(有)村田牧場通信

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当場生産馬のクイックレス号が2歳未勝利戦を快勝!

2019年09月30日 | 情報
9月29日、中山第2Rの2歳未勝利戦に当場生産馬のクイックレス号が出走しました。





【オータムセール上場に向けた当時の写真(1歳時)】



レースの直前に2番人気から1番人気に支持されたクイックレスは、好スタートを決めて道中は先頭を見ながらの2番手でレースを進めます。

直線を迎えると、鞍上のゴーサインに応えて力強く伸びて、最後は2着馬に1馬身1/4差をつけて勝ち上がってくれました。

本馬は2018年オータムセールに当場から上場して、馬主様にご購買いただいた馬です。

オータムセール上場時でも体高が151cm程度とやや小柄な馬でしたが、胴回りはしっかりしていて460kg程度ありました。

レースでは450kg台で臨んでいますが、胴回りを含めた馬体の雰囲気は当時の面影を感じさせます。

その馬体から繰り出されるパワーとスピードで中山の急坂を駆け上がって、今日は人気に応える形で勝ち上がってくれました。

私の知る限り、中央で走っているエスポワールシチー産駒の勝ち星はすべてダートのはずなので、もしかすると本馬が初めての芝での勝ち馬になるかもしれません。

血統的にはダートでも良いはずなので、いずれはダートでの出走もあるかもしれませんが、まずは今日の勝ち上がりを褒めてあげたいと思います。

なお、クイックレスの勝ち上がりにより、当場生産馬の2歳世代はJRAで6頭が出走して3頭が勝ち上がりとなりました。

勝ち上がっていない3頭もそれぞれ5着以内には入ってますし、これからデビュー予定の馬のなかには上々の動きを見せている馬もいるようです。

当場生産馬に今後も是非ご注目ください。





セプテンバーセール上場馬3頭をご購買いただきました

2019年09月19日 | セール上場馬
セプテンバーセール初日となる9月17日、当場生産馬を3頭上場しました。

結果、№134メリオールの2018(牡、父フェノーメノ)はYUKI DENDO様にご購買いただきました。

№193エルトベーレの2018(牡、父カレンブラックヒル)は小林 祥晃様にご購買いただきました。

№221クロワラモーの2018(牝、父マクフィ)は日本中央競馬会様にご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

これら3頭の売却が決まったことで、当場生産馬の1歳世代はそれぞれ行き先が決まったことになります。

今年においては、当場生産馬のオータムセールへの上場予定はありません。

1歳分場の放牧地や馬房も空いてきたので、先行して繁殖厩舎で離乳している当歳馬たちを、近日中には1歳分場へ随時移動させたいと考えています。


なお、セリ市においては、2016年度より今年に至るまで4年連続で上場馬売却率100%を達成いたしました。

多くの方々にご注目いただきながら当場生産馬を競ってくださった結果ですので、関係者の方々には改めて御礼申し上げます。




【セプテンバーセール】№221クロワラモーの2018(牝 父マクフィ)

2019年09月14日 | セール上場馬
当場からセプテンバーセール上場予定馬として紹介する最後の馬は、№221クロワラモーの2018です。

本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

本馬は当場にてセリ馴致中で、9月5日付の事前提出時の測尺は体高152cm、胸囲178cm、管囲19.7cm、馬体重434kgでした。











4月30日生まれということでそれほど大きくはありませんが、手先が軽く、バネの効いた歩様とやや胴の詰まった馬体からは芝向きのスピードを感じさせます。

気性面でもこの牝系らしいピリッとした面があり、マクフィ産駒ということを考慮しても、やはりスピードタイプの競走馬に成長しそうです。

マクフィは海外で供用されてからその後日本に輸入された種牡馬で、海外ではMake Believe(G1仏2000ギニー、G1フォレ賞、現種牡馬)やBonneval(G1豪オークス、G1新オークス、G1豪・アンダーウッドS)などが出ています。

マクフィの血統的特徴は彼の持つShareef Dancerやダンシングブレーヴ、Green Desertといった「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックス」から成る血を複数持っている点にあります。

この血を活かすために同様の血を持つ繁殖牝馬との配合は有効のようで、Make Believeの血統では母父Suave Dancerが、Bonnevalの場合でも母父Zabeelの血が「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックス」から成る血に該当します。

クロワラモーの2018においては、母クロワラモー内にあるStorm Cat(Northern Dancer+Secretariat)が同じく同様の血統傾向を持っているので、マクフィとクロワラモーは血統的相性が良いと考えます。

また、クロワラモーの2018の血統では、Dubai Millennium≒カスパースカイゴールドによる相似クロスも特徴的でしょう。





父マクフィは全体に血の質が高いタイプで、実際その長所を活かして種牡馬としてG1馬を複数輩出していますが、本馬の血統もその質の高さを受け継いだ配合になっています。

その血統構成、また馬体的にもスピードの素質に恵まれた馬ではないかと考えます。


本馬に興味のある方は当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

当場から折り返し連絡させて頂きます。




【セプテンバーセール】№193エルトベーレの2018(牡 父カレンブラックヒル)

2019年09月13日 | セール上場馬
セプテンバーセールに上場予定の生産馬紹介の2回目は、№193エルトベーレの2018です。

本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。

本馬は、メリオールの2018と同じく育成公社さんにセリ馴致の預託をお願いしています。

なお、9月5日付の事前提出時の測尺は体高149cm、胸囲179cm、管囲20.2cm、馬体重475kgでした。











非常に尻高で、体高のほうが尻の高さに追いついておらず、いかにも成長過程にある馬体をしています。

肉付きが良い馬なので馬体重は立派ですが、体高が上がってくるとそれに見合った見栄えになるはずです。

父のカレンブラックヒルは、今年初年度産駒がデビューしています。

中央の勝ち馬はオヌシナニモノ1頭ですが、彼はダート新馬戦での勝ち上がりで、ホッカイドウ競馬所属のアザワクもJRA認定レースを2連勝するなど、産駒のダート適性は高そうな印象です。

ただ、一方で中央の新馬戦で2着馬が3頭いるなど、父同様に芝適性を示している馬もいることから、将来的には父ダイワメジャー同様にカレンブラックヒルも芝・ダート兼用の種牡馬になっていくかもしれません。

母のエルトベーレはパワフルな馬体をした米血統らしい繁殖牝馬で、初仔のグランジゲレイロはダートの新馬戦を勝っています。

父カレンブラックヒルのスピード、母エルトベーレのパワーを受け継がせたいと思い、スピード系の米血脈であるStorm Cat4×4やMr.Prospector6×4・5のクロスができる配合をして本馬が生まれました。

特にStorm Catクロスに関しては、父カレンブラックヒルがスカーレットブーケ≒Storm Catの相似クロスを持っていたことから、その継続強化を狙う意味でStorm Catをクロスさせる配合にしました。





また、エルトベーレの2018の代では、La Menina(ダイワメジャーの4代母)とGay Hostess(ケンタッキーダービー馬Majestic Princeの母)による全きょうだいクロス6×7が生じます。

この全きょうだいに加えて、これらの半きょうだいであるT.V.Commercialとの近親クロスも本馬の血統的特徴だと考えていて、これにより高い素質が伝わることを期待して配合しています。





いまだ成長途上の馬体ですが、パワフルな雰囲気を残しながら体高が伸びてくると、本馬の血統らしい力強さとスピードを感じさせる好馬体になるのではと期待しているところです。

本馬に興味のある方は、当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)

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【セプテンバーセール】№134メリオールの2018(牡 父フェノーメノ)

2019年09月12日 | セール上場馬
今年から新設されたセプテンバーセールには、当場から生産馬を3頭上場予定です。

今回は№134メリオールの2018を紹介させていただきます。

なお、本馬の牝系解説文についてはこちらをご参照ください。











9月5日付の事前提出時の測尺は体高153cm、胸囲181cm、管囲19.5cm、馬体重410kgでした。

馬体的にまだ粗削りな面があり、これから成長するなかで雰囲気が変わってきそうな印象です。

現在は胸が深く素軽い作りをしていて、それほど大柄ではない点などを考えてもステイゴールド系らしい馬体と言えそうです。

本馬は地元の育成場である育成公社さんにセリ馴致をお願いしていますが、フェノーメノ産駒ということもあってか勝ち気な気性をしています。

そのフェノーメノは、今年初年度産駒がデビューしています。

中央ではまだ1頭しか勝ち上がっていない状況ですが、その勝ち馬であるスプリングドリーム(母父ロージズインメイ)は芝1600で勝ち上がり、つづくOPコスモス賞(芝1800)で3着しているように、やはりフェノーメノ産駒はその父系通り距離がある程度あったほうが良いタイプかもしれません。

フェノーメノ自身の血統はNearcoとHyperionのラインが強く、全体に欧州血統の雰囲気が漂う血統パターンです。

フェノーメノのこの血統的特徴を残しながら、同時に日本向きのスピードも取り入れたいと考えて、フェノーメノ同様にNearcoとHyperionの血を強く持つキングカメハメハの娘メリオールと配合して本馬が生まれました。

キングカメハメハはNearcoとHyperionの血が強く、これはフェノーメノと同じ血統傾向ですが、同時にキングカメハメハはその種牡馬成績が証明しているように日本向きのスピードも産駒に伝えています。

加えて、本馬の母メリオールの母系にはフレンチデピュティやStorm Catといったスピード系の米血脈が入っているほか、母メリオール自身がMr.Prospectorのクロスも持っていることから、スピード血統を取り入れたフェノーメノ産駒を生産するにはメリオールは適した繁殖牝馬だと考えました。

この配合から生まれたメリオールの2018の最大の血統的特徴は、デインヒル≒カスパースカイゴールドの組み合わせだと考えます。





いずれの血脈もNorthern Dancer、His Majesty、Buckpasserを持つ点で共通しています。

特にデインヒル、カスパースカイゴールドの両血脈とも子孫にスピードを伝えている点が、この配合における最大の長所かもしれません。


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