(有)村田牧場通信

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2022年度の生産予定馬情報を更新

2021年11月19日 | 血統・配合
牧場HPのほうに、当場における2022年度の生産予定馬名簿を掲載しました。

来年は22頭の出産を予定しています。

ラインナップとしてはディープボンドの全きょうだいや、モズベッロの半きょうだい(父サートゥルナーリア)といった重賞勝ち馬のきょうだいが誕生予定ですし、元クラブ提供馬のベルキューズ(コパノリッキーの仔を出産予定)やオーパキャマラード(カリフォルニアクロームの仔を出産予定)など、初仔を出産する予定の馬も4頭います。

新種牡馬では、上記のサートゥルナーリア(ハーランズルビーが出産予定)のほか、ミスターメロディ(メジェルダが出産予定)、ルヴァンスレーヴ(ファーストチェアが出産予定)、モズアスコット(オーシャンフリートが出産予定)と計4頭の産駒が生まれる予定です。

ほかにも重賞勝ち馬ウォーターナビレラと同じシルバーステート×キングヘイロー牝馬の配合であるクラシックスの2022、評判馬イクイノックスと同じキタサンブラック×キングヘイロー牝馬の配合であるスルターナの2022など、キングヘイローの血に力を入れてきた当場らしい配合もあります。

興味のある方は、是非ご参照ください。

(有)村田牧場HP 生産予定馬名簿




2021度の生産予定馬情報を更新

2020年12月02日 | 血統・配合
牧場HPのほうに、当場における2021年度の生産予定馬情報を更新しました。

来年は21頭の出産を予定しています。

モズベッロの全きょうだいやディープボンドの半きょうだい(父ドゥラメンテ)、あるいは先日未勝利戦を勝ち上がったメディーヴァルの全きょうだいなど、さまざまな種牡馬の産駒が誕生予定です。

興味のある方は、以下のリンクからご参照ください。


(有)村田牧場HP 生産予定馬情報



来年度の生産予定馬情報を更新

2018年12月04日 | 血統・配合
牧場HPのほうに、当場における2019年度の生産予定馬情報を更新しました。

例年、20頭弱の生産予定馬がいるのですが、今年は5月頃の低温などの影響で発情が安定せず、結果として15頭の出産予定に留まっています。

クラブで産駒を募集しているハーランズルビーやメジェルダは、来年については出産予定がありませんし、元クラブ馬のオーシャンフリートやクロワラモーも残念ながら空胎です。

一方で、来年は元クラブ提供馬のスルターナやハーランズワンダーが初仔を出産予定だったり、名馬キタサンブラックの初年度産駒(スルターナが受胎中)が生まれる予定もあります。

他にもローレルクラブ提供馬のダンケシェーンの全きょうだいや、OPクラスまで行ったヴァフラームの全きょうだいも生まれる予定があり、例年より少ない出走予定のなかにも期待が大きいラインナップです。

興味のある方は、是非ご参照ください。

(有)村田牧場HP 生産予定馬情報







来年度の出産予定

2017年11月02日 | 血統・配合
JBBA日本軽種馬協会から、2018年度の配合申込の案内が来ました。

どの種牡馬に申し込むか、あるいは何も申し込まないか。

来年度に向けて、それぞれの繁殖牝馬の配合草案を考えなければならない時期に来たということです。

11月16日が申込期限ということで、もう少しあれこれ思案してみようと思っています。

これに関連して、2018年度の各繁殖牝馬の出産予定を牧場HPにアップしました。

興味のある方は、是非ご参照下さい。


【血統・配合】キングヘイロー×モガミヒメ牝系 ③キングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合~スルターナ編~

2017年05月26日 | 血統・配合
『キングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合』の最後として、現在ターファイトクラブでお世話になっている現役馬スルターナの血統を取り上げようと思います。

なお、この配合からはスルターナの全兄として、トキノフウジンが5勝してOP入りを果たしています。



さて、スルターナは父がキングヘイローなので、キングヘイロー×モガミヒメ牝系を踏襲している配合になります。

キングヘイロー×モガミヒメ牝系の血統的相性については、これまでのブログで書いてきたのでここでは割愛します。

スルターナは帰厩後、ローカル開催のダート戦を予定すると思いますが、放牧先でも順調な調整ができた模様。

一度大きなケガをした身なので無理は禁物ですが、トレセンでも順調に調教をこなせれば、1000万円下のレースでも能力的は十分通用すると期待しているところです。


彼女の母ラヴァーズレーンの血統については、3つの血統的特徴があると考えています。

まず第一に挙げておきたいのが、彼女の持つMahmoudとNasrullahによる近親クロスです。

ラヴァーズレーンの母であるモガミヒメとその父カコイーシーズが持っていたNasrullahのクロスと、近親のMahmoudを組み合わせることで、よりダイナミックなスピードを期待する配合にしました。

一方で、父メジロライアンの特長とも言えるHyperionのラインはラヴァーズレーンのなかでもクロスされていますが、それほどの影響力はありません。

それでも、母モガミヒメのなかで強く影響していたPharamond=Sickleの全きょうだいがHyperionの半兄弟であり、結果としてこれら3頭の母であるSeleneの血をクロスできたことは能力強化という点でプラスに働いたと感じています。


ラヴァーズレーンの配合で2番目の血統的特徴として挙げられるのが、Prince ChevalierとPrincequilloによる相似クロスです。

Prince Chevalierは現役時に仏ダービーやリュパン賞を勝ち、凱旋門賞を僅差で敗れるなどクラシックタイプの馬でした。

種牡馬になってからも仏ダービー馬のCharlottesvilleを出すなど、クラシックディスタンスに強い産駒を出しています。

一方のPrincequilloは米国で走りジョッキークラブGC(ダ16F)、サラトガC(ダ14F)、クエッショニアーH(ダ13F)など長距離で活躍しました。

種牡馬になってからは、中距離馬を中心に多くのステークス勝ち馬を輩出しています。



これら2頭は、ただ父が同じPrince Roseというだけではなく、それぞれの母にはTraceryやCyllene、Isonomyなどの血が存在します。

Prince ChevalierとPrincequilloの組み合わせを持つ馬には質の高い中距離スピードが遺伝される傾向にあり、ラヴァーズレーンもこの組み合わせを5×6*6のラインブリードで持ちます。

ラヴァーズレーンは現役時、大逃げを打ってそのままゴールへというスタイルでしたが、そのスピードの一部はこの相似クロスが関係しているかも知れません。

Prince Chevalierを持つメジロライアンは、Pirncequilloを受け継ぐ牝馬に交配されると産駒に質の高いスピードを伝えており、春の天皇賞馬メジロブライト(母がPrincequilloの4×6)、G3ラジオたんぱ賞を勝ったエアガッツ(母がPrincequillo≒Prince Chevalierの5×4)などの活躍馬を出しています。


ラヴァーズレーンの血統的特徴の最後として挙げておきたいのが、2頭の牝馬Bull PoiseとGagaによる3/4きょうだいクロスです。



この2頭は、母がいずれもAlpoiseで、Gagaの父がBull Dogなのに対してBull Poiseの2代父がBull Dogという関係です。

Bull Poiseはムーランドロンシャン賞の勝ち馬Ambiopoise(アンバーシャダイの母父)の母として、GagaはTom Foolの母としてラヴァーズレーンの血統に登場します。

特に、ラヴァーズレーンの母モガミヒメはTom Foolを4×5で持つので、Ambiopoiseを介してBill Poiseを持つメジロライアンとは相性が良いのでしょう。


さて、母父にメジロライアンを持つスルターナですが、基本的にはキングヘイロー×モガミヒメ牝系の配合から生まれた産駒です。

ただ、キングヘイロー×モガミヒメ牝系の血統的相性はこれまでのブログで書いてきたので割愛します。

ここでは、それ以外の視点から彼女の血統を見てみます。

母ラヴァーズレーンが持つBull Poise≒Gagaの3/4きょうだいクロスは、父キングヘイローがTom Foolを2本持っていることで、スルターナの代でも継続強化される配合になりました。

また、父キングヘイローはMahmoudの血が強い血統パターンですが、母父メジロライアンはそれと相性の良いHyperionの血を強く持っています。

母ラヴァーズレーンが持つPrince Chevalier≒Princequilloの相似クロスも、父キングヘイローがPrincequilloを3本持っているので、この特長もスルターナに受け継がれた形になります。

血統表を見ると、メジロライアンの血がキングヘイローやモガミヒメの血統的特徴と異なるようにも見せるのですが、細かいところでポイントとなる血がしっかりとクロスされる配合になっているので、スルターナの血統は父母の相性が良い配合だと思っています。


長々と書いてしまいましたが、これがキングヘイロー×モガミヒメ牝系の説明の最後です。

今後は、これらの説明をベースに、例えばローレルクラブ提供馬のダンケシェーン(ヘニーヒューズ×ゼフィランサス)や、ターファイトクラブ提供馬のクライオブザソウル(ハーツクライ×ラヴァーズレーン)などの血統・配合にも触れる予定です。


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