島田荘司氏の御手洗シリーズ第一作目。島田氏のデビュー作というのは読後初めて知りました。だからなのか、構成がちょっと奇抜で、他の作品から御手洗シリーズに出会った人には「おやっ」とフェイントを食らいけっ躓きそうになります。それでも作品に一貫している魅力的な人物像が描かれていて、島田氏の作品を知っている人もそうでない人もすんなり読み下すことができます。
さて、この作品は発表当時に異色(?)のデビュー作で話題となったことでしょうが、その後十数年を経て再度注目を浴びたことでも有名です。
マンガ「金田一少年の事件簿」、コミックの順番では二つの目の事件にあたる「異人館村殺人事件」。金田一少年史上最も死者が出た事件(なにせ村一つ滅んでますからね)としても知られていますが、この事件に出てきたトリックがまんま「占星術殺人事件」のパクリだったんですよ。パクリって呼んで差し支えないでしょうきっと。だってほんと、「まんま」なんです。
僕は世代的に「異人館~」のほうから先に入ったクチでして、この度初めて「占星術~」を読んだわけですが、いやはや言葉を失いました。当時まだ純朴な少年でしたので、パクリとか盗作なんて重たい事情には疎かったですし、その後しばらくして盗作であることは聞き及んでいたのですが、これほどとは思いませんでした。ミステリーは有限である、と勝手に偏見を持っていて、過去の作品とトリックが似てしまうのは多少仕方ないと思いつつ読む自分なので、大抵のことに抗体はある方と余裕ぶっこいていたのですが、まさかこれほどとはねぇ。
しかも、両作の肝である「切断トリック」だけでなく、おそらく「ベッドを使ったトリック」にも似ている節がありますよねこれ。占星術に関する考察も似たり依ったり。
さすがに……まずいでしょ。
ということで、「異人館~」はドラマ化されてはいるのですがビデオ等に収録はされず欠番、アニメ化はされないままで終結となりました。堂本君が金田一少年を演じたドラマ版「異人館~」は、スケールを狭めて死者数を減らしたにも関わらず内容が駆け足で、原作を知っている者としては失笑気味だったのを覚えています。それでもドラマ面白かったけどね。「金田一少年の殺人」とか、トリックが地味なだけに映像化されやすくてベストフィットだったよなあ。
話が金田一のほうに逸れてしまいました。というわけで色々な意味でセンセーショナルな「占星術殺人事件」。読み始めは若干(これは自分だけかもしれませんが)読みにくさを感じるのですが、中盤からは得意の御手洗ワールドですし、期待にこたえるだけの面白さがあります。ミステリー畑をそこまで漁っている自分ではないのですが、やっぱり島田氏のミステリーに出会えてよかったと改めて感じ入ることができました。
さて、この作品は発表当時に異色(?)のデビュー作で話題となったことでしょうが、その後十数年を経て再度注目を浴びたことでも有名です。
マンガ「金田一少年の事件簿」、コミックの順番では二つの目の事件にあたる「異人館村殺人事件」。金田一少年史上最も死者が出た事件(なにせ村一つ滅んでますからね)としても知られていますが、この事件に出てきたトリックがまんま「占星術殺人事件」のパクリだったんですよ。パクリって呼んで差し支えないでしょうきっと。だってほんと、「まんま」なんです。
僕は世代的に「異人館~」のほうから先に入ったクチでして、この度初めて「占星術~」を読んだわけですが、いやはや言葉を失いました。当時まだ純朴な少年でしたので、パクリとか盗作なんて重たい事情には疎かったですし、その後しばらくして盗作であることは聞き及んでいたのですが、これほどとは思いませんでした。ミステリーは有限である、と勝手に偏見を持っていて、過去の作品とトリックが似てしまうのは多少仕方ないと思いつつ読む自分なので、大抵のことに抗体はある方と余裕ぶっこいていたのですが、まさかこれほどとはねぇ。
しかも、両作の肝である「切断トリック」だけでなく、おそらく「ベッドを使ったトリック」にも似ている節がありますよねこれ。占星術に関する考察も似たり依ったり。
さすがに……まずいでしょ。
ということで、「異人館~」はドラマ化されてはいるのですがビデオ等に収録はされず欠番、アニメ化はされないままで終結となりました。堂本君が金田一少年を演じたドラマ版「異人館~」は、スケールを狭めて死者数を減らしたにも関わらず内容が駆け足で、原作を知っている者としては失笑気味だったのを覚えています。それでもドラマ面白かったけどね。「金田一少年の殺人」とか、トリックが地味なだけに映像化されやすくてベストフィットだったよなあ。
話が金田一のほうに逸れてしまいました。というわけで色々な意味でセンセーショナルな「占星術殺人事件」。読み始めは若干(これは自分だけかもしれませんが)読みにくさを感じるのですが、中盤からは得意の御手洗ワールドですし、期待にこたえるだけの面白さがあります。ミステリー畑をそこまで漁っている自分ではないのですが、やっぱり島田氏のミステリーに出会えてよかったと改めて感じ入ることができました。