と出会うたれ蔵。そしてそばに親がいなくても立派な馬になることを誓います。

母親と別れ、牧場へと帰る途中、たれ蔵は馬の調教師であり、源次郎の兄でもある飯富昌虎と出会います。
昌虎はマキバオーの潜在能力に目をつけ、競走馬として育てることを決意します。

こうして、うんこたれ蔵ことマキバオーの競走馬としての人生(馬生)が始まります。

たれ蔵は頼れる仲間や強いライバルに囲まれ、日本、そして世界の頂点を目指します。
トラウマで馬に乗れなくなった騎手山本菅助、黒き帝王カスケード、スタミナの覇者アマゴワクチン、ダート王ニトロニクス、クラシック牝馬アンカルジア、借金で牧場がつぶれてしまったモーリアロー、そしてなんといっても地方最強馬サトミアマゾン。


もうね、とにかくね。
競馬ファンだったら何回読んでも泣くよ。

とにかくツボだらけ。

当時俺は競馬ってものを知らず、これを機に競馬に興味をもち始めました。
俺の友達も皆好きになりました。
俺の世代に競馬ファンが多いのは、ナリタでもオグリでもなく、このマキバオーのおかげです。

そして、競馬ファンである今、この「みどりのマキバオー」を読み返すと、号泣します。

もちろん、競馬を知らなくても面白いし、泣けます。
でも知らない人はこれを読んで競馬を知りたくなるはずです。



さて。この漫画の素晴らしい点について深く考えてみなければなりません。
多くの人はマキバオーなんかより楽しいマンガはいっぱいあると思っているでしょう。
確かにそうかもしれません。俺の独りよがりで勝手な意見ではあります。
でもマキバオーは、そしてつの丸さんはドラゴンボールやスラムダンクに囲まれながら、いや、囲まれていたからこそ、他のマンガに負けない名作を作ったと思います。
もっと言ってしまえばドラゴンボールよりも面白いかもしれない。
ああ、コレは言いすぎかもですね。

と言うわけで次回、このマキバオーについて色々勝手なことを述べたいと思います。
久々に長くなりました。お付き合いいただいた方、ありがとうございます。

多分次も長くなります。

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