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(有)村田牧場通信

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クラブ募集馬4頭の近況

2021年11月08日 | クラブ募集馬
2021年の当場生産の当歳世代からはローレルクラブへ2頭、ターファイトクラブへも2頭を提供させていただきました。

その4頭の近況をお伝えさせていただきます。



まずは、ローレルクラブ提供のアメージングムーンの2021から近況を報告いたします。







【10月末日現在の測尺】体高146cm 胸囲157cm 管囲18.4cm 馬体重326kg

4頭ともこの時期の当歳馬ということで、1頭で写真撮影ということに対してはまだまだ幼く、今回に関してはこちらが望むレベルでの撮影はできまいません。

あらかじめご了承ください。

本馬に関しては当歳世代で最も早生まれということもあり、当場平均より一回り大きな馬格をしています。

立ち姿を撮影するときも、じっとしていることがまだまだ苦手で、当歳馬らしい幼さと牝馬らしい繊細さを垣間見せていました。

繁殖分場から1歳分場へ移動した当初は、馬房でもソワソワした面が見受けられましたが、いま現在は馬房内では落ち着きがあるなど確実に精神面は成長してきています。

馬体に関してはクセのない成長を遂げていますし、やや筋肉質で馬格に恵まれている点などは、いかにもキズナ産駒らしいと言えます。

当場生産のなかでは良血にあたる本馬ですが、馬体の雰囲気にもその良さは出ていて、この見栄えのする馬体をこの先もキープしてくれそうです。



次に、同じくローレルクラブに提供させていただいているオーシャンフリートの2021の近況です。






【10月末日現在の測尺】体高144cm 胸囲155cm 管囲18.7cm 馬体重314kg

1月生まれと2月生まれで過半数を占める当場生産の当歳世代のなかで、2月生まれの本馬はそのなかで標準的な馬格と言えそうです。

写真画像では背中が濡れているように映っていると思いますが、これは皮膚病対策の薬を塗った痕で、完全には取り切れていない状況で撮影しています。

あらかじめご了承ください。

以前、本馬の紹介記事でも書いたように、一般的にパイロ産駒は気性面の激しさを感じさせる馬が多いかと思いますが、本馬はこの4頭のなかでは普段から最もどっしりとしたタイプです。

ただ、気の強さは秘めていて、それが馬に向かうこともあれば人に向かうこともあるなど、まだいろいろと教えていかなければならない段階です。

母オーシャンフリートはダート馬ながらやや重心が高めの馬体ですが、本馬はパイロ産駒らしいシルエットで膝下が短く筋肉量が豊富など、血統通りにダート適性を感じさせます。

他馬よりも大人びた雰囲気なので、その長所を持ち続けながら成長してほしいと思っています。



ここからは、ターファイトクラブ提供の当歳馬の近況を報告いたします。

まずはハーランズルビーの2021からです。







【10月末日現在の測尺】体高145cm 胸囲156cm 管囲19.0cm 馬体重321kg

4頭のなかではもっとも管囲があり、現時点では一番しっかりとした馬体に映るのが本馬でしょう。

全兄モズベッロの当歳時はもう少し小さくて素軽く見せていましたが、これはおそらく2月生まれの本馬と4月生まれのモズベッロによる誕生時期の違いによるものです。

そのモズベッロは幼少時、普段から繊細な面を見せていましたが、本馬も今回の撮影時にじっとしていられなくて撮影に苦労するなど、全兄に似て繊細な面はあります。

ただ、馬房では比較的どっしりとしていて、普段の様子からは幼少時のモズベッロよりこちらのほうが大人びている印象です。

馬体面では明らかに健康優良児で、ディープブリランテ産駒らしくこの父系の割りには胴回りもしっかりとしています。



最後に、先日ターファイトクラブの当歳募集で満口にしていただいたメリオールの2021の近況を報告いたします。







【10月末日現在の測尺】体高143cm 胸囲150cm 管囲18.0cm 馬体重280kg

本馬もまだ立ち姿には慣れ切っておらず、撮影時にじっとしていられない面があり、今回に関してはピンボケの写真になってしまいました。

あらかじめご了承ください。

顔が小さくて、見た目に大きくは見せないタイプかもしれませんが、体高は当場平均と同程度あります。

ただ、手入れをしているときなどに立ち上がるなどが、まだまだ幼い面があります。

それでも、その仕草もだんだんと解消されてきていて気性面の成長が窺えるので、それとともに馬体もふっくらとして馬体重も増えてくるでしょう。

数日前に右前管骨部をぶつけたのか小さめの骨瘤のような腫れができてしまいましたが、舎飼いするレベルのものではなく、薬を塗りながら昼夜放牧できる程度のもので問題ありません。

全体の馬体の雰囲気やこれまでの成長を見る限り、急に馬体が成長するというよりも、この冬を越えて1歳春の青草が生えてくる時期くらいからグンと成長しそうなイメージを持っています。

普段の仕草からは、やはりシルバーステート産駒らしい運動神経の良さを感じさせる素軽い動きをしていて、この長所は成馬になっても武器になるでしょう。



写真の撮影にはある程度時間を取るように努力をしているのですが、今回に関しては満足のいく撮影ができませんでした。

馬自身の気性面の成長、また人馬の信頼関係の向上に注力して、次回はより良い写真画像を提供できればと考えています。

全体として、舎飼いしなければならないようなケガもなく、昼夜放牧を通じて4頭ともここまで順調に成長しています。

これからは冬期の昼夜放牧に向けて、しっかりと基礎体力を付けるべく飼養管理に努めていきます。




ターファイトクラブ提供馬メリオールの2021(牝 父シルバーステート)が満口に

2021年10月27日 | クラブ募集馬
本日、ターファイトクラブのスタッフさんから当場生産馬で同クラブに提供しているメリオールの2021(牝、父シルバーステート)につきまして、本日をもって満口扱いになったとの連絡を受けました。

一昨日の10月25日からの募集開始という状況のなかでこれほど早く満口扱いにしていただき、出資会員の皆さまには御礼申し上げますとともに、今後ともよろしくお願い申し上げます。

本馬に関しては、やはりシルバーステート産駒という点が一番のセールスポイントになったのではないかと感じています。

生産馬たちの離乳を終えてそれぞれ中期育成用の分場に移動し終えたので、クラブ募集馬に関しては今後、測尺などを含めた近況を定期的に当ブログで報告する予定です。

出資会員の皆さま、今後ともよろしくお願いいたします。







【血統・配合】メリオールの2021(ターファイトクラブ募集馬 牝 父シルバーステート)

2021年10月20日 | クラブ募集馬
今年のターファイトクラブの当歳募集は10月25日からとなっています。

それに先立ちまして、当場から提供を予定している当歳牝馬を紹介させていただきます。

ハーランズルビーの2021については前回の記事で取り上げましたので、今回はもう1頭のメリオールの2021(牝、父シルバーステート)を取り上げたいと思います。









本馬は繁殖本場にて離乳を終えてから、9月中旬に高江第1(1歳)分場に移動しました。

移動当初は新しい環境に慣れていなかったこともあって、放牧時などでは立ち上がろうとするなど嫌がる面を見せていましたが、最近はだんだんと慣れてきて大きなアクションを取らなくなってきました。

ただ、立ち上がるときなどの身のこなしから感じさせるバネや柔軟性は、さすがにシルバーステート産駒と感じさせるものがあります。

現段階では馬体に緩さを感じさせますが、そういうところもこの父系らしい体質だと感じています。

同時に、本馬の牝系はメジェルダの代からターファイトクラブにお世話になっている牝系であり、この牝系の気の強さはご存じの方も多いはず。

本馬にもその気性は受け継がれていて、シルバーステート産駒の適性と本馬の馬体のつくりも加味すると、芝路線で切れ味のある末脚を発揮するタイプに成長しそうです。



父のシルバーステートは、2歳世代が初年度産駒になります。

JRAにおいてはOP勝ちのベルウッドブラボーやロン、さらには1勝クラスを快勝したウォーターナビレラと、すでに3頭のOP馬を含む8頭の勝ち馬を出していて、JRA新種牡馬ランキングではドレフォンに次ぐ第2位と種牡馬として好調なスタートを切っています。

JRA2歳総合でも現在第7位(JBIS調べ、10月17日現在)と健闘していて、ベスト10に社台SS繋養種牡馬がズラリと並ぶなかで、唯一日高地区繫養の種牡馬としてランクインしている状況です。

特筆すべきはJRAにおける産駒の勝ち鞍がすべて芝によるものであり、ヘニーヒューズのようにダート系種牡馬が多い日高地区において、シルバーステートのように芝の活躍馬を続々と送り出す種牡馬は稀だと言えます。

すでに来年の種付シーズンに向けて多くの問い合わせが来ていると聞いていますし、今春と来春では評価が大きく変わってくる種牡馬であることは間違いありません。

初年度産駒が2歳ということもあり、勝ち馬たちの血統傾向もまだこれからという状況だとは思いますが、勝ち馬8頭中7頭の血統には母方にHaloやRobertoを含めたHail to Reasonの血が存在します。

シルバーステート自身がHail to Reason4×4を持つことを考えれば、産駒の世代でもクロスさせることで父の能力を受け継がせるという考え方はできるでしょう。

一方で、デビューしているシルバーステート産駒にはHail to Reasonクロスで持つ未勝利馬が複数いるのも事実で、この血をクロスしているから勝ちやすいということでもないようです。

ちなみに本馬の血統には、母方にHail to Reasonの血は存在しません。

代わりに、本馬の母方にはHail to Reasonと相似クロスを形成するGold Diggerの血が入っています。





Gold DiggerはMr.Prospectorの母ということで、Hail to Reason4×4を持つシルバーステートにとって、Mr.Prospectorの血を持つ繁殖牝馬とは相性が良いのではないかと考えます。

本馬の母メリオールはMr.Prospector3×5を持つので、Hail to Reasonクロスを持つシルバーステートとは相性が良いはずです。

JRAで勝ち上がっている8頭の産駒のなかでは、3頭が母方にMr.Prospectorの血を持ちます。

また、勝ち馬8頭のうち3頭は母方にNijinskyの血を持っていました。

シルバーステート自身がNijinskyの血を持つので、その3頭はNijinskyクロスを持っていることになります。

本馬の母父キングカメハメハはMr.ProspectorのほかにNijinskyの血も持っているので、シルバーステートとは相性が良い血だと思っています。

加えてシルバーステートの場合、母方にNiniskiの血を持っているのですが、この血はキングカメハメハが持つNureyevと相似クロスを形成する関係です。





どちらもNorthern DancerのほかにRidan=Thongの全きょうだいの血を持つほか、5代表ではわかりづらいですがRomanella≒Advocateの関係も内包する相似クロスです。

本馬の母メリオールはNureyev3×5を持つので、Niniskiの血を持つシルバーステートと血統的相性は良いはずです。

上記の血統傾向から考えると、シルバーステートとキングカメハメハは相性が良いことが予想され、本馬と同じシルバーステート×キングカメハメハ牝馬の配合からいずれ勝ち馬が出てくるだろうと予想しています。

この記事を書いている時点でオータムセールが終了しましたが、このセールでもシルバーステート×キングカメハメハ牝馬の配合から生まれた1歳牝馬が高額で落札されていて、実馬を見ましたが垢抜けた好馬体の馬でした。

一方、本馬のきょうだいに目を向けると、初仔のオールスマート(牡5歳、父スマートファルコン)は南関東で現役馬として7勝していて、現在はかなり上位のクラスに所属しています。

2番仔のメルテッドハニー(牝4歳、父カレンブラックヒル)は400g前後という小柄な馬体ながら直線の末脚が武器で、芝1400で勝ち上がったときも上がり最速の脚でした。

1勝クラスになってからは、彼女は芝・ダートどちらでも出走していて、いずれの馬場でも確かな末脚があります。

3番仔のメタモルフォシス(牡3歳、父フェノーメノ)は残念ながらJRAでは未勝利に終わってしまい、現在は高知で勝ち上がりながら頑張っています。

4番仔のタイセイブリリオ(牡2歳、父ディープブリランテ)は、父が同じディープ系種牡馬という点で一番本馬に近い血統かもしれません。





タイセイブリリオは小倉の新馬戦(芝1200)で快勝した後、ソエが出たために予定していたG3小倉2歳Sを回避して休養しています。

血統的に近い関係にあるものの、タイセイブリリオのほうは父ディープブリランテの影響を受けてか力強いスピードといった印象です。

本馬のほうは馬体のつくりや体質、気性を考慮すると、どちらかと言えば瞬発力を伴う素軽いスピードが持ち味になると予想しています。

最後に、母メリオールが持つ血統的特徴として、彼女がフレンチデピュティやStorm Catの血を持っている点に触れておきます。

フレンチデピュティもStorm Catの血も、ディープインパクトの系統とは相性が良いことは血統に詳しい競馬ファンの方々ならばご存じのはず。

今年のG2京都大賞典で復活Vを遂げたダービー馬マカヒキや、G1ジャパンCとG1秋華賞を制したショウナンパンドラはディープインパクト×フレンチデピュティ牝馬の組み合わせです。

また、ダービー馬キズナや今年のG1安田記念を制したダノンキングリーはディープインパクト×Storm Cat牝馬の組み合わせですし、無敗の3冠馬コントレイルも母方にStorm Catの血を持ちます。

近い将来、ディープの息子であるシルバーステートも、フレンチデピュティやStorm Catの血を持つ繁殖牝馬との組み合わせから多くの勝ち馬を出してくるでしょうし、これらの血を持つ本馬も活躍馬になってほしいと願っています。



以前、当場生産馬ディープボンドがG2阪神大賞典を勝った際に、ファンと牧場をつなぐサイトであるpacallaさんに取材していただいたことがありますが、そのときの担当が私の知り合いでもある血統・配合アドバイザーの望田潤さんでした。

その記事のなかで、本馬の血統にも触れていただき、大変ありがたいコメントをいただいております。

【関連記事】pacalla重賞制覇リポート『ディープボンド阪神大賞典』

初年度産駒が好調のシルバーステート産駒ということで、注目してくださる会員の方々もいらっしゃると思います。

当場としても他の当歳世代のクラブ提供牝馬3頭同様、本馬にも競走馬としてしっかり実績を残してもらって、将来は牧場に帰ってきたほしいと願っています。

彼女の成長具合についてはこのブログで定期的に報告する予定ですので、ターファイト会員の皆さまには出資検討も含めて今後も是非ご注目ください。




【血統・配合】ハーランズルビーの2021(ターファイトクラブ募集馬 牝 父ディープブリランテ)

2021年10月06日 | クラブ募集馬
ターファイトクラブの当歳募集が10月25日から開始予定とのことで、当場からは2頭の当歳牝馬を提供させていただくことになりました。

今回はそのうちの1頭、ハーランズルビーの2021(牝、父ディープブリランテ)を紹介させていただきます。









本馬は繁殖本場での離乳を終えた後、8月下旬に高江第1(1歳)分場に移動しました。

普段から気の強さを前面に見せることがあり、放牧の際にイレ込み気味になることもあるのですが、このあたりは全兄モズベッロの幼少時を思い出させます。

モズベッロのほうは気の強さがあった一方で、離乳をして1歳分場に移動した当時は放牧地でなかなか掴ませなかったり、1歳になっても馬房内で捕まるのを嫌がるときがあるなど、牡馬にしては繊細な面がありました。

それに比べると、本馬は全兄同様に気の強い面があるものの、牝馬とはいえ気難しさや繊細さは今のところ感じられません。

馬体的にはディープ系の産駒にしては胴回りがしっかりとした馬体で、四肢の筋肉量も多く、牝馬ながら力強さを感じさせます。

このあたりは、父ディープブリランテの馬体的特徴が出ている印象です。

モズベッロもそういう馬体をしていたので、この兄妹は毛色こそ異なりますが、馬体の雰囲気は似ています。

全兄のように、本馬も力のいる馬場を得意とする可能性があると感じていますし、牝馬なので全兄以上の牝馬らしい瞬発力が備わってくれればと期待しています。



父ディープブリランテは、彼の父ディープインパクトにとって初のダービー勝ち馬となった産駒です。

他のディープ産駒とは異なり、ややコロンとして見た目に力強さを感じさせるシルエットですが、歩様の柔らかさなどはこの父系の良さが良く出ています。

ディープブリランテの産駒も、本馬や全兄モズベッロがそうであるように、父に似て力強い馬体が多い印象です。

同時に柔軟性も父から受け継ぐことが多いことから、サンデー系らしくモズベッロのように芝戦線で活躍する馬も出る一方で、その力強い馬体からダートに適性を示す産駒も少なくありません。

2021年10月5日現在(netkeiba調べ)、ディープブリランテ産駒によるJRAの勝利回数の約3割がダートによるものでした。

ディープインパクト産駒のJRA勝ち数が芝9割に対してダート1割程度であることを考えると、ディープブリランテが産駒に対して少なからずダート向きのパワーを伝える種牡馬であることがわかります。

ディープブリランテ産駒のなかでも、収得賞金上位の産駒50頭(10月5日現在、netkeiba調べ)の血統を調べてみると、次のような血統傾向が見受けられました。


①母方にNasrullah / Princequilloのニックから成る血脈(もしくはその類似形)が存在する…34頭 / 50頭中

②母方にMr.Prospectorの血が入っている…30頭 / 50頭中

③母方にNijinskyの血が入っている…18頭 / 50頭中

④母方にSpecial(Thatch、Lisadell)の血が入っている…17頭 / 50頭中

⑤母方にRobertoの血が入っている…14頭 / 50頭中

⑥Haloクロスを持つ…12頭 / 50頭中
※このうちサンデーサイレンスのクロスを通じてのもの…4頭 / 12頭中

⑦母方にGraustark(His Majesty)の血が入っている…11頭 / 50頭中


①に関しては、父ディープブリランテがNasrullah / Princequilloのニックから成る血脈(もしくはその類似形)としてSir Gaylord、RivermanそしてRose Bowerという3本の血脈を持っているので、母方に同様の血を持っていると相似クロスを形成できます。

本馬の母ハーランズルビーの血統にも、SecretariatやDowagerという同様の血統傾向を持つ血脈が存在します。

ただ、このニックから成る血は多くの繁殖牝馬の血統に存在するので、これをもってディープブリランテ産駒の血統的長所と呼ぶには根拠が薄いかもしれません。

②については、父ディープブリランテが自身の母方にMiswakiを通じてMr.Prospectorの血を持っているので、繁殖牝馬もこの血を持っていると産駒にはMr.Prospectorクロスができることになります。

本馬も母方にGone Westを通じてMr.Prospectorの血があるので、結果としてMr.Prospector6×5のクロスを有します。

③については、正直なところこの50頭の血統を調べるまで、ここまでNijinskyの血を持つ活躍産駒が多いとは思っていませんでした。

ただ、ディープブリランテは血統的にNijinskyと相性の良いHaloやBuckpasserといった血を持っているので、血統面からは理にかなっています。

本馬はNijinskyの血を持っていないので、③には該当しません。

④のSpecial=Thatch=Lisadellの全きょうだいについては、父ディープブリランテがNureyevを通じてSpecialの血を持っていることが要因でしょう。

母方にSpecial、Thatch、Lisadellの全きょうだいいずれかの血を持つことで、産駒はSpecialクロスあるいはThatch、Lisadellとの全きょうだいクロスを形成することができます。

また、このSpecial=Thatch=Lisadellの母父であるNantallahは、Mr.Prospectorの母父Nashuaと相似クロスを形成する関係にあります。

すなわち、ディープブリランテ産駒にとっては②の傾向とも密接に関係する血統傾向になります。





本馬の血統にはSpecial(Thatch、Lisadell)の血がないので、④には該当しません。

⑤の母方にRobertoの血を持つディープブリランテ産駒が活躍傾向にあるというのも、④と同じ理由になります。

すなわち、Robertoの母父もまた、Mr.Prospectorの母父と同じNashuaだからです。

もう少しマクロな視点で見ると、Mr.Prospectorの母Gold DiggerはRobertoの父Hail to Reasonと相似クロスを形成する関係ですし、さらにGold DiggerはRobertoの母Bramaleaとも相似クロスが形成します。


【Gold Digger≒Hail to Reason】


【Gold Digger≒Bramalea】



Gold Digger≒Hail to Reasonに関しては、父ディープブリランテ自身が持っていた相似クロスなので、産駒はそれを血統的に踏襲することで活躍することができたのでしょう。

本馬はRobertoの血は持っていないので、⑤には該当しません。

⑥のHaloクロスに関しては、ディープインパクト産駒に見られる特徴でもあったので、ディープブリランテ産駒の代でも試された配合なのでしょう。

本馬の血統はHaloクロスを持っているので⑥に該当しますが、その理由はまさに上記の血統傾向に倣ったからだと言えます。

ちなみにHaloクロスを持つことで、父ディープブリランテが持っていたGold Digger≒Hail to Reason(Haloの父)の相似クロスを活かすことができます。

⑦については③のNijinskyと同じ理由で、これら50頭の血統傾向を調べるまで、これほど多くの活躍馬たちにGraustark(His Majesty)が入っているとは思いませんでした。

ただ、ディープブリランテやその産駒たちの馬体を見ていると、サンデー系のなかでも力強さを感じさせる馬体が多いのも確かです。

NjiinskyやGraustark(His Majesty)の血、とりわけ後者はパワーを後世に伝える傾向にある血脈なので、ディープブリランテ産駒の馬体傾向にマッチするのでしょう。

本馬はGraustark(His Majesty)の血は持っていないので、⑦には該当しません。

こうして見ると、本馬の血統は7項目の活躍傾向のうち、3つの傾向に該当することになります。



一方、本馬の母ハーランズルビーの視点から本馬の血統を考えてみると、ハーランズルビーがStorm Cat系種牡馬のHarlan's Holidayであることがポイントだと思います。

父ディープブリランテがディープインパクト産駒であり、そこにStorm Catの血を引くハーランズルビーと配合したことで、ディープインパクト×Storm Cat牝馬の成功配合を踏襲する形になりました。

Storm Catという血脈は、Northern Dancerの血を持つのと同時に、Nasrullah / Princequilloのニックから成る血脈すなわちSecretariatの血も有しています。

ディープインパクトの母父Alzaoも同様の血統傾向を持つので、これがディープインパクト×Storm Cat牝馬がニックス配合と見なせる要因と考えられます。





ディープブリランテの血統では、Alzaoのほかに彼の母父Loup Sauvageも同様の血統背景を持っているので、ディープブリランテ自身がAlzao≒Loup Sauvageによる相似クロスを持っていることになります。





そこにStorm Catの血を加えることで、本馬の代ではAlzao≒Loup Sauvage≒Storm Catという相似クロスが形成されます。

一方で、本馬の母ハーランズルビーの血統には、Mr.Prospector≒Marshua's Dancerによる3/4同血クロスが内包されています。

そこにMr.Prospectorの血を持つディープブリランテと配合することで、この相似クロスを継続強化する配合にしました。

さらには、本馬の血統ではMr.Prospectorの息子同士であるMiswaki≒Gone Westによる相似クロスもあるので、このラインが一層強化される血統パターンになっています。







このように、父ディープブリランテの血統傾向を活かしながら、母ハーランズルビーの持つ北米血脈主体の血とクロスさせることで、本馬はパワフルなスピードを持つ血統背景を有するに致しました。

すでに成功例として全兄モズベッロの活躍がありますが、性別は異なるものの、本馬にも同じ血が流れているので大いに期待しているところです。

彼女の成長具合についてはこのブログで定期的に報告する予定ですので、ターファイト会員の皆さまには出資検討も含めて今後も是非ご注目ください。


【関連記事】セレクションセール上場馬№ 157 ハーランズルビーの2016(モズベッロのセール上場時の紹介記事)




【血統・配合】オーシャンフリートの2021(ローレルクラブ募集馬 牝 父パイロ)

2021年09月30日 | クラブ募集馬
前回はローレルクラブ募集馬であるアメージングムーンの2021について書かせていただきましたが、今回はもう1頭のローレルクラブ募集馬オーシャンフリートの2021を紹介させていただきます。









本馬は、当場における離乳組の第1陣として、8月10日に当場の繁殖分場からアメージングムーンの2021たちと一緒に高江第1(1歳)分場に移動しました。

移動してしばらくは手入れを嫌がったり、放牧時には人間の歩くスピードより速く行きたがる面があったりと、離乳馬に多い仕草を見せていました。

それでも1ヶ月以上経過した現在では、検温や手入れなど普通にさせるようになり、放牧時の歩様も我慢が利くようになって様々な面で成長を感じさせます。

本馬は、全兄テーオールノワールが2019年のセレクションセール上場時に最高価格で落札されたのを機に、その翌年に配合して誕生した馬です。

パイロ産駒は気性面が激しいなどと聞きますが、テーオールノワールに関しては勝ち気な面があったものの、セレクションセールに向けてのセリ馴致は非常に順調で扱いやすかったです。

ただ、3歳になってから去勢手術を受けることになったので、トレセンに入厩してからは激しい気性が出てきたのでしょう。

結果、去勢してからのほうがレース振りは安定して3歳未勝利を2着するなど好走していますが、勝ち上がるまでには至ってません。

本馬は牝馬というのもありますが、全兄とはまた違った印象で、パイロ産駒らしい気性の激しさは感じられません。

放牧地でもマイペースで少しおっとりしてるところがあり、馬房内でもあまり余計なことはしないことから、気の強さはあるものの当歳馬ながらどこか大人びた面も見受けられます。

本馬の半姉ベルキューズ(牝、父ヘニーヒューズ)は同クラブ募集馬の先輩で、JRAで3勝してくれました。

ベルキューズはヘニーヒューズ産駒にしてはそれほど重心が低いタイプではなく、どちらかと言えば母オーシャンフリートのスラッとした馬体の影響を受けたつくりでした。

本馬も1歳分場に移動して間もない頃は母似の素軽さを感じさせましたが、環境に慣れて馬体がふっくらしてきた現在は、父や全兄に似て程よい肉付きをした力強い馬体に成長してきた印象です。

オーシャンフリートにパイロを配合した当初から「ダートのマイル以下で活躍するような馬を」と思っていましたが、馬体的にもそのあたりに適性があるような馬になると考えています。




本馬の血統に関しては、テーオールノワールの全妹ということで、彼のセレクションセール上場時の紹介記事で、この血統についてはある程度紹介させていただきました。

ただ、今回はセール上場ではなくクラブ提供・募集ということで、改めて本馬の血統・配合についてご紹介したいと思います。

父のパイロは、今年も含めて6年連続でJRA種牡馬ランキングで20位台に位置している堅実な種牡馬です。

産駒の勝ち鞍は約9割がダートで挙げられたもので、平均勝ち距離からすると1400~1600あたりを得意とする産駒が多いと言えます。

賞金獲得順で見ると、牡駒のほうが活躍傾向にあるように見受けられますが、中央平地重賞2勝のうち1勝は牝駒のビービーバーレル(G3フェアリーS)が挙げたものです。

また、交流G2関東オークス勝ちのラインカリーナや南関東牝馬2冠のアクアリーブルなど、パイロは牝駒からも活躍馬を出しています。

9月30日現在、パイロ産駒のなかで収得賞金ベスト50(netkeiba調べ)の産駒に焦点を当てて調べてみると、次のような血統傾向が見受けられました。


①産駒から見て、5代内に母方のほうにHail to Reasonの血が存在する… 28頭 / 50頭中 
※このうちサンデーサイレンスの血を通じてのものは22頭 / 28頭中

②産駒が5代内にMr.Prospectorクロスを持つ… 19頭 / 50頭中

③産駒から見て、5代内に母方のほうにNasrullah / Princequilloのニックから成る(もしくはそれに類似した)血脈が存在する… 21頭 / 50頭中

④母方にNijinskyの血が存在する… 12頭 / 50頭中

⑤母方にDanzigの血が存在する… 7頭 / 50頭中


以上のような血統的特徴が、パイロの活躍産駒に見受けられました。

本馬は6代まで遡るとCaerleonを通じてHail to Reasonを持っていますが、正確に言えば①には該当しません。

ただ、本馬はMr.Prospector4×3を持っているので②には該当します。

Hail to Reasonの血はMr.Prospectorと相性が良く、血統的にはHail to Reason≒Gold Digger(Mr.Prospectorの母)による相似クロスが形成される関係になります。





Royal Charger≒Nasrullahの3/4同血クロスができるほか、Nothirdchance≒Miss Dogwoodによる相似クロスもできる関係で、Hail to Reason≒Gold Diggerの血統的親和性はかなり高いと言えます。

実際、本馬の母オーシャンフリートの配合時にも試した相似クロスであり、結果として彼女はJRAのダートで5勝してくれました。

パイロ産駒の活躍傾向に話しを戻すと、本馬の血統は③の項目にも該当します。

パイロの血統は、その父PulpitがSeattle Slew、Secretariat、SIr GaylordそしてStateと、Nasrullah / Princequilloのニックから成る(もしくはそれに類似した)血脈を4本持つ血統です。

パイロと配合する際には、繁殖牝馬側が同様の血脈を持っていると相似クロスを形成することができるので、それが産駒の活躍につながるのでしょう。

本馬の場合、母オーシャンフリートがVenice、kalamounそしてForeseerと同様の血脈を3本保有しているので、③の項目に該当する血統の持ち主です。

④に関しては、パイロが父Pulpitを通じてNijinskyの血を持つことから、母方にもその血があるとクロスを形成できる関係になります。

本馬は母方にNijinskyの血があるので④にも該当します。

⑤については、本馬の母方にDanzigの血がないので該当しません。

本馬の配合を考える際には、Mr.Prospectorをクロスさせたり、Hail to Reasonの血と絡めることで相似クロスを形成したり、あるいはパイロの母父Wild Againとオーシャンフリートが持つトニービンの血を合わせることで、Hyperionの血脈の強化を図るなどしました。


【Wild AgainとSevern Bridge(トニービンの母)】



Mr.ProspetorやHail to Reasonといった血は米血脈らしい力強いスピードを伝えますが、そこにHyperionのような欧州血脈らしいスピードを持続する要素を加えることで、競走能力の強化を狙った配合です。

もう一つ、本馬の配合でこだわったのがPreach(Pulpitの母)≒キソティック(オーシャンフリートの2代母)による相似クロスでした。





互いにWhat a Pleasureの血を持ち、State≒Caerleonの相似クロスもできる関係です。

また、Preachの父Mr.ProspectorはRaise a Native×Nearco系牝馬の配合ですが、キソティックの2代母Where You Leadもまったく同じ血統背景を持っています。



本馬もアメージングムーンの2021と同じく母が元ローレルクラブ募集馬であり、さらに本馬の場合は半姉ベルキューズも同クラブでお世話になったので、馬体の成長具合が良ければ本馬をローレルクラブに提供したいと考えていました。

ここまで順調に成長してくれていますし、父にパイロを迎えたことで、母オーシャンフリートよりも馬体的にダートのスペシャリスト感が強まった印象です。

彼女の成長具合についてはこのブログで定期的に報告する予定ですので、ローレル会員の皆さまには出資検討も含めて今後も是非ご注目ください。