今年は、当場からサマーセールに3頭を上場予定です。
当場生産馬の上場は第4日目の8月22日でサマーセール最終日となっていて、上場番号としては全体から見ると遅めではありますが、是非ご注目くださいますようお願いいたします。
さて、3頭上場のなかで最も早いのが、今回取り上げる№1119ダンシングハートの2018です。
牝系解説文に関しては
こちらをご参照ください。
事前にHBAに提出した測尺は、以下のとおりです。
【体高】155cm 【胸囲】175cm 【管囲】20.0cm 【馬体重】457kg
現時点での測尺としては標準レベルだといえる数字でしょう。
父のヘニーヒューズは種牡馬として好調で、中央における勝ち馬率だけならば成功種牡馬ロードカナロアと同等レベルにあります。
ただ、ロードカナロアとは異なり、ヘニーヒューズ産駒の勝利数はダートに集中しています。
本馬は母父サンデーサイレンスの影響を受けて柔らか味のある歩様をしていますが、父ヘニーヒューズ譲りの筋肉質の馬体をしているので、この馬も主戦場はダートということになりそうです。
ヘニーヒューズ産駒の活躍傾向としては、モーニンのように母方にMr.Prospectorの血を持つか、ワイドファラオのように母方にサンデーサイレンスの血を持つ馬が上位クラスで活躍しています。
モーニンのように母方にMr.Prospectorの血を持つヘニーヒューズ産駒の場合、Mr.Prospectorの2代母Miss Dogwoodとヘニーヒューズが持つNothirdchanceによる相似クロスができます。
いずれの血も、Bull Dog(Sir Gallahad)×Blue Larkspurの組み合わせを持つ血脈です。
ダンシングハートの2018の2代母であるアイレスバリーヒルはBuckpasser3×3を持っていますが、Buckpasserの2代母BusinesslikeはBlue Larkspur×Teddy(Bull Dog、Sir Gallahadの父)の組み合わせなので、ダンシングハートの2018血統にはNothirdchance≒Miss Dogwood≒Businesslikeによる相似クロスがあるとも考えられます。
ワイドファラオのように、母方にサンデーサイレンスの血を持つヘニーヒューズ産駒の血統においては、サンデーとヘニーヒューズの父であるヘネシーが共にMahmoudクロスを持っているので血統傾向は合うはずです。
とりわけ、ヘニーヒューズが持つTom Catの血と、サンデーの持つCosmahの血は相似関係にあります。
いずれも、Pharamond系×Mahmoud系の血統パターンです。
このように、Mr.Prospectorやサンデーサイレンスの血を持つ繁殖牝馬はヘニーヒューズと血統的相性が良い傾向にありますが、ダンシングハートはそのどちらの血も持っているのでヘニーヒューズとは相性が良いと考えて配合した結果、本馬が誕生しました。
もう一つ、本馬の配合を考えるにあたって参考にしたのが、本馬の従兄にあたるラインルーフ号(OP勝ちあり)です。
母同士が3/4姉妹という関係であり、それぞれの父であるフレンチデピュティとヘニーヒューズはいずれもNorthern Dancer系×Hold Your Peace系牝馬ということで、ラインルーフとダンシングハートの2018は極めて似通った血統背景を持っています。
また、本馬の半兄であるセツメンノトビウオ号(現2歳、1勝馬)はフレンチデピュティの血を引くクロフネ産駒なので、こちらも本馬の血統パターンと近い関係にあります。
以上のことから、繁殖牝馬ダンシングハートにヘニーヒューズは合うと考えて配合して、結果として立派な牡馬が生まれてくれました。
この馬は、当場においてはセレクションセールでトッププライスだった当場生産馬オーシャンフリートの2018の僚馬という関係でした。
ただ、放牧地で2頭があまりに激しい相撲を取り合う関係だったので、両馬のケガの防止という観点から、当時セリ馴致をまだ始めていなかった本馬のほうを育成公社さんにセリ預託に出すことで両馬を引き離すことにしたという経緯があります。
なかなかに気の強い面がある馬ですが、それでも育成公社さんでセリ馴致をしてもらうなかで心身ともに成長してくれました。
馬体的に良い状態をキープしているので、あとはこのまま来週のセールを迎えたいところです。
本馬に興味のある方は、
当場HPからご連絡頂くか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入下さるようお願いいたします。(表示はされません)
当場から折り返し連絡させて頂きます。