(有)村田牧場通信

(有)村田牧場から情報を発信するブログ

重賞初挑戦のバグラダスは4着と健闘

2022年08月30日 | 情報

8月28日、新潟第11R新潟2歳S(芝1600)に当場生産馬で所有馬でもあるバグラダス号が出走しました。

 

 

当日は、当場所有馬の重賞挑戦ということで、私のほうで現地まで応援に行ってきました。

昼頃に到着したときは芝の状態が稍重でしたが、天候の回復とともにメインレースの頃には良馬場になっていました。

新馬戦勝ちしてくれたバグラダスですが、ダート短距離での勝ち上がりだったことから、今回は芝替わりの上に距離延長ということで11頭中10番人気でした。

前走がダートの短距離だったことも含めて、今回のレースに向けて事前の作戦では道中で脚を溜める競馬を予定していたようです。

ただ、この牝系はスタートが良いタイプが多いなかで、本馬も例外ではなく好スタートを決めて自然と押し出されるように先頭に立ってしまいました。

ただ、スローペースに落としたことで、逃げながらも脚を溜めることはできていたようです。

新潟の長い直線に入ってもしばらく先頭を譲らず、まだまだ手応えが良かったことから「これは!」と一瞬夢を見ましたが、最後は後ろから勢いに乗った3頭に交わされての4着でレースを終えました。

ただ、芝替わりの重賞初挑戦という高いハードルのなかでは、本当によく走ってくれました。

母メジェルダがG3ファンタジーSで2着しているように、父がダート系のマジェスティックウォリアーとはいえエーピーインディ系の柔軟性のある種牡馬ですし、本馬に関しては芝適性もありそうとは感じていました。

結果として、この1戦に関しては芝適性を示してくれたと思っています。

厩舎サイドとレース直後に話しましたが、このあとはまた放牧に出して成長を促しながら、この時期の2歳ですから現在のところは芝路線を中心に次走も考えていくことになりそうです。

そして、今日も調教師の先生から連絡をいただき、レース明けの馬体チェックでも問題ないと伺っています。

大きな岩陥を持つ馬なので何かと心配でしたが、この一報を聞いてホッとしているところです。

しっかりと頑張ってくれたので、まずは休んでもらって、そのあとは体調を見ながら次走へのプランを立てていくことになりそうです。

 

 


【サマーセール】上場馬3頭をご購買いただきました

2022年08月26日 | セール上場馬

8月25日、サマーセール第4日目に当場から4頭の1歳馬を上場しました。

そのうち、№797キタサンテンビーの2021(牝、父トビーズコーナー)は伊藤良兵さまにご購買いただきました。

№836ガーリッシュハートの2021(牡、父モーニン)は(有)キタジョファームさまにご購買いただきました。

№897ハーランズワンダーの2021(牝、父マジェスティックウォリアー)は小林祥晃さまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

各馬とも早速今後の予定が決まってきていて、彼らはそれぞれの未来に向かって頑張っていくことになります。

馬主様のご期待に添えるように、当場としてもできる限り丈夫に育てたつもりではあるので、あとはこの先も無事に順調に行ってほしいと願っています。

セール上場を終えてホッとしたこともあり、今朝は第5日目の比較展示を見学しようとセリ場の正面玄関から入ったら、重賞勝ち馬たちのパネルが並んでいました。

そのなかには、当場生産のセール上場馬として重賞を勝ってくれた現役馬5頭のパネルも飾ってあったので、思わず記念写真を撮影させてもらいました。

 

 

改めて、当該セールにてご購買くださった馬主様ならびに関係者の皆さま重賞制覇おめでとうございます。

彼らが当場生産馬であることを誇りに感じますし、また当場にて一緒に頑張ってくれているスタッフさんに改めて感謝いたします。

 

 

 


【サマーセール】№897ハーランズワンダーの2021(牝 父マジェスティックウォリアー)

2022年08月21日 | セール上場馬

当場からサマーセールへ上場予定の1歳馬4頭のうち、最後に紹介させていただくのは№897ハーランズワンダーの2021(牝、父マジェスティックウォリアー)です。

本馬はサマーセール4日目の8月25日に上場予定です。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

 

【8月13日現在】体高153cm 胸囲181cm 管囲18.8cm 馬体重468kg

 

 

本馬は、セリ馴致をお願いするために地元の育成公社さんに預かってもらっています。

母ハーランズワンダーは小柄な馬体でしたが、本馬は母の同時期より大きな馬体をしています。

小柄な繁殖牝馬に対して馬格のある種牡馬を種付するのはセオリーとも言える配合であり、本馬の場合においても、父マジェスティックウォリアーが立派な馬格をしている種牡馬なのでハーランズワンダーと配合した経緯があります。

また本馬は、牝馬にしては筋肉量が豊富で馬体重も十分にあって、これは母が小柄ながらも北米血脈らしい筋肉質の馬体であり、さらにそこに北米血脈の父を配合することで両親のダート向きの体質を受け継いだ結果でしょう。

加えて、A.P.Indy系種牡馬らしい父の馬体の伸びも程よく受け継ぐことで、本馬は体高だけでなく母以上に伸びもある馬体に成長しそうです。

父マジェスティックウォリアーの上位活躍馬には、交流G1勝ち馬のベストウォーリアやG2東海S勝ち馬エアルマスなど、Mr.Prospectorクロスを持つ産駒が多いという特徴があります。

本馬の母ハーワンズワンダーはMr.Prospector4×5を持ち、さらにそのMr.Prospectorの3/4同血であるMarshua's Dancerの血が6代目に位置しているので、本馬の血統はマジェスティックウォリアー産駒の成功パターンに該当します。


 

父マジェスティックウォリアーの血統的特徴という点では、彼自身が持つ名馬Secretariatのインブリード3×4が挙げられるでしょう。

Secretariatの血は柔軟性のあるスピードや高い心肺機能を伝えるイメージがありますが、本馬の2代母で米G1で2着しているハーランズルビーもまたSecretariat5×5のクロスを持っています。

 

 

また、これはSecretariatの血を絡めた組み合わせになりますが、マジェスティックウォリアーの2代母で米G1勝ち馬Spinning Roundと、母ハーランズワンダーが持つ名種牡馬Storm Catの血を組み合わせた相似クロスも意識しました。

このSpinning Round≒Storm Catによる相似クロスは、当場生産馬で今年の新馬戦を勝ったバグラダス(父マジェスティックウォリアー)の配合でも用いています。

 

 

どちらの血脈も2代父がNorthern Dancerであり、母父がSecretariatである点で共通しています。

母ハーランズワンダーがG2日経新春杯勝ち馬で当場生産馬のモズベッロの半姉であることからも、血統的にご注目いただいているようで、預託先の育成公社さんからも下見のお客さんが多いと伺っております。

本馬も含めて、当場から上場する1歳馬4頭に是非ご注目ください。

なお、本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

(関連記事)

【サマーセール】№797キタサンテンビーの2021(牝 父トビーズコーナー)

【サマーセール】№836ガーリッシュハートの2021(牡 父モーニン)

【サマーセール】№863タイセイアヴァンセの2021(牡 父ロジユニヴァース)

 


【サマーセール】№863タイセイアヴァンセの2021(牡 父ロジユニヴァース)

2022年08月20日 | セール上場馬

当場からのサマーセール上場馬の3頭目として紹介させたいただくのは、№863タイセイアヴァンセの2021(牡、父ロジユニヴァース)です。

本馬はサマーセール4日目の8月25日に上場予定です。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

【8月13日現在】体高155cm 胸囲170cm 管囲20.0cm 馬体重415kg

 

 

本馬は、セリ馴致をお願いするために地元の育成公社さんに預かってもらっています。

本馬の母タイセイアヴァンセは重賞4勝馬ディープボンドの半姉にあたりますが、半弟とは異なりそれほど馬格はありません。

JRAで16戦して残念ながら勝ち上がることはできなかったものの、芝2000と2200、2600で3着しているようにあともう少しのところでした。

それほど大きくない繁殖牝馬なので、初仔の父となる種牡馬はある程度馬格のある種牡馬が望ましいと考えて、ロジユニヴァースを種付して本馬が誕生しました。

本馬は初仔となりますが、馬体的な幼さは残っているものの、体高が155cmあるように当場の狙い通りの馬格サイズに生まれてくれたと思っています。

ロジユニヴァースの産駒数は多くはないものの、JRAでの勝ち上がり率は34%(8月19日現在)であるように、勝ち上がりの数字としては悪くありません。

血統的には、本馬の父ロジユニヴァースの母方にあるGreen Desert(英G1ジュライC)と、本馬の母タイセイアヴァンセが持つShareef Dancer(愛G1愛ダービー)及びダンシングブレーヴ(欧州年度代表馬)による相似クロスを意識しました。

 

 

Green Desert≒Shareef Dancerの関係で言えば、父系がいずれもNorthern Dancer系であるのに対して、母父が2頭ともSir Ivorである点で共通しています。

また、Green Desert≒ダンシングブレーヴの相似クロスという観点では、こちらもNorthern Dancer系×Sir Gaylord系の組み合わせです。

さらに言及すると、本馬の父ロジユニヴァースが持っていたHalo≒Sir Ivorの相似クロスを本馬の代でもHaloとSir Ivorをクロスで持つことで継続しつつ、本馬の代では新たにDroneを加えてHalo≒Sir Ivor≒Droneの相似クロスによるトライアングルを形成しています。

 

 

この3つの血脈はTurn-to、Pharamond、MahmoudそしてSir Gallahad=Bull Dogを持つ点で共通していて、血統的な親和性が高い関係にあります。

実際、Halo≒Sir Ivor≒Droneはタイセイアヴァンセの母父キングヘイローの血統内で作られている組み合わせであり、そのキングヘイローがG1勝ち馬になっている点からもこの相似クロスの有効性は高いと考えています。

 

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

(関連記事)

【サマーセール】№797キタサンテンビーの2021(牝 父トビーズコーナー)

【サマーセール】№836ガーリッシュハートの2021(牡 父モーニン)

【サマーセール】№897ハーランズワンダーの2021(牝 父マジェスティックウォリアー)

 


【サマーセール】№836ガーリッシュハートの2021(牡 父モーニン)

2022年08月17日 | セール上場馬

サマーセールには当場の1歳馬のなかから4頭の上場を予定していますが、今回は№836ガーリッシュハートの2021を紹介させていただきます。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

 

 

【8月17日現在】体高156cm 胸囲173cm 管囲20.4cm 馬体重420kg

 

 

本馬は今年5月に両飛節OCDの除去手術を受けていて、セリ馴致の預託をお願いするにはタイミングが合わないと判断して、今回の4頭上場のうち本馬だけ当場にてセリ馴致中です。

当場にてセリ馴致する場合は、他馬とともに昼夜放牧しながら馴致をしていて、本馬も昼夜放牧をしながら引き運動、もしくはウォーキングマシンで運動させています。

もともと飼い食いは問題ないレベルですし、整歯もしているのですが、暑い時期を迎えていることもあり馬体重のほうはそれほど増えていません。

それでもモーニン産駒らしく骨格がしっかりとしているので、涼しい時期を迎えると自然と馬体重も乗ってくるでしょう。

モーニン産駒については気性的に勝った馬が多いと聞いていますが、本馬は普段のなかではそういう面を感じません。

両飛節OCD手術を経験して、一頭でパドック放牧をするなど他馬と引き離されるなかで、気性的に大人びてきた印象です。

暑い時期なので疲れもあると思いますが、精神的な成長を促す意味でのセリ馴致という観点では、ここまで順調に来ていると言えます。

 

本馬の父モーニンは、自身の父ヘニーヒューズの後継種牡馬として、父と同じ優駿スタリオンにて種牡馬として繫養中です。

供用初年度の2020年は190頭、2021年は178頭の繁殖牝馬に種付したように、ヘニーヒューズの後継種牡馬としてはアジアエクスプレスと双璧をなす人気種牡馬です。

種付料が値上がりした今年も相当数の種付頭数をこなしたようで、馬産地におけるモーニンへの期待度が窺い知れます。

初年度産駒は本馬を含めた現1歳世代であり、総じて気の強い面があるのはヘニーヒューズ系らしいと言えますし、ヘニーヒューズ産駒より馬格がある馬が多いのはアジアエクスプレス産駒と似ているとも言えます。

前述したように、本馬の場合はOCD手術を経験したことで気性的に大人びて普段からどっしりとしていますが、モーニン産駒らしい気の強さは潜在的に持っています。

モーニン自身の血統に関して言及すると、同じヘニーヒューズ産駒でG1勝ち馬であるアジアエクスプレスと共通点があり、それは母方にCozzeneの血が入っていることです。

Cozzeneは有名なNasrullah/Princequilloのニックを持つ血脈で、さらに同様の血統背景を持つSir Gaylordの血も内包しています。

 

 

また、彼の父ヘニーヒューズもNasrullah/Princequilloのニックから成るSecretariatの血を持つので、柔軟性のあるスピードを伝えるこのニックの影響を受けてかモーニンもG1フェブラリーSをレコードタイムで勝っています。

このモーニンの血統的特徴を活かすために、同様のニックから成るSir GaylordやMill Reefの血を持つガーリッシュハートと配合して本馬が誕生しました。

さらに言及すると、本馬の配合ではStorm Cat≒AlzaoやStorm Cat≒ラストタイクーンという組み合わせも意識しています。

Storm Catはモーニンの3代父で、Alzaoはガーリッシュハートの母父、そしてラストタイクーンもガーリッシュハートの母方に存在する血です。

 

 

Storm Cat、Alzaoそしてラストタイクーンの3者とも2代父がNorthern Dancerです。

また、母方にNasrullah/Princequilloのニックから成るSecretariatやMill Reefを、もしくはそれに準じたSir Gaylordを持つ点でも共通しています。

このほかの血統的特徴として、当場ではヘニーヒューズ系の種牡馬に対してHaloの血を持つ繁殖牝馬としばしば配合するのですが、その配合パターンを本馬の配合でも用いました。

先日のG3エルムSを制したフルデプスリーダー、また現在JRAの3勝クラスで頑張っているダンケシェーンとメディーヴァルもこの配合パターンから生まれています。

この配合では、ヘニーヒューズ内のTom CatとHaloの母Cosmahによる組み合わせが生じます。

 

 

いずれも父系がPharamondに遡り、母父がMahmoudという血統を持つ点で共通しています。

母ガーリッシュハートが芝1800で勝ち上がってるとはいえ、本馬はヘニーヒューズ系モーニンの産駒ということでダート適性が高い血統だと捉えています。

モーニン産駒の出来は総じて良いと聞いていますし、サマーセールにおいても同産駒に注目が集まると思うので、そのなかで本馬にも是非ご注目いただきたいです。

 

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

 

(関連記事)

【サマーセール】№797キタサンテンビーの2021(牝 父トビーズコーナー)

【サマーセール】№863タイセイアヴァンセの2021(牡 父ロジユニヴァース)

【サマーセール】№897ハーランズワンダーの2021(牝 父マジェスティックウォリアー)