今日は、当場からセレクションセールに上場する上場番号№157のハーランズルビーの2016を紹介したいと思います。
本馬のブラックタイプは
こちらをご参照下さい。
父ディープブリランテは3歳世代が初年度産駒になりますが、産駒の走りが好調なので、本年度の種付権利は満口状況になるほどの人気種牡馬です。
重賞勝ち馬こそまだ出ていませんが、ディーパワンサやナイトバレットのようなOP勝ち馬も出ていて、産駒たちのレース内容も良く、今後も続々と活躍馬が出てきそうな期待感があります。
母のハーランズルビーは、米国キーンランド11月セールで購買した繁殖牝馬です。
父のHarlan's Holidayは、同じStorm Cat系のGiant's Causewayやヘネシー系(Scat Daddyなど)たちと肩を並べるほどに、現在の米国では人気のある種牡馬系統です。
ハーランズルビー自身は2歳のうちに勝ち上がると、米G1アルシバイアディーズS(8.5F)に出走。
このレースで3番人気に推された彼女は直線よく伸びたのですが、結局はウィッキドリーパーフェクトの2着に敗れました。
その後、米G1BCジュベナイルフィリーズ(8.5F)に出走しましたが、直線での伸びを欠き8着と敗れています。
翌年、3歳を迎えたハーランズルビーは、緒戦のヴァルデイルS(8F)を制して、見事ステークスウィナーの仲間入りを果たしました。
さらにG3バーボネットS(8F)に出走して、重賞タイトルを狙いましたが、結局はSummer Soireeの2着に敗れました。
ちなみに、Summer Soireeはその後デルマーオークスを勝ってG1馬になっています。
ハーランズルビーを米国のセールで初めて見たときは、非常にしなやかな歩様をしている馬だと感じたものです。
体質的にも、血統的にもサンデー系と配合すると相性が良さそうだと思い、購買に至りました。
動画を見て頂ければおわかり頂けると思いますが、息子のハーランズルビーの2016も非常にしなやかな歩様をしている馬です。
この体質は、孫とはいえディープインパクトの血を受け継ぐ馬らしいと言えますが、一方で母馬から受け継いだ長所だとも考えられます。
ディープブリランテ産駒は勝ち鞍が芝に集中しているので、本馬も柔軟性のある馬体を武器に、芝レースを中心に活躍してほしいと期待しています。
さて、ここからはハーランズルビーの2016の血統・配合を説明します。
まず目に付くのは、Halo4×4・5のクロスでしょう。
Haloクロスを持つディープブリランテ産駒という点では、ディーパワンサ(OP勝ち)やラプソディーア(現2勝)など、すでに成功パターンの兆しがある配合です。
というのも、Haloクロスを持つディープインパクト産駒が活躍傾向にあるため、おそらくはこの流れを受けたものかと推測します。
具体的にはサトノダイヤモンドやマカヒキ、あるいはヴィルシーナといったG1勝ち馬たちが、Haloクロスを持つディープインパクト産駒ということになります。
私もHaloクロスを持つディープ産駒は活躍すると思っていたので、すでにHaloクロスを持つハーランズルビーに対して、ディープの息子であるディープブリランテを配合した次第です。
父のディープブリランテは、Alzao≒Loup Sauvageという相似クロスを持っています。
いずれの血脈もNorthern Dancerを持ち、さらにNearco/Prince Roseのニックスから成る血(Sir GaylordとRiverman)も存在します。
加えて、Roman×Princequilloの組み合わせであるPocahontas≒River Ladyもあるという、非常に相似性の高い血脈同士です。
ディープブリランテ産駒の勝ち馬たちを調べてみると、このAlzao≒Loup Sauvageのうち、「Northern DancerおよびNearco/Prince Roseのニックスから成る血」という部分を強調した血統パターンが目立ちます。
日本においてはStorm CatやCaerleon、あるいはダンシングブレーヴやフレンチデピュティなどが上記の条件を満たす血脈に該当します。
ハーランズルビーの2016も父系がStorm Cat系なので、この条件を満たす配合になっています。
Nearco/Prince Roseのニックスから成る血だけで見ると、ハーランズルビーの2016には6本の該当する血脈があり、血統的には本馬の柔軟性の一翼を担っていると考えています。
ハーランズルビーの2016の場合には、Miswaki≒GOne Westという相似クロスもあります。
いずれも父がMr.Prospectorであり、母側にはPrincequilloやNasrullah、さらにはTom Foolを持つ点まで共通しています。
最近では、昨年の英愛ダービー馬HarzandがこのMiswaki≒Gone Westを持っています。
そして、このMiswaki≒Gone Westという関係に、母がともにNorthern Dancer系という点を加えれば、バブルプロスペクター≒Western Ladyという見なし方も可能です。
その他にも細部にわたって検討した結果、配合して生まれたのがハーランズルビーの2016でした。
馬体の出来には満足していて、結果としてセレクションセールに合格することができました。
このまま順調に育ってくれれば、良い状態でセールに臨めそうです。
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