突然の報告ではありますが、2月25日に当場繫養の繁殖牝馬チャームアスリープが事故により亡くなりました。
昨年は受胎しなかったので、今年の出産予定はありませんでした。
一方で発情も来ていて、これから種付という段階まで来ていたので、当場としても非常に残念な気持ちでおります。
チャームアスリープは、2003年3月19日に当場の大富分場で誕生。
母のターフアミティエは、細身の素軽い馬体の持ち主でした。
いかにも芝向きの彼女でしたが、生まれてくる初仔の馬体を考えた場合、この牝馬の配合相手には立派な馬体をしている種牡馬が望ましいと考えました。
そこで配合相手に選んだのが、骨量もあって馬体に厚みもあるティンバーカントリーです。
そして、この配合から初仔として生まれたのが、チャームアスリープでした。
チャームアスリープは、当歳時から一見すると牡馬かと思うほど立派な馬格をしていました。
【当歳時のチャームアスリープ】
1歳になってからは、同じ牝馬のグループのなかでは明らかに大柄な馬で、非常に馬っぷりの良い馬体だったのを憶えています。
この1歳の時期に、馬主様のエージェントの方が来られて、縁あって見ていただいた1歳馬が彼女でした。
【1歳時のチャームアスリープ】
いま思えば、当場と馬主様そして船橋・佐藤賢二調教師とのお付き合いは、この馬から始まったと言えます。
競馬場に行ってからのチャームアスリープは新馬戦勝ちを収めるも、その後はなかなか勝ち切れず、レースを使われながら成長。
浦和桜花賞を前に2勝目を挙げて臨んだ本番では、内田博幸騎手を背にスタートから道中気合を付けられ通しの展開で、第3コーナー手前から一気に先頭集団に取り付きます。
そのまま直線を迎えて、最後は抜け出して見事1番人気で快勝。
その勢いで迎えた東京プリンセス賞では、最後ギリギリ交わして再び1番人気に応えて2冠を達成しました。
最後の1冠は交流G2関東オークスでしたが、このレースでも中団やや後方でレースを展開。
これまで通り、第3コーナー手前から徐々に進出すると、先に動いた先頭集団を追う展開になります。
直線を迎えたときは、牝馬ながら交流G1全日本2歳優駿を勝った先頭のグレイスティアラとかなり開きがありましたが、そこから一気の末脚を見せて最後はクビ差交わして優勝。
この瞬間に、南関東初の牝馬3冠馬になったのです。
繁殖牝馬として生まれ故郷に帰ってきたチャームアスリープは、なかなかに気の強い性格で、さすがは牝馬3冠を達成した馬だなと思ったものです。
当場で好結果を出しているキングヘイローやダート種牡馬の雄ゴールドアリュールなどと配合されて、産駒たちは南関東で勝ち上がっていますが、当場の力及ばず残念ながら母を超える馬は生産できていません。
これからデビューを迎える馬に、父セレンの牡馬(2歳)とその全きょうだいの1歳牡馬がいます。
【在りし日のチャームアスリープと2016年産の牡馬(父セレン)】
父のセレンも当場生産馬で、馬主様も厩舎(船橋・佐藤賢二厩舎)もまったく同じです。
彼は南関東重賞を4勝して、交流G1東京大賞典でも中央馬につづき4着しました。
非常に素軽くバネのある馬で、南関東に行くと決まるまでは、正直なところ芝馬なのではと思っていた時期もありました。
それが、チャームアスリープの縁でこれほどまでの競走成績を収めてくれたのです。
馬主様のご厚意で種牡馬入りして、その際に配合して生まれたのが、チャームアスリープの2016と2017(いずれも栗毛の牡馬)たちです。
お兄さんのほうは、現在育成場でデビューに向けて育成中。
弟のほうは、私が管理する当場1歳分場で昼夜放牧中です。
当場では今年から冬期の昼夜放牧を導入したのですが、チャームアスリープの2017も順応して元気に育っています。
すでに150cmを超える体高で、このあたりは母譲りなのでしょう。
一方で、胴回りは比較的すっきりとしていて素軽さを感じさせるので、これは父の影響かなと思っています。
チャームアスリープのことを想いながら、ブログでファンの皆様に報告しなければと車での帰宅中にふと放牧地を見ると、珍しく1頭で佇むチャームアスリープの2017がいました。
少し気になって、放牧地脇まで歩いて様子を見に行って『チャーム!』と呼びかけたらこちらを向きました。
【チャームアスリープの2017(牡 父セレン】
忘れ形見となりましたが、そんな彼を見ながら私もいろいろなことを想い出す瞬間でした。
昨年は受胎しなかったので、今年の出産予定はありませんでした。
一方で発情も来ていて、これから種付という段階まで来ていたので、当場としても非常に残念な気持ちでおります。
チャームアスリープは、2003年3月19日に当場の大富分場で誕生。
母のターフアミティエは、細身の素軽い馬体の持ち主でした。
いかにも芝向きの彼女でしたが、生まれてくる初仔の馬体を考えた場合、この牝馬の配合相手には立派な馬体をしている種牡馬が望ましいと考えました。
そこで配合相手に選んだのが、骨量もあって馬体に厚みもあるティンバーカントリーです。
そして、この配合から初仔として生まれたのが、チャームアスリープでした。
チャームアスリープは、当歳時から一見すると牡馬かと思うほど立派な馬格をしていました。
【当歳時のチャームアスリープ】
1歳になってからは、同じ牝馬のグループのなかでは明らかに大柄な馬で、非常に馬っぷりの良い馬体だったのを憶えています。
この1歳の時期に、馬主様のエージェントの方が来られて、縁あって見ていただいた1歳馬が彼女でした。
【1歳時のチャームアスリープ】
いま思えば、当場と馬主様そして船橋・佐藤賢二調教師とのお付き合いは、この馬から始まったと言えます。
競馬場に行ってからのチャームアスリープは新馬戦勝ちを収めるも、その後はなかなか勝ち切れず、レースを使われながら成長。
浦和桜花賞を前に2勝目を挙げて臨んだ本番では、内田博幸騎手を背にスタートから道中気合を付けられ通しの展開で、第3コーナー手前から一気に先頭集団に取り付きます。
そのまま直線を迎えて、最後は抜け出して見事1番人気で快勝。
その勢いで迎えた東京プリンセス賞では、最後ギリギリ交わして再び1番人気に応えて2冠を達成しました。
最後の1冠は交流G2関東オークスでしたが、このレースでも中団やや後方でレースを展開。
これまで通り、第3コーナー手前から徐々に進出すると、先に動いた先頭集団を追う展開になります。
直線を迎えたときは、牝馬ながら交流G1全日本2歳優駿を勝った先頭のグレイスティアラとかなり開きがありましたが、そこから一気の末脚を見せて最後はクビ差交わして優勝。
この瞬間に、南関東初の牝馬3冠馬になったのです。
繁殖牝馬として生まれ故郷に帰ってきたチャームアスリープは、なかなかに気の強い性格で、さすがは牝馬3冠を達成した馬だなと思ったものです。
当場で好結果を出しているキングヘイローやダート種牡馬の雄ゴールドアリュールなどと配合されて、産駒たちは南関東で勝ち上がっていますが、当場の力及ばず残念ながら母を超える馬は生産できていません。
これからデビューを迎える馬に、父セレンの牡馬(2歳)とその全きょうだいの1歳牡馬がいます。
【在りし日のチャームアスリープと2016年産の牡馬(父セレン)】
父のセレンも当場生産馬で、馬主様も厩舎(船橋・佐藤賢二厩舎)もまったく同じです。
彼は南関東重賞を4勝して、交流G1東京大賞典でも中央馬につづき4着しました。
非常に素軽くバネのある馬で、南関東に行くと決まるまでは、正直なところ芝馬なのではと思っていた時期もありました。
それが、チャームアスリープの縁でこれほどまでの競走成績を収めてくれたのです。
馬主様のご厚意で種牡馬入りして、その際に配合して生まれたのが、チャームアスリープの2016と2017(いずれも栗毛の牡馬)たちです。
お兄さんのほうは、現在育成場でデビューに向けて育成中。
弟のほうは、私が管理する当場1歳分場で昼夜放牧中です。
当場では今年から冬期の昼夜放牧を導入したのですが、チャームアスリープの2017も順応して元気に育っています。
すでに150cmを超える体高で、このあたりは母譲りなのでしょう。
一方で、胴回りは比較的すっきりとしていて素軽さを感じさせるので、これは父の影響かなと思っています。
チャームアスリープのことを想いながら、ブログでファンの皆様に報告しなければと車での帰宅中にふと放牧地を見ると、珍しく1頭で佇むチャームアスリープの2017がいました。
少し気になって、放牧地脇まで歩いて様子を見に行って『チャーム!』と呼びかけたらこちらを向きました。
【チャームアスリープの2017(牡 父セレン】
忘れ形見となりましたが、そんな彼を見ながら私もいろいろなことを想い出す瞬間でした。